セフレくんの話

こんにちは!久々のnote更新です。最近Twitterのフォロワーが地味に増えつつあって嬉しいうるみるです。noteもゆるゆる更新ではありますが続けていくので一緒に読んでいただけたら幸いです。コメントがついたことないので、一言でも感想くれる方がいたら嬉しくて死んじゃいます。

さて、最近#みんなの初Tinderエピ聞かせて というタグがTwitterで流行っていたので、今回ははじめてTinderで会った人の話をしようかな、と思います。


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彼の部屋には、いつも聞いたことの無い音楽が爆音で流れていました。ヨルシカもずとまよもSHARKもホルモンもVaundyも、ぜんぶぜんぶ彼が教えてくれたものでした。

私がTinderをはじめたのは、確か大学1年の夏休みが終わる9月頃だったと思います。当時好きだった男からの連絡を待っては連続でドタキャンされ、会えてもぎこちないセックスを繰り返し、日を重ねる毎に心が死んでいく日々に嫌気がさしたのでしょうか。他の女の影を隠さない彼への当てつけだったのかもしれません。自暴自棄になった私は、初めてマッチした2つ歳上の男の子とすぐに会う約束をしました。バイクで迎えに来てくれた彼は端正な顔立ちに長めの髪、どこか影のある雰囲気を纏っていて、当時芋ブスだった私が気後れしてしまうような美少年でした。夜闇にピアスが光って、とても綺麗だった事だけは覚えています。

そこから私の家に行ってお酒を飲みました(初対面の男を家に上げることに危機感がない自分、今思えばかなり心配な精神状態)。今まで酔うまでお酒を飲んだことがなかったのでめちゃめちゃ早いペースで飲まされ視界がぐにゃっとなる感覚を初めて体験しました。意識も朦朧として何も考えられなくなった私に、彼は「可愛いね」とだけ言ってお姫様抱っこでベッドに運んでくれました。

馬鹿な私は、もうこのまま目の前の彼に身体も心も差し出して、どうにでもなってしまえばいい、と思ってしまったのです。

たとえそれが、この先ずっと続く、彼とのいちばん深くていちばん浅い関係の始まりだとしても。

翌朝目が覚めて彼の綺麗な寝顔を見たとき、「ああ、これがセフレかあ」とやっと実感しました。そしてわたしがほしかったものはこれだったんじゃないかな、となんとなく思いました。

彼との日々はとても刺激的で、初めて知ることばかりでした。お酒を飲んだ後のセックスが気持ちいいこと、二郎系のラーメンは野菜から食べ進めないと後で後悔すること、そしてバイクの後ろに乗せてもらって走る深夜の高速道路からの景色は、言葉を失うほど綺麗だってこと。

すべてが刺激的で美しく、また怠惰で生産性のない毎日。私達は残り少ない学生の夏休みを埋めるかのように毎日会っていました。

そんな日々がなんとなく軋んでいくようになったのは11月頃、私がTinderで男遊びを繰り返すようになってからです。Tinderを使って不特定多数の異性と遊んでいる私を、彼は分かりやすく軽蔑しました。それから彼の家に行く頻度は少しずつ減っていき、また今までのようにバイクで外に連れ出してくれたり、一緒にご飯を食べに行くようなこともすっかりなくなりました。

私と彼の関係は、気付けばセックスフレンドから性欲処理に変わっていました。

「今日空いてる?セックスしたい」

その一言の通知を見る度に、私が性処理の道具としか見られていない事実を突き付けられているようで、とても虚しくなりました。

12月、彼の誕生日に回らないお寿司を奢り、飽きるほどセックスをして、またねと別れたその日を境に、私は彼からの連絡を無視するようになりました。

連絡先を消せなかったのは、私の弱さでした。

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それから時は経って、彼のいない夏が来ました。

セックスの相手には困らなかったしそれなりに好きだと思える男性もいたけど、やっぱり私の中では彼の存在が大きくて。彼の好きな曲、彼の好きな匂いのヘアオイル、彼の好きな女の子。それらすべてが、記憶の底から彼を呼び起こしては消えていく、そんな夏でした。

その間も、彼からの連絡は度々ありました。LINEに1件、それから数ヶ月経ってTwitterのDMに1件。そして秋頃になってInstagramのDMに来たメッセージを、私はどうしても無視することができませんでした。

それからはずっと、生温い地獄が続いています。自ら堕ちることを選んだのは、やはり私の弱さだったのだと思います。

この生温い地獄に浸りながら思うのは、私はきっと、彼に初めて会ったあの夏からずっと、"彼の存在そのもの"に惹かれてしまっているのだ、ということです。私には到底出来ないことを易々とやってしまう才能や、経験に裏付けされた自己に対する自信。それ故に、他人を軽視する。自分が下等生物だと見られていることにすら納得してしまう"強さ"のようなものが、彼にはあるのです。

なんだか褒め倒してしまいましたが、彼は上記の魅力を差し引いても有り余るほどのどうしようもないクズなので、一度と言わず二度か三度くらいは痛い目に遭ってほしいですし天国か地獄かと言われたら地獄に落ちてほしいタイプの人間です。

それでも私は、彼が好きです。

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セフレくんとの馴れ初めから現在まで、色々簡略化してはいますが今回改めて文章にしてみて「いやセフレの癖に長い付き合いだな!?」と驚いてしまいました。そういう運命なのでしょうか。

ちなみに今はセフレくんと縁を切るつもりは毛頭ありません。穴として都合良く呼び出されたら行く!くらいのポジティブな気持ちでいます。

長々と書いてしまいましたが、最後にこのnoteが件の彼に見つかるようなことがあれば、私は首を掻き切って死ぬつもりでいます。本気です。

どうか見つかりませんように。

ここまで読んでいただきありがとうございました!それではまた。














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