秋のせい

こんにちは!急に肌寒くなってきてお布団から出られません。うるみるです。

突然ですが、これを読んでいる貴方は春と秋どちらが好きですか???

わたしはよく初対面の人に「春と秋どっちが好き?」と聞くのですが、この質問をした後の話題の広がり方が人によって全く違うのが面白く、何度も聞いてしまいます。移り変わる自然の素晴らしさを語ってくれる人もいれば、その季節の美味しいものを教えてくれる人もいて、改めて日本人が無意識に季節というものを大切にして生きていることを実感させてくれます。

この体の話題は古くは万葉集の時代からあって、"春秋優劣論"と呼ばれ私の研究テーマでもあるのですが、季節というものはきっと、人の想いや記憶を呼び起こす力があるのではないかな、と思います。

夏と冬じゃだめなのか、という声が聞こえてきそうですが、私は断然春と秋の"対称性"が好きです。

春は出会いと別れの季節と言いますが、

春は"期待"の季節、だと思います。

新しい環境に身を置く人、また何も変わらずただ現在の環境に甘んじるだけの人も皆揃って"小さな期待"を胸に潜ませ、なんでもないような顔をして春を迎えます。4月になれば何か変わるかもしれない。自分もどうにか変わっているかもしれない。

純粋でキラキラした、でもどこか自惚れに満ちた想いの溢れる春が、私はとても好きです。


そして、秋は"諦め"の季節、だと思います。

どうにもならなかったあの夏の燃えカスはまだ胸のどこかに残っていて、なんだか気持ち悪い。あれだけ好きだった人も、もうどこが好きだったか微かにしか思い出せなくて、でも確かに好きだったことは覚えていて。諦めたこともわからないくらい自然と、残酷に、諦められる。

そんな季節が、秋だと思うのです。

そして、もう会わないひと、合わないと分かっていたひと。そんな人に無性に会いたくなるのも、あの日うだるような暑さに流されて夏のせいにしてしまった自分を恨むのも、もうやめにしませんか。

そんなものは全部、秋のせいにしてしまえばいいのです。


10月も終わり、もうすぐ冬が来ますね。

さて、冬になっても変われない私達はいったい何のせいにすればいいんでしょうね…?



ここまで読んでいただきありがとうございます。それではまた!





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