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スピーチロックと虐待② ~研修用~

スピーチロックの事例

フィジカルロックとドラッグロックは、“物を使って利用者の体と精神を拘束し行動を制限”するため、見ただけで身体拘束をしているということが分かります。
しかし、スピーチロックには実体がないため、「スピーチロックをしているつもりがない」という場合が多く、まわりの人間も「あれはスピーチロックだ」と言及しにくいのが現実です。

いくつかの事例を、全国の医療・介護施設のデータからあげてみます。

①ちょっとまって!…いつまで待たないと行けないのか? なぜ待たないといけないのか?
②ダメ!…なぜだめなのか? 子供のように怒られるのは気分が悪い それを行ったのには理由がある
③座ってて!…なぜ立ってはいけないのか 立ち上がるのは理由がある 
④何してるの!…理由はあっても強く言われるのは気分が割るい 理由が言えないこともある
⑤さっきも言った…言われた記憶はない 言われたけど納得してない 言ったけど取り合ってもらえなかった
⑥やってあげない…なぜやってくれないのか? 自分がなにか悪いことをしたか 自分でやるからいいもう言わない

このような言葉を発してしまった経緯に、「そんなつもりで言ってない」「利用者との関係性があるからそうはならない」などの意見が聞かれることがあります。しかし、これは介助者側の意見であり、利用者が言っているわけではありません。なかには、ご利用者がそう言ったという人もいるかも知れませんが、利用者が本心からそう言っているかはわかりません。

笑顔で優しい口調で話している時や、利用者との雑談の中で、このような言葉が発せられることもあります。
しかし、これがスピーチロックになるかどうかは人や状況によって、左右されることがあります。

逆に、優しい言葉だったとしても、表情や口調、態度によっては、不快感を与えることもあります。本人はもちろんですが、周りの人が「スピーチロックである」と感じた時 初めて、スピーチロックをしている可能性が浮上してくるのです。



続く・・・

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