見出し画像

【05_2020年という年】


 2020年という年は、今後、とても大きな意味を持つ年になるような気がしている。コロナはもちろんのこと。思い返せば他にもいろんな出来事があった。

オーストラリアの森林火災。
モーリシャスのタンカー重油流出。
オリンピックの延期。
アメリカの黒人差別問題。
イギリスのEU離脱。
香港国家安全維持法案を巡る衝突。
などなど。

 分断と破壊。不安と恐怖。不信と不誠実。
 2020年というのは世界的な視点だけれども、令和と考えると、この元号になってから、日本という国の先行きはまったく見えないものになってしまったような気がする。

 そのような状況下で自粛を余儀なくされているとき、何が一番苦しかったかと言えば、ただただ負の連鎖が広がって、いろんなものが失われていく様子を眺めるしかできず、何も生み出すことが出来なかったということが一番つらかった。


 今回、写真集を作ろうと思ったのは、その反動から、2020年を失うばかりの年にしたくなかったということが大きい。

 本当言えば、2021年に新作の写真集の発売が予定されているので、その前に別の一冊を作るというのはものすごく負担が大きいのだけれども、それでも2020年度中に何かを生み出しておかないと、一生、この年は失われた一年だったと記憶されてしまうような気がして、嫌だった。

 いまその写真集制作プロジェクトのためのクラウドファンディングを立ち上げようとしている。

 今年、正直に言えば収入は大打撃を受け、クック諸島にいる家族ともいまだ会うこともできなければ、見通しもたたない。けれど、僕がクラウドファンディングを活用する理由は、そのような窮状を助けてほしいということではなく、ただ単に、多くの人とともにこの一冊を作り上げることによって、一緒に2020年という年に一つだけでも何かを生み出したという実感を得たいと思っているからである。

 いま公開に向けて、最終段階のチェックをしています。公開の際は、ぜひご一読頂ければと思っています。いましばらくお待ちください。

 よろしくおねがいします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?