【舞台裏】初個展で来場者70人!未経験者がゼロから展覧会を開いてみた
みなさんこんにちは、着物が好きすぎるイラストレーターのうるぽろです。
2023年3月18日〜3月26日の9日間、愛知県犬山市で個展を開催させていただきました。
こちらの記事では、私の初個展「春衣展」を開催し、無事に終了させるまでの流れを、生々し〜い経験談とともに記載させていただきます。
これから個展を開催しようかなぁと思われている方の参考になれば幸いです。
なぜ無名イラストレーターが個展を?
まずは、個展を開催することになった経緯についてお話しさせていただくんですけれども、、、
私自身は、まさか自分が個展をするだなんて全く思っていませんでした!
なぜなら、私にとって個展はまだまだ先の未来の話だと思っていたからです…
なんかめちゃくちゃ有名になって、満を持して個展に誘われるイメージ?(笑)
ですが、本当に突然、TwitterのDMから「私の蔵で個展をしませんか?」とお誘いをいただいたのです。
なぜ無名の私に個展の話が来たんだろう?と、とても不思議でしたが…
きっとこんな機会は無いだろうと思い、二つ返事で「ぜひ宜しくお願いします!」とお返事をさせていただきました。
この瞬間の高揚感は、今になっても忘れられません。それだけ私にとってはすごく嬉しいお誘いでした。
浮かれすぎて多分地面から2cmくらい浮いてた。
お声掛けいただいたのは、愛知県に蔵を改装したギャラリーをお持ちの男性。
蔵のオーナーさんは、もともと着物リメイクや和洋ミックスのようなファッションスタイルが好きな方で、私の和洋折衷着物コーデのイラストを見てお声掛けいただいたとのことです。
この和洋折衷着物コーデのシリーズは開始から2年以上もコツコツ書きためているイラストシリーズでして、
これまでの積み重ねが、ついに認められたんだ!と舞い上がりまくっていました。
「ついに私の時代が来たわ」と家族にドヤっていたとか何とか…(自己肯定感の高さが痛々しいオタク)
個展の企画書や準備物について
そして個展の準備をしていくんですけれども、、、
実は個展どころか、展示なども美術系大学時代に2〜3度、単位取得のために参加した程度です(汗)
イチから自分で作品を展示するという経験がありませんでしたので、まずは何からすればいいんだぁ?!ということで、図書館で借りてきた本「イラストでお金を稼ぐ50の方法」を参考にしつつ、企画書を作成していきました。
こちらの本には個展を開催するまでの流れや、必要な準備物等がとてもわかりやすく書かれているので超お勧めです!
企画書は、まずは決めないといけない項目をすべてGoogleスプレッドシートに書き出して、とにかく必要な情報を(仮)でもいいので上から順に埋めていくというやり方。
「企画書たたき台」はあっさり2日程度で完成しました。
作成した企画書のたたき台をもとに、蔵のオーナーさんとお電話で打ち合わせを進めていきました。
ちなみに準備期間はちょうど半年。9月にお誘いがあり、来年の3月に開催しようということになりました。
そんなまさか!なトラブル発生
ところが…
打ち合わせを進めていく中で、残念ながら蔵のオーナーさんの都合が悪くなってしまい、なんと開催前3ヶ月前に急遽、会場が変更となりました…!
かなり焦りましたが、すでに告知が始まっていましたし、中止という文字は一切思い浮かびませんでした。
むしろ「いや〜極まってきたぜ〜…!!」って感じです。
変更先の会場は、東雲Atelierさんという竹うちわの工房さんです。
当初予定していた会場の蔵からは、ありがたいことに徒歩5分程度の距離。
ですがもちろん展覧会コンセプトの変更や、告知用のポスターの詳細をすべて見直す必要がありました。
1日もムダにできない状態で、かなり駆け足で準備をしていきました。
てんやわんやの中、東雲Atelierさんがいつもこちらに気を遣ってくださいまして、告知用のWEBページやワークショップの予約サイトを先回りして準備してくださったりと本当に助かりました…!
正直、準備期間は半年ではなく、もう少し余裕を持っても良かったかなと思いました。
トラブルは必ず出てくるし、必ずと言っていいほどみんな体調を崩す!!!(これはマジ)
もはや、何もかもスムーズにいかないことを前提にした方が良いかなと思いました。
作品作りと同じくらい大切なのは〇〇です
あと補足ですが、必ず準備期間としてちゃんと設定しておいたほうがいいと思ったのは、「宣伝告知の時間」です。
告知用画像のイラストやデザイン作成はもちろんですが、SNSを更新するにも意外と手間や時間ががかかりました。
↓私の場合、これだけ告知関係に時間と労力をかけていました。
①個展開催中4ヶ月前にメインビジュアルとともに開催決定のお知らせ
②詳細が決まったらYouTube動画、Twitter、Instagram、公式LINEでお知らせ
③グッズの制作過程など定期的にチラ見せ
④お世話になっている方などにDMを発送
⑤新作イラストの制作過程などをチラ見せ
⑤会期1ヶ月前に再び全てのSNSでお知らせ
⑥会期2〜3週間前に東雲さんに会場付近へのポスター、チラシ配布の依頼
⑦会期直前に全てのSNSでお知らせ
⑧会期の合間に発信
ざっくり書きましたが、細かいところも入れると、書ききれないほどです…
正直、これがイラストを描くよりも疲れた(笑)
ですが、来場者さまのほとんどが全ての告知を見られているわけではなく、「たまたまTwitterで告知を見た」「たまたまYouTubeを見ていて個展があることを知った」と仰る方が多かったです。
なので、告知はしつこいくらいが丁度いいなと思いました。
そのおかげで、個展の期間9日間でなんと…70名近くの方にご来場いただくことができました。
【土日4日】+【平日5日】、雨の日もあったので、70名という人数は初個展としてはかなりの動員数だと思います。いやぁ〜ありがたい話ですね〜。
作品作りと同じくらい、宣伝は大切だなと実感しました。
個展の様子
個展はこんな感じ↓で無事に開催することができました。
最高に幸せで、楽しい時間でした…
準備費用は…合計〇〇万円!
そして、皆さんが一番気になる点だと思うのですが…すべてにかかった費用のお話をさせていただきます。
展覧会にかかった全費用は…
約15万円でした!
内訳はこんな感じです。
・ゲストハウス宿泊費40,000円
・交通費 往復約4,000円
・額縁など画材代20,000円
・展示用品 17,000円
・グッズ費用40,000円
・食費20,000円くらい?
・荷物送料 3680+6300=10,000円くらい
・現地でのお買い物もろもろ
初めての展示だったことと、会場が自宅から離れていたこと、開催期間が9日間と長期だったということもあり、けっこう費用が掛かったなという印象です。
派手目にミスったなと思うのは、グッズですね…。どう考えても作りすぎ(笑)
これから在庫と共に人生を歩んでいきたいと思います(白目)
あと節約のため、毎日食パンとカップラーメンを食べて我慢していたのに、、、
途中から自分の中で何かがパーンと弾けてしまい…結局は外食で暴飲暴食してしまいました(笑)
節約とは…?笑
ありがたいことに東雲さんご夫妻に何度もご飯をご馳走していただいたりと、なんとか食いつないで生きていました。
東雲さんご夫婦には感謝をしてもしきれません。至れり尽せりすぎて…!
本当にありがとうございました。
個展で得たもの
これらを踏まえて、私が個展で得たもの。それは…
急な会場変更にも関わらず、快く受け入れてくださった東雲Atelierさんご夫婦の支えはもちろん、「こんな時のためにお金貯めてきたんやろ!」「思いっきり楽しんでこい!」と応援してくれる夫や家族がいたからこそ、全力で展示に向き合えたということ。
それに、そもそも最初の時点で蔵のオーナーさんから「個展をやりませんか?」とお声がけいただかなければ、自分の絵を展示してみようなどと微塵も思っていなかったわけです。
これらは単なるラッキーが重なっただけとかではなく、確実に周りの人の協力があって、期待をしてもらえたからこそ、個展を成功させることができたんです。
こんな経験は1人では絶対に出来ないし、お金を出せばいいというわけでもない。
むしろお金以上の価値がありました。
改めて、周りに支えられて活動できているんだなと感じました。
そしてもうひとつ得られたこととしては、コラボをすることで、自分の活動ジャンルの一段階上のカテゴリを意識できるようになったことです。
なんだそりゃ?って感じなのでご説明させていただきますと、
私は、中古市場で大量に余っている・着られていないリサイクル着物をテーマにしたコーデイラストを描いています。
東雲Atelierさんは、犬山市の竹林整備で伐採した竹を活用して、手作りのうちわを作られています。
会期中に色々とお話をする中で、お互い「物を大切にしたい」「今ある資源を使いたい」という思いが根底にあるんだと気が付きました。
東雲Atelierさんも、私も、活動の根底にはSDGsへの関心があったのです。
今までは「着物が好きだから」という理由でなんとなく、着物関係のクリエイターさんや企業さんとコラボするのがいいかな?と思っていましたが、、、
今後はSDGsという広い分野でも色んなショップさんや企業さんとコラボできそう!と、視野が広がりかなりワクワクしています。
今後も展示をしていくのか?
東雲Atelierさんでの個展で、自分の中でかなりの手応えがありましたので今後もこういった展示をしていきたいと思っています。
特に、今回のような「着物で遊びに来れる個展」は、来場者さまの可愛い着物姿を見ることができるので…これは役得だぞと思いました(笑)
ニチャァ…
着物が好きな方は「この場所だったら、この人に会うなら、この天気なら、どんなコーデで行こうかな?」と妄想したり悩んだりすること自体も楽しみのひとつです。
今後もそんな場所を提供できる展示をしたい!
まとめ:コラボ個展しませんか?
いちから作り上げる個展は大変だし、費用もそれなりに掛かるけど、得るものが大きい!大きすぎる!
でもマルチタスクがエグいので、私のように何でも自分でやりたいっていう頭がオカシイ人向けかも(笑)
絵に集中したい方は、専門の絵画ギャラリーさんをお借りするのがいいと思います。
(たぶん展示の規定があると思いますので、それに従って準備をするのかな?)
でもまた私が次に個展をするなら、ギャラリーさんじゃなくて、絵の展示実績があまりないところがいいなぁ〜。
リサイクル着物屋さんとか、古民家カフェさんとか、古道具屋さんとか…特別感のあるコラボ展示がしたい。
来場者さんとワイワイ喋ったり、ワークショップで体験イベントしたり…気軽にに遊びに来れる場所として空間を作るのが楽しいです。
もしこの記事をここまで読んでくださったショップさんがおられましたら、ぜひコラボ展示をご検討くださいませ〜。
滋賀県内でも、県外でも、海外でも…コンセプトが合いそうならどこへでも行きます!
人生一度きり。
一緒に楽しいことをしましょう!
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