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手紙や電話の出てくる歌詞 〜コミュニケーション手段の違いと歌詞の世界〜

※初めてお越しの方はお手数ですが下記の自己紹介を先にお読みいただければ幸いです。
(敬称は略させていただきます。)

【はじめに】
 最近、友人に手紙を書いたり貰ったりすることが多くなりまして、改めて「手紙はいいなぁ」と思っております。今の世の中、メールやLINEなど便利なテクノロジーだらけです、ほぼ瞬間的に相手にメッセージが伝わります。一方で手紙は、手紙が送られて相手に届くまでにタイムラグがあります。そのタイムラグの素敵さを強く感じます。メールも返信しないとタイムラグがありますが、相手に届くのは一瞬です。手紙に比べて両者のコミュニケーションに介在するものが凄く小さいということです。手紙はメールやLINEよりも面倒なことも多いと思いますが、その分、一言一言に必死に気持ちを込めようとするような気がしますし、手紙をいただくと本当嬉しい気持ちになります。
 さて、今回そのようなコミュニケーション手段に焦点を当ててみたいと思います。

【My favorite songs】

木綿のハンカチーフ/太田裕美

 離れ離れになった恋人の対話形式で進む、あまりにも有名であまりにも素敵な歌詞です。メールと違いリアルタイムでやり取りできない手紙に書く、同封するものは、余程大切なものや伝えたいことだと思います。男性にとって大切に思うこと、女性にとって大切に思うことの違いが1番から美しく表現されています。時々、男性の心の移り変わりと言われる歌詞ですが、初めから男性は都会への憧れバリバリですれ違っているのですよね。
 都会に染まってしまった男性に、最後にねだるのが木綿のハンカチーフ、素朴で染まっていないピュアなものであるというストーリー性や女性の複雑な心境が胸に響きます。
 あとこのビデオいいですね!!凄く素敵です!

2時間35分/RCサクセション

 長!!!(笑)しかし、恋人ができると何時間でも電話できるのも然り。電話は手紙やメールなどの文書と違い、完璧に音声のリアルタイムのやり取りで確実にやり取りの情報量は多くなります。2時間35分も話し続けられるのは、余程伝いたいことがたくさんあったのでしょう。
 また電話は相手の時間を占有します。「2時間35分も自分に捧げてくれた彼女、やっぱり僕が好きなんだね!」というような気持ちが伝わってくるように感じました。

恋に落ちて - Fall in Love -/小林明子

 「ダイヤル回して 手を止めた」が凄く有名で印象的なフレーズの一曲。湯川れい子氏の歌詞の中でも本当大好きな歌詞です。
 ここのベース音ですが、B♭→A→A♭→Gと半音ずつ下がっていくのと同時に、メロディは上昇系。この気持ちが不安になる感じと同時に高鳴っていく感じがして、もう最高ですね…。凄くリアルな描写です。ダイヤル式についての話は検索していただくと興味深い記事がたくさん出てきます。この、ゆっくり戻ってくるダイヤルの動きが、詞の世界を作り上げているのだと私も感じます。Wikipediaとかにも載っているので、そちらをご参考に。

貴方の恋人になりたいのです/阿部真央

 メールの返信を待ち焦がれている最中というような詞の世界。誰もが経験したような気持ちが美しく綴られています。前述のとおり、メールは瞬間で相手に届く上に、返信のタイミングが明確にわかるのがポイントです。つまり「返信の早さが、より相手の気持ちを反映している」という印象を受けます。
 あと、メールっていつ返ってくるかも分からないので、ずっと考えちゃうような気もしますね。一晩返ってこないメールにモヤモヤしながら、そんな時に募っていく相手への想いがひしひしと伝わる素敵な歌詞だなぁと思って聴いておりました。

【終わりに】
 今回はコミュニケーション方法の違いから、歌詞の世界の違いについて少し想いを巡らせてみました。どの手段が良いとか悪いとかではなく、それぞれの手段に趣があって、それが美しく表現されている歌詞の世界は本当素敵ですね。

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