見出し画像

ひとりで美術館ハシゴ旅/7.大阪府ーArtとTalk㊽ー

皆さんこんにちは、宇佐江です。
今回は、1つの都道府県に的を絞って美術・博物館を複数めぐる「ひとりで美術館ハシゴ旅」第7弾、大阪編をお送りします!
ちなみに前回はこちら↓

西日本最大の都市であり、施設の数も充実してアクセスも便利な大阪。すでに何度か訪れているので、今回ご紹介するところも過去記事に登場したものが含まれますが、新しく出来た美術館や、リニューアルオープンに合わせてこのタイミングでおでかけしました。
ではいざ、出発!


☆「ひとりで美術館ハシゴ旅」について☆

・記事の内容は宇佐江個人の主観や感想に基づくもので、公式なものとは一切関係ありません。
・タイムスケジュール優先の旅ですので、各展の最適な鑑賞時間より短い場合があります。(※記載は観覧時間でなく、その施設での滞在時間です)
・施設に関する情報は、各施設のHPや広報物等を一部参考にしております。
・館内写真はスタッフさんに確認の上、撮影しております。
・情報は当時のものです。実際に行かれる際は各公共交通機関や施設の最新情報を必ずご確認ください。


(本文はエッセイ形式でお送りします)


①10:40~13:20/大阪中之島美術館

◆開催していた主な展示
『塩田千春 つながるアイ
『TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション』

珍しいブラックキューブの美術館

訪れた日:2024年9月の平日
移動①…新幹線/名古屋8:58発→新大阪9:48着→メトロ御堂筋線/淀屋橋まで約10分→駅から徒歩約15分

(今回、実は名古屋駅で大トラブルが起きたのですが美術館とは関係ないので後ほど…。)

新大阪から現地までは本来30分くらいで着けるはず。けれど寄り道したり(道中あった香雪美術館。展示替中だったのでロビーと外観だけ見学)、電車オンチのせいでなるべく新大阪からダイレクトに行ける駅を選んだら、結構トホが遠かった…。実際に行く方は、渡辺橋駅の方がおすすめ。

2022年にオープンして以来、ずっと来たかった大阪中之島美術館。なにせこの美術館、構想から約40年もの長い紆余曲折を経ている。かなり昔、橋下さんが市長をされていた時期に美術館計画がいったん白紙になるだとかでワイドショーが連日賑わっていたのが印象的で。その美術館が、ついに開館したんだなあと他県民ながら感慨深い。
都会の高層ビル群に囲まれたその姿は、最近の美術館にしては珍しい、異彩を放つブラックキューブ型。コンセプトもあるだろうけれど、どうやら立地上環境への配慮(ガラスだと周囲の建物へ反射するなど影響が大きい)もあったそう。
中に入ると、広報ビジュアルでよく目にする特徴的な吹き抜けと階段。来館者も、やっぱりこの部分をバシャバシャ撮っていた。1階にはレストランや家具店などが入り、2階がインフォメーションやショップ(歩行者デッキと繋がっておりここからも入館可能)。3階がなくて、4~5階が展示室となっている。

展示室もかなり広かった。『TRIO』は豪華豪華。やはり大都市、素晴らしいコレクションをたくさんお持ちですね…と改めて感嘆する。
そして楽しみにしていた塩田千春さん。糸のインスタレーションはどこで観ても圧倒されるけれど、今回は、水面の演出が特に美しかった。
ちなみに、塩田さんの展示に初めて行く人へひとつアドバイスをすると、「写真を撮る人に遠慮するな」。だいたい撮影OKで、確かに映えまくる展示だから気持ちはわかるけれど、前を横切ったら悪いかな…なんて気にしていたらキリがない。思う存分、観たいように観ていただきたい。

美術館内のレストランにて昼休憩

②13:25~15:15/国立国際美術館

◆開催していた主な展示『梅津庸一 クリスタルパレス』

SFっぽい外観

移動②…大阪中之島美術館から徒歩1分

道を挟んで中之島美術館の目の前にあるのが、国立国際美術館。間違える人が余程多いのか、「ここは国立国際美術館です。大阪中之島美術館は正面に見えている黒い建物です。」と張り紙がしてあった。ちなみに同じ敷地内に科学館もあるのだが、国立国際もぱっと見、近未来感が科学館っぽいのでそちらとも間違えられそう…。



公式HPによると、もともとは万博にあわせて建設された万国博美術館を活用して1977年に開館したものを、老朽化のためこの中之島地区に移転。完全地下型の美術館で、建物に入るとすぐエスカレーターがあり、ぐいーんと下がる。地下1階がインフォメーションやショップ、展示室へはさらに下がり地下2~3階となる。けれど、あまり地下独特の圧迫感はない。中之島同様吹き抜け構造になっていて広々しているし、壁やロビーの床が暖色なせいか、親しみやすい雰囲気がある。

ところで、ここは以前も来た事があるし今回は中之島のついで…と言っては申し訳ないが、コース的にちょうど良かったので選んだ国立国際。けれど、来て大正解だった。
開催中の企画展が、めちゃくちゃおもしろかった。
『梅津庸一 クリスタルパレス』。私とほぼ同世代なのに、こんな大きな会場ですごいな~と軽い気持ちで入場したら、圧倒的作品量と炸裂するエナジーにやばい…、やばい展示だこれ…と釘付けに。「蒙古斑」とか「花粉」とか独特のワードセンスや、美大システムに対するアンチテーゼなども個人的に刺さりまくったが、一番気になったのが、順路を進むにつれ聴こえてくる謎のヴィジュアル系音楽…。誰だろうこの王道V系メロディー(※私も友人の影響で高校時代V系バンドにはまっていました)…と思ったら、展示室に爆音で流れていたのはDIAURAというV系バンドの曲だった。
熱狂的なV系ファンだという梅津さんからの依頼で書き下ろされたものだそうで、スクリーンに流れていたMVは梅津さん制作という徹底ぶり。しかもこの時代に、CD音源が会場限定販売っていうのがかっこよすぎる!!音源は、耳にとどめておくことにしたけれど(今も脳内で流れている…)もう本当にすごく、すごく衝撃的に面白かった。

ハシゴ旅とは関係なくて恐縮ですが10月6日までです。少しでもご興味ある方はぜひ!


③15:40~16:40/大阪市立東洋陶磁美術館

◆開催していた主な展示『シン・東洋陶磁』

正面はガラス張りで印象ガラリ。

移動③…国立国際美術館から徒歩20分

電車だと京阪なにわ橋駅が最寄(東洋陶磁の目の前に出る)なのだが、へたに駅まで行くより国立国際からなら、中之島美術館との間の道をまーっすぐ歩いた方がてっとり早い。手前の大阪市中央公会堂が目印で、昔、美大の研修旅行で来た時もこの景色がすごく記憶に残った。

1982年に開館した東洋陶磁美術館。いつかまた来たいな~と思っているうちに改修工事に入ってしまい、ずっと今年のリニューアルオープンを待っていた。個人的に、岐阜県美術館のルドンコレクションの前身である「安宅コレクション」の東洋陶磁部分がこちらの美術館に収蔵されているのもあり、勝手に親戚みたいな気分を長年抱いている。
さっそく中へ。

おお…、暑い…。


私の撮った角度ではわかりにくいが、正面のエントランス部分は全面ガラス張り。この日は9月としては異常なほどの暑さで、展示室は勿論キンキンに空調がきいていたが、1階ロビーは熱気がこもって大変そうだった。その分、すごい数のサーキュレーターが大活躍していた。

展示室内の記憶はおぼろげだけれど、小部屋がかなり増えた気がする。迷路のように次から次へと部屋が続く。展示品は重要文化財や国宝などのオンパレードで、またしても、大阪という大都市のパワーと歴史をひしひしと感じた。
それと、地元の人の美術館愛。
この日は平日で、しかも私が着いたのはもう夕方の閉館前。にも関わらず、展示室は結構なにぎわい。観光らしき人も居たけれど、地元の常連の人なのだろうなあ~というリラックスした雰囲気が満ちていた気がする。数人のグループで来ていた高齢女性が、「ほらこの子(作品)。この子がうち好きなんよ~」と自慢の娘を紹介するように陶磁の女性像をにこーっと眺めている。地元の人が誇れる公立館コレクションって、いいなあと思った。




その他のおすすめ美術館!

カッコイイ大阪市中央公会堂
(東洋陶磁美術館の目の前)

大阪で他におすすめなのが大阪市立美術館。一時は中之島美術館と統合するなんて話も出ていたけれど、ここはここですごく素敵な美術館なので一緒にならなくて良かった…と個人的にほっとしている。現在は改修工事中で、リニューアルオープンは2025年3月1日を予定(公式HPより)。そしたらまた、ゆかねば!
そしてもし市立美術館に行くのであれば、すぐ近くにあべのハルカス美術館もある。展望台もあるし、大きな公園や動物園もある天王寺エリアも大阪美術館旅のおすすめコース。
この2館については過去こちらの記事で紹介しています。





今週もお読みいただきありがとうございました。余談ですが、冒頭述べました名古屋駅でのトラブル…。

私の愛するJR東海ツアーズの旅行相談窓口が軒並み閉店になってしまい、今回初めてネットでスマートEXを利用したプランにしたんです。自分の交通系ICカードに紐づけもして、いざ、新幹線の改札を通ろうとしたらまさかのエラー。カスタマーセンターに問い合わせると、どうやら最後まで手続きが完了していなかったことが判明。
がーーーーーん。
だってちゃんと予約完了メールも来たし、「前日だよ」のメールも届いていたのに…!しかも悪いことに私はスマホでなく、その場では操作できる端末も持っていないから手も足も出ない状況。1時間程、複数の窓口へ言われるまま電話をかけ続け当然予定の電車には乗れず、傷心のままみどりの窓口で事情を話し改めてチケットを買い直そうとしたら「少々お待ちいただけますか?」と、お姉さんが上司に相談に行き、戻るとなんと、問い合わせにより乗り遅れたことを汲んで代わりの席を無料で用意してくれました…!!
発券された馴染み深い水色チケットを手にしたときの、感動と安堵感たるや。やっぱり紙がいい!最高!そして、「駅員に何か尋ねられたらこれをお見せください」と切符の端に赤字で「事情きのどくのため 許可」と書かれていました…。
「事情きのどくのため」。AIよ、君にいつか理解できるか、この義理人情が…。とにもかくにも、初めて利用するものはちゃんと、ネット完結せずに確認しなければと大反省したのでした。

皆様は過去に旅の失敗、なにかありましたか?

◆次回予告◆
『ArtとTalk㊾』2週連続ハシゴ旅!大阪の隣のあの県!

それではまた、次の月曜に。


*ひとりでハシゴ旅シリーズ。過去回はこちら↓


*今回訪れた施設*

https://www.nmao.go.jp/#


いいなと思ったら応援しよう!