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フィットネスもオンラインの時代へ。ペロトン決算発表(2020年4~6月期)

新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、外出制限やロックダウンなどの措置が取られた結果、家に居ることを前提としたビジネスの提供、生活様式の変化が進みました。

仕事や学校の授業は、かなりの割合で在宅ワークやリモート学習によって進められています。ネット販売が拡大し、宅配ビジネスは盛況です。
音楽や演劇などのライブイベントが軒並み中止となり、オンラインライブ配信という新しい提供の仕方が広がってきました。
そして、フィットネスの世界でもオンラインによるビジネス展開が進んでいます。

オンラインによるフィットネスを展開しているのがペロトン・インタラクティブ、2012年に創業、19年9月に上場したばかりの新興企業です。

ペロトンってどんな会社

ペロトンは、トレーニング用のバイクやランニングマシンなどを販売しています。そして、アプリや端末を介して、インストラクターのトレーニングメニューを中心とした様々なコンテンツを配信し、個々のユーザーのニーズや状況にあったサービスを提供するという点に特徴があります。

コンテンツ提供は会員制となっていて、トレーニングマシンの販売と毎月の会費が主な収益源となっています。
ちなみにマシンは結構高額で、バイクは1895ドル(2245ドルから割引中)と2495ドル、ランニングマシンは2495ドルと4295ドルとなっています(9月13日時点)。

またトレーニングメニューだけの会員となることもでき、こうした会員向けの新しいメニューとして、2020年度(2019年7月~20年6月期)には、筋トレのほか、ヨガや瞑想のプログラムを追加したことを発表しています。

最新の決算動向

 (万ドル)    売上高  営業利益  純利益 1株当たり利益
2019年4~6月期   223    -49   -47   -2.07ドル
2020年1~3月期   525    -58   -56   -0.20ドル
2020年4~6月期   607      90    89     0.27ドル

9月10日に発表された20年4~6月期決算によると、売上高は6億700万ドルで前年の同じ時期の2.7倍(172%増)と大きく増加しました。

内訳はマシンの販売が4億8600万ドルで前年同期の約3倍(199%増)、会費収入が1億2100万ドルで前年同期比でほぼ倍増(98.7%増)となっています。

ペロトンは6月期決算ですので、通期決算については以下の通りとなりました。

 (万ドル)  売上高  営業利益  純利益 1株当たり利益
2018年6月期   435    -48    -48   -2.18ドル
2019年6月期   915     -202     -196   -10.72ドル
2020年6月期   1,826    -81       -72   -0.32ドル

新型コロナの影響もあり、この3カ月間にマシンフィットネスのサブスクリプション会員は20万人余り増え、6月末時点では109万人(前年6月末比2.1倍)となっています。

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売上高の増加に伴い、売上原価も増加しましたが、製品や配送などでの効率化が進み、粗利率は改善しています。
また、新しいマシン開発やソフトウェアへの投資といった研究開発費は引き続き増加しましたが、メディア向けの広告宣伝を抑制したことなどからマーケティング関連費用が大きく減少しました。

この結果、純利益は8900万ドルの黒字、1株当たり利益は0.27ドルの黒字となりました。これは、公表資料により確認できる17年7~9月期以降で初めての黒字となります。

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今後の見通し

新年度入りした20年7~9月期について
 ・売上高 7億2000万〜7億3000万ドル
 ・9月末のマシンフィットネスのサブスクリプション会員数
    129万~130万人(四半期中に約20万人増)

また21年度通期(20年7月~21年6月)については
 ・売上高 35億〜36億5000万ドル(ほぼ倍増)
 ・21年6月末のマシンフィットネスのサブスクリプション会員数
    205万~210万人(年間でほぼ倍増)

との見通しを発表しています。

引き続き好調な収益及び加入者数の増加が見込まれています。

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まとめ

・フィットネスマシン販売とオンラインでコンテンツ配信を行う
・20年4~6月期の売上高は前年同期比2.7倍
・純利益は四半期ベースで上場後初の黒字
・2021年6月期通期の売上高は前年比ほぼ倍増予想
・会員数も年間で約100万人増(期末時点で倍増)見込み



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