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【イベントレポート】Z DIALOG #2飲み会で政治のハナシ、あり?

以下11月24日に開催したUs Lab主催「Z DIALOG #2飲み会で政治のハナシ 、あり?」のイベントレポートをお届けします。

Us Labについてはこちらの記事をご覧ください!
https://note.com/us_lab/n/nb77faad279be

1.第2弾のテーマについて

Z DIALOGは『対話を通して心が動く瞬間を生む』をコンセプトとしたイベントです。そのため毎回テーマ設定の軸として、に対する解を導き出す事よりも、お互いの違いを認知し合いそれにより新しい気づきを得る事に重きを置いて運営をしています。

東日本大震災やSDGsなどの流れから日本でも社会課題の解決を目指すという姿勢が潮流となりつつある昨今。少子高齢化や経済的格差、環境問題など、社会課題は私たちのすぐ横に確かに「ある」ものの、これを日々実生活の中で感じながら生きている人ははたしてどれほどいるのでしょうか。
私たちが生きているのはソーシャルメディアの発達により・場所を越境して近しい価値観の人とマッチングする事が容易になった時代です。似た価値観の人が集い易いツールを得た事がある意味では偏りを生み、自分とは違う人が抱える社会課題を見えづらくしてしまっているのではと考え、Z DIALOGを開催しています。

第二弾となる今回のテーマは「政治」です。選挙がある度に政治に無関心な若者の存在が投票率の低さを示す数字などと共に語られ問題視されています。しかし、どうしたら関心を持たせられるのかについて「政治に関心がある人」を中心に話されている事の偏りや、そもそも何故関心を持つ事が出来ないか?に焦点が当てられない事に疑問を持った事が今回のテーマ設定の柱となりました。今回のZ DIALOGでは各個人の生活環境や習慣などと、それらがどう政治に対する考えや想いに紐付くのかを参加者の皆さんと共に比較し共有する時間を分科会形式で設けました。

2.それぞれの舞台で活躍する2名の話題提供者が語ったこと


今回も参加者の思考のきっかけとしてゲストをお招きしてスピーカートークを行いました。トークテーマは「政治に関心を持つようになったきっかけ」です。

今回のスピーカーは水産業を舞台に人材開発や大学生向けの実践型インターンを行っている松本裕也さん。そして大学院生時代に起業し新潟県を中心に地方と首都圏を繋ぐマッチングサービスを行っている室田雅貴さんです。地方ローカルを舞台に活動されるお二人の仕事や暮らしに、政治がどのように影響してきたか・しているのかを活動紹介に合わせて振り返ってお話いただきました。

スピーカートーク:松本裕也さん

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松本裕也(まつもとゆうや)さん
一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン事務局次長/ヤフー株式会社 SR推進統括本部 社会貢献事業本部 東北共創
2009年ヤフー株式会社に入社。3年間広告営業として従事。その後学生時代からNPOの活動に関わっている経験を活かし社会貢献系サービスの担当者となる。2014年から石巻で復興支援を行う部署への異動に伴い、家族とともに石巻に転勤。ヤフーが立ち上げからサポートしている「フィッシャーマン・ジャパン」の活動を主に行っている。

松本さんが政治に関心を持つようになったきっかけは、「想いに触れ、課題に触れる中で、社会を構成する一員であるという当事者意識を持ったこと」だと言います。

中学3年生からヒッチハイカーとして日本中を渡り歩き、大学生になると日本一周。大学生の後半からは国際ボランティアを行っているNGO団体を通して世界一周を達成したそうです。その期間に出会った大人たちの、社会に対する強い意志に触れ、自分が出来ることを「まずやってみる」という経験の中で当事者意識が生まれたのだとか。

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「政治」という言葉が連想させる事柄が、面白くなさすぎる!
という松本さん。

メディアの報道などにより「政治」という言葉から選挙や派閥争い、政治家の不祥事といった事柄を連想する人は多いのではないかと思います。しかし松本さんは「政治」とは本来社会と自分の接点の事を指すものなのではないのかという問題提起をしてくださいました。

スピーカートーク:室田雅貴さん

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室田雅貴(むろたまさたか)さん
株式会社Riparia創業者/ヤフー株式会社

195年生まれ。群馬県前橋市出身。
群馬県立前橋高校、新潟大学工学部卒業。2020年新潟大学大学院自然科学研究科修了。 大学院在籍中の令和元年に株式会社Ripariaを創業した学生起業家。 NPO法人ETIC.のMakers University4期生。

室田さんが政治に関心を持つようになったきっかけは、とても身近な「仕事」の中にありました。

新潟県を舞台にベンチャー企業を経営なさっている室田さん。ベンチャー企業が事業を行う時には銀行や近い志を持つ団体や行政との連携が欠かせないそうです。視点を変えて見るとその連携はまさに政治との接点と同義だなと感じるようになったそうです。

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事業を始める以前は政治に関心がないと感じていたと仰る室田さん。しかし事業を通して他者との連携が政治と同義だと感じるようになると、学生時代から政治との接点が多かったことに気が付いたそうです。その例として挙げてくださったのはNICT(情報通信機構)が主催で行っている税金を原資とした若手セキュリティイノベーター育成プログラム。その他にも5年間NHKでアルバイトをするなど公的資金に関わる経験を実は学生時代からしていたと振り返られていました。(選挙の開票所での調査などをしていたそう!)

投票には行きつつもその結果に一喜一憂するほど熱量が高い訳ではなかった事から自分は政治に関心がないと思っていたものの、意識を持たずに行ってきたことの多くが実は政治との接点になっていたのかもしれない、という小さな驚きを孕んだ人生の振り返りを聞かせてくださいました。

3.参加者同士の対話で見えてきたこと

スピーカートークの後は、本イベントのメイントピックスである分科会。今回は分科会を2度行い、こんな問いを投げかけさせていただきました。

①普段、どのように情報収集をしていますか?
②これまでの人生を振り返って、「なぜ」政治に関心がある/ないのか考えてください。

居住地域も年齢も、これまでの人生も異なる参加者にご参加いただいた今回。分科会では日々の生活習慣に紐付く個々の「政治観」が見えてきました。その中で印象的だったエピソードを簡単に整理すると、

・地方に住んでいると国や世界といった規模の情報は能動的に取りに
 行かないと得られない。(地方在住者)
・仕事をしていると自然と社会と繋がり、政治との接点も生まれている。(水産業関係者)
・東日本大震災が契機となり、行政の動きが日常の中にあった。国政は遠
 い世界だとしても、市民という意識を持つことが社会との接点を感じる
 きっかけを生むことが出来るのではないか。
・「地方」は行政や議会との接点を持ちやすいため、きっかけが生まれや
 すい。

4.まとめ

「政治への関心は何から生まれるのか」を対話を通して考えた本イベント。交わされた対話の中から見えてきたのは、「仕事」や「身近な人の関心」というのが政治観に対して大きく影響し、そして身の回りの環境から政治との接点が生まれるきっかけや可能性があるということでした。「政治」という言葉が想起させる投票や国政というイメージを払拭し、もしかすると自分の身の回りには「政治」との接点に溢れる毎日かもしれないと日常を捉え直す事からはじめてみるという気づきを得たイベントとなりました。

ここまでUs Labの高橋が「Z DIALOG #2飲み会で政治のハナシ 、あり?」の様子をレポートしてきました。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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◆記事担当者プロフィール◆

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高橋 ひな子(たかはし ひなこ)
1999年生まれ。宮城県出身。高校時代からイベントの企画・運営、SNSマーケティングのプロジェクトなどを経験し、大学では経営学を専攻。現在は岩手県遠野市に移住し、Next Commons Labにてインターンをしながら、食を中心に様々なプロジェクトに参画している。「情熱を持って、情熱を支える」を自身のミッションとし、気づき・考え・選ぶことが出来る人が溢れる世界を目指している。


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