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絵本を買う楽しみ

今日はお風呂に入れた後に、ひとりで絵本を買いに行った。行きたいと思っていたのだけれど、いつも買い物が終わると本屋につく頃にはくたくたになってしまい、寄ることが出来なかったのだ。今日のように絵本を買うためだけに店に行ける機会を待っていた。

ということで、体力気力を保ったまま、たっぷりと絵本選びを楽しめた。あぁ~。これは新しい種類の楽しみだった。

純粋に、大人の自分が読みたい本を探すというのとは違う。読み聞かせてあげるのは自分だけど、その体験を楽しむのは息子。それに、相方も読む。

プレゼント選びのようでもあり、自分のためのようでもあり、楽しい。

息子は、絵を眺めながら何かを感じ、声を聞いている。興味深くページの隅々に目を走らせ、いろんなところをきょろきょろと見ている。

いつも笑顔になる本もあれば、なぜか泣いてしまうページというのもある。

「いないいない…」という黒の静かなページから、「ばあ!」という鮮やかな色のページに進むと、そのギャップが大きいのか「うえ、うえ、うえ~ん」と泣き始めてしまう。笑 感受性豊かな敏感ちゃんだ。

映画や小説もそうだが、子どものころはその創作世界の情報のすべてを理解できるわけではない。わかる所だけをなんとなく掴んで、それぞれの理解度に応じた感想をもつのだ。
わからないところが残っていても、それはそれとして楽しめればよい。だから、絵本も同じで、いろんな種類の楽しみ方が出来るといいなぁと思いながら選んだ。
わからなくていい。わからないままに、勝手に何かを繋げて理解して、それを楽しんでいけたらいいのだ。雑に、沢山のスキを見つける練習のようなもの。

自分が子どものころ、安野光雅の「旅の絵本」を何冊か読んでいた、というか見ていた記憶がある。最初は面白さが分からないかったのだけれど、じーっと見ていると小さな物語があちこちに隠れていて、その発見が楽しめるようになった。でも、そのためには、母親が「あれ、これ何かのお話に出てくる動物さんみたい」というようなヒントを与えてくれることが必要だった。そんなやりとりも、楽しそうだ。

いくつか、買ったもの紹介。
一つは「ねこは るすばん」(町田尚子著)という絵本。人間の出かけた後のるすばんねこが、猫の世界でのびのびと活動するという話。主人公がうちのお猫さんによく似ていたのと、絵がとてもかわいかったので決めた。家族みんなでお出かけしているときに、家の猫は何してるかなぁと想像して楽しめるようになったらいいなと思って。一緒にいないお猫さんのことを想像する、といういつか想像力を養う機会のために。

もう一つは「あさになったので まどをあけますよ」(荒井良二著)というもの。これはあさになって窓を開けた先に広がる、山や海、街や畑の景色の絵本。油絵で描かれていて、色彩が鮮やか。遠目で見ると写真のような色使いをしている。いつか山や海に行ったとき、「あの絵本で見たのはこの景色だったのか」って思えたらいいかなと。美しい自然の光や色を、こんなふうに絵でも描けるんだという発見のために。あと、自分もこんな絵が描きたい!って思えたら楽しいかも。

もう一つは「すりすりこちょこちょ、だっこでぎゅっ!」(うらつか りょうま・え)というもの。これは…読んでいてとても幸せな気持ちになる絵本。一緒に読みながら、ほっぺたすりすり、あたまなでなで、おなかぽんぽん、だっこでぎゅ、とする絵本だ。肌を触れ合わせたときの幸せな気持ちが伝わってくる絵本。小さい時にたくさんふれあった思い出があれば、いつか大きくなってから「ちょっと恥ずかしいけど、甘えたいなぁ」と思ったときに、この絵本を思い出して甘えやすくなるかなと。甘えたくなったときの、赤ちゃん返りのきっかけに。親も子も、こんな時があったね、あったんだよと懐かしめたらいいな。

あとは「くだものさん」(「やさいさん」の姉妹本で仕掛け絵本)、「くまさん なにみてるの?」(はらぺこあおむしの作者の本、色遣いが綺麗!)、「どんないろがすき」(相方が良く歌ってあげていたので、その絵本)。
それぞれに世界が広がりそうな絵本、計五冊を購入した。
どれも一ページに1~2文なので、ぱらぱらといいテンポでめくることが出来るのがポイント。字が読めなくても、絵の面白さを眺めながら楽しめたらいい。飽きずに次のページに進んでサクサク読み終わる。それを何度も繰り返すのが、今の息子にはいいみたい。

もう少し大きくなったら、いっしょに本選びもしたいなぁ。

ちなみに、相方はもともと絵本が好きで、息子が生まれる前からすでに何冊か持っていた。私と選ぶ視点や目的が違うのも面白い。

読みながら親も楽しんで、読んでもらう子どもも楽しんで、本を通じて世界が広がって、本に関連して世界を一緒に楽しめる時間が増えたらいいな。

自分の記憶を辿ると、「思い込み」というのは後に世界を広げるための重要な役割を果たしていたように思う。物語を勝手に誤解していたり、誇張された絵をそのまま信じていたり、「自分は〇〇になる」と確信したり。それは、勝手な思い込みであっても、一つの手がかりとして世界に繋がっていく。絵本は「思い込み」というきっかけを沢山与えてくれる気がする。

息子は何を見て、何を感じ、何を考え、何が好きになるだろう。彼の世界が広がっていくのを見守りつつ、少しだけそのお手伝いをして、彼と一緒に自分も学ぶことを楽しみたい。

彼がいなかったら、きっと同じ絵本を飽きるほど繰り返し読むなんて、決してしなかったことだろう。
今手元にある絵本は、いかにも乳児向けで、どちらかというと息子の反応を見ることを楽しんでいる。今日買ってみたのは、親も絵を楽しめそうな絵本。楽しそうに親が絵を見ていれば、その絵の中にある楽しみを息子も同じようにつかみ取っていくかなぁと思いつつ。ま、早すぎる場合は、寝かせておくのもまた一つの楽しみだ。
遊びながら楽しみながら、というのも大事なポイントだと思うので、ゆる~く楽しく、いろんなことを試してみたい。

#絵本 #読み聞かせ #親子 #だっこでぎゅっ

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