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【イベントレポート】Z DIALOG #1隣の席は別世界

以下、9月30日に開催された「Z DIALOG #1隣の席は別世界 」のイベントレポートをお届けします。

社会課題を見えづらくする「偏り」

社会課題解決という言葉が注目を集める昨今。事実、社会課題は私たちのすぐ横に確かに「ある」のだが、これを日々感じながら生きている人は然程多くないように思う。その原因は「偏り」にあるのではないだろうか。地域や学歴、年収、趣味など、近い環境や価値観の人と出会いやすい現代社会。これによって生まれた偏りは、自分のすぐ横に山積した社会課題を見えづらくしてしまっているという課題意識のもと、本イベントを開催した。

私たちのあすを、私たちで考えていこうと活動する若者で構成されたUs Labのつくる「Z DIALOG」の第一回は「#1 隣の席は別世界」と題して、誰しもが経験している「教育」にフォーカスした。当日は導入として北海道・旭川でグローバル教育を推進する菊池さん、石川県・金沢でキャリア教育や実践型インターンシップを実施する仁志出さんのスピーカートークに加え、分科会では参加者同士が自身の経験を共有し、互いの経験を比較することで「当たり前」の違いについて考えた。

スピーカートーク~教育セクターで活躍する起業家が感じている「教育における課題」とは~

参加者が自らの経験を振り返る思考の導入として、実際に教育セクターで事業を行われている仁志出さんと菊地さんをお招きして、スピーカートークの時間を設けた。スピーカートークのテーマは、「事業の背景にある課題感」

スピーカートーク①:仁志出憲聖(にしでけんせい)さん
株式会社ガクトラボ 代表取締役
1986年金沢市出身。大学院在学中に、幼馴染と学生団体を設立。代表に就任。卒業後は就職はせず、団体の継続・発展のために事業化し、’15年『株式会社ガクトラボ』に法人化。地域若者チャレンジ大賞2013全国大会優秀賞、第32回人間力大賞「青年版国民栄誉賞」会頭特別賞受賞。金沢市起業実践アドバイザー、石川地域づくりコーディネーターも務める。

仁志出さんが感じてきた教育における課題は、「学生と社会人が交流する場がない」ことだったと言う。

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約10年前、学生から起業なさった仁志出さん。スマートフォンもSNSも普及していなかった時期。地方ではインターンを実施しているところも当然ほぼない時代。「学生がやりたいことに挑戦する機会を自ら作るしかない」という想いで学生団体を設立、卒業を機に起業をしたそうだ。

起業から10年、「金沢は学生のまち」だとおっしゃるほど、学生の挑戦をサポートする体制は整いつつある。しかし事業の発展の中で出てきた課題が「小学生~高校生にも、挑戦の機会を与えること」

「もっと早く、こういう活動に出会いたかった」という学生の想いに応えるために日々悩みながら、奮闘する現場の声をお聞きすることが出来た。

スピーカートーク②:菊地 佳(きくち けい)さん
Sanagy株式会社 代表取締役/nest co-living発起人
2016年にDMM.Afircaの新規事業として、ルワンダで立ち上げた大学生向けの起業体験プログラムをきっかけに教育の世界へ。2019年に旭川にUターンしSanagy(株)を創業。人生を豊かにする「きっかけ」づくりをミッションに、次世代教育・地方創生事業を手がける。

菊地さんは感じている課題を、「はかれるもの、はかれないもの」ということをキーにお話してくださった。

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DMM.Afircaの新規事業として、ルワンダで立ち上げた大学生向けの起業体験プログラムをきっかけに教育の世界へと足を踏み入れた菊池さん。これまで自身が学生の頃に、子供のころに学びたかったことを起点に「心震える、きっかけ」を提供し続けている。その中の一つに自然の中で自然体の自分と向き合うプログラムがある。

その自然の中での学びは、確実に価値があるが、偏差値や点数のように「はかれるもの」ではない。その様な「はかれない」ものをどう大切にしていくのかが菊地さんの感じている課題感の一つだそうだ。

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(▲ファシリテーターはUs Labのきっき。スピーカーのお二人ときっきの和やかで真剣な掛け合いは学びに溢れる時間になりました。)

スピーカートークの後はzoomのアンケート機能を用いて参加者の教育環境の分布図づくりを実施。オンラインイベントに参加する時点である程度の偏りが生まれるのではないか、という仮説のもと行ったが、その中でも一定のばらつきが出た。

分科会で語られたこと

最後は、本イベントのメインコンテンツである分科会。
「ふつう」や「当たり前」の違いを体感することを目的に、6名ほどの小部屋に分かれて自らが経験してきた教育環境についてお話していただいた。

それぞれの小部屋で公教育、私教育問わず様々な観点で教育における「違い」を感じさせる話題が提供される時間となったが、だからこそセンシティブな内容を含むため詳細については記述を控え、どのような観点が挙げられたのか整理する。

・教育の場が心理的安全性を担保してくれる場となっているのか。
・家庭環境による差
 「○○しなさい!」という言葉をかけられる環境だったのか。
・自立するとは、何を指すのか。
・受験が前提のクラス。これによって生まれた分断。
・首都圏における偏差値教育と、高校受験時の選択肢の多さ。
 一方で地方は?

ここまで読んでくださったあなたは、どのような教育環境を過ごしてきただろうか。この記事をきっかけに記憶を掘り起こすきっかけにしてもらえれば幸いだ。

編集後記

ここまで、Us Labの高橋が第一回「Z DIALOG #1隣の席は別世界 」の様子をレポートしてきました。最後に当日参加者の方がグラフィックレコードの形で様子をまとめてくださったのでご紹介し、終わろうと思います。最後までお読みくださりありがとうございました!

ゆっこ(Twitter @kokkokbd)さん、素敵なグラレコをありがとうございます!

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