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飼育事故と対処法

割引あり

トゲオアガマを飼育していて、
色々な事故による怪我や死亡するケースがあります。

え!そんなことでも?!
という些細なことから、
大丈夫だと思っていたことが
取り返しのつかない事故に繋がることも···。

是非飼育時の参考になれば幸いです。

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【日光浴による熱中症と脱走】 
天気の良い日は日光浴で生の紫外線をチャージ!
春〜秋等外気が28-34℃位の季節がおすすめです。

真っ昼間の直射日光は日本でも容易に50℃を超えるので逃げ場所が無いと特にベビーやヤング等は直ぐにオーバーヒートして熱中症による痙攣や虚脱等から死亡してしまいます。

午前中などにゆるやかに長くても10分程度
半日陰の場所やシェルター等を置いて
太陽から避難できる場所を確保しながら日光浴させましょう。
トゲオアガマがハヒハヒと
口を開けて体内の熱を逃がす行動や、
体色が明るくなりすぎたり、色が白く上がりすぎていると十分紫外線を浴びて体温が上がっているので
はやめに切り上げて良いでしょう。

トゲオアガマは普段日光浴に慣れていないと
高い空には鳥などの天敵もいるので本能的にバタバタとその場から逃げようと落ち着かないことがあります。そして逃げられると普段飼育下では見ないほどのジェットエンジンで逃げ去るので捕らえるのも至難の業です。
脱走防止の為深めの衣装ケース等に入れ、
網などを掛けて逃げないようにしましょう。
この様な干物ネットも程よく影にもなるのでオススメです。

トゲオアガマなのに熱中症や日射病になるの···?
と疑問の方は、
こちらのトゲオアガマの現地環境と行動についての記事をご参照下さい🙂‍↕️☀

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【あらゆるケースの爪飛び】

OSB合板等の木製ケージや、
横に金網やパンチングの小窓がある場合
ベビー〜ヤングは特に身体が軽いので壁や網に
よく登り、気づいたら柔らかい爪が取れている事があります。ケージを作成する時は小窓は高めの位置に設置すると良いでしょう。
オルナータやフィルビー、オセラータ等は特に爪が薄く取れやすいです。
その他にも爪の引っかかりやすい溶岩石等で飛ばすことや、

ケージのガラスが一部欠けていて
そこから切り傷となり出血することもあります。
ガラスの傷は特に出血が止まりにくいので
危険です。

出血をした際、雑菌が入り患部が化膿して大きく腫れることがあります。
化膿の場合、全身に菌が回ってしまう場合があるので病院で抗菌剤等を処方して貰いましょう。
また抗菌や抗生物質を飲むと下痢軟便が続くことがあるので、お腹の薬も処方してもらうか、
野菜中心で腸内細菌を同時に摂取させておくのがおすすめです。また出血のある時は代謝を下げすぎないように寒い季節等はパネルヒーターを使用し体温を少しでも高く保持させることが大切です。


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【体格差や多頭飼いでの怪我やストレス】

海外ではあまり多頭飼育はスタンダードではありませんが、日本ではよく異種同居の姿が見られます。
居住スペースの狭い日本ではケージ数も限られますので仕方のないことですし、
色彩豊かな多種が同居しているのを見ていて
目の保養になることもたしかです。

草食動物なので共食いの心配はありませんが、
特に同種同性だと弱いほうがストレスが掛かって引きこもりや拒食になったり、激しい喧嘩になることもあります。

昨日まで仲良くやれてても、トゲオアガマにも虫の居所が悪い日もあり急に喧嘩になったり追い払ったりする時がありますので、
多頭飼育をする方はいつでも避難できるように予備のライトや衣装ケース等隔離場所を備えておくのをおすすめします。お店では大人しかったけど、連れて帰ったらオラオラして、うちのコとは相性が合わないということはよくあるケースです。

多頭飼育では弱い方はシェルターから出てこなくなったり、ずっとバタバタと逃げるようになり、
バスキングがゆっくりできなかったり餌が食べられなかったりします。
その事に気づかず2週間くらい過ぎると
臓器にダメージが出始めたり、クル病や、腎不全のように動作がおかしくなってきたり等、
通院しても時すでに遅しというケースがよくあります。
腰や背骨、尾が骨ばって浮いていないか
目をじっと閉じて、瞼は窪んでいないか

日々よく観察しましょう。

上:健康な目 下:病状のある目
※状態が芳しくないと瞼が窪んでくる
腰や背骨、尾が骨ばって状態のよくないゲイリー


多頭の場合
全員がのんびりと過ごして
しっかりご飯がたべられているか
バスキング出来ているかなどを確認しましょう。
シェルターやスポットは多ければ多いほうが良いです。

お前何様だ!とやり合うオルナータ♂
アンタどきなさいよ!と争うマリ♀
※同性が特にライバル剥き出しになります。

特に気をつけたいのが、
トゲオアガマは豆をも砕く強靭なアゴを持っているで、体格差のあるもの同士だと少しの噛みつきでも、ちいさい個体は臓器出血や骨が折れたり、
出血して一撃で死亡してしまうこともあります。

ケーブル穴や天網の隙間などからケージに過って侵入してしまったり脱走させないようにしましょう。エジプトは力持ちなので、軽いガラス等隙間があると容易に開けてしまう事もあるので気をつけましょう。
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【飼育による環境事故】
■レイアウトによる事故
トゲオアガマは隙間が大好きです。
狭いところがあればグイグイ詰まっていきます。
レイアウトの石板が固定されていなかったり
多頭によって他の個体がずらしてずり落ちてしまったり等による挟まれ圧死事故もあります。
特に小型~ヤング個体を飼う場合は
レイアウトをしっかりと固定することをおすすめします。 

↓透明なシリコン素材で防水性もあり、
しっかり固定します。

【落下事故】__________________________________

高くケージを積み上げていたり、
2階等で飼育していてハンドリングの際や脱走により
思わずドシーンとポロリと落下してしまった場合
着地時の打ちどころが悪いと腰や背骨を折ってしまったり臓器を損傷したり、
幼い個体等は死亡してしまうことがあります。
腰を悪くした個体はある程度は良くなっても
腸閉塞を起こしやすくなったり、
便が出にくくなり慢性的な便秘や巨大結腸症になったりします。
生体と触れ合うときは出来るだけ低い位置で脱走しないようにしっかりと保ちましょう。

【ライトの事故】_________________________________
ケージの壁を登ってしまったり、
天網にぶら下がってしまったり
ライトが生体から近く、
多頭で積みかなってバスキングをしたりで、
生体の脇腹や背中等火傷事故が起こることがあります。
また、ハロゲンタイプの保温ライトは集光力が強く、局所的に80℃の高温になる場合があり、
小型のタイプですと全身温まらず長時間のバスキングにより皮膚が溶けるケースが何件もありますので 高く離した位置で使用することをおすすめします。

軽い火傷だと皮膚がすこしよれる程度で気づかない場合もありますが、
大きな火傷ですど皮膚が溶けて雑菌による化膿等が起こります。
火傷痕は白くなり多少鱗や色が戻ることはありますがほとんどの場合
薄い白膜の張ったような状態になります。
状態が酷い場合すぐに通院して抗菌剤などを処方してもらいましょう。

販売時から火傷跡のあるオルナータ♀
※小型ハロゲンライトによるもの

【殺虫剤による事故】_____________________________

マンションやアパート住まい、一軒屋等で
家庭用バルサンやゴキブリ用の殺虫スプレーなどを
噴射した場合生体の神経異常が見られ、死亡する例がよくあります。近所が農薬散布等で刈り込みをはじめたり、近隣と近い場所で飼育される方は窓や換気扇等からの噴霧の侵入に気を付けましょう。
ペット可のマンションであっても事故は起こりえる可能性があります。また家族にはこれらの殺虫剤を使用しないように伝えておきましょう。

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【給餌による事故】 

お野菜をあげておけば大丈夫!
という通常のルーティンの中にも気づけば突然死してしまうという思いがけない事故があります。

【喉や口腔内での詰まりや腸閉塞】________________
■野菜のカットサイズが大きい、与えすぎ

給餌するサイズが大きい場合、
稀に喉に野菜が張り付いたまま気づかず
取れずに死んでしまった例があります。
できれば口の1/3程度、首より細い幅で野菜をカットしましょう。
現地の植物は小さい葉が多いので大きな葉ごとあたえるとこのような状態になることがあります。

また、大きい葉やグリーンピース、豆、フードや
高繊維質なものを過剰に一度に与えすぎる
特にベビーやトーマス等は腸閉塞を起こし便を出せない状態になって死亡してしまう事があります。

しばらく便が出ずいきむ姿があったり、
腹部が長らくパンパンだったりで食事を取らなくなってきたら危険信号です。
病院で直ちに状態を診てもらいましょう。

小さいうちは成長を急いで餌を与え過ぎるより
少し足りない位でちょうど良いです。
ベビーの腸管や胃は想像以上に細く小さく
太さも2-3mm程度です。
だんだん成長とともに胃や腸管も大きく太くなっていくので身体から胃や腸の大きさを想像上でも踏まえた食事量を増量したりと調節してみましょう。

植物の毒素による死亡例_________________________

野草や野菜をあげる際には
植物に強いアルカロイド(毒素)が含まれていないか
調べる必要があります。
植物には草食動物に食べられまいと毒素を出すものがあります。
人間には抗体があっても、草食動物にとっては刺激が強く胃腸を痛めたり、神経異常や炎症をおこしてしまうものもあります。

脱走した際に観葉植物を食べてしまったりする事で
調子を崩すこともあります。
モンステラエバーフレッシュなどにも毒性があります。
大根にも辛味成分であるアリルイソチオシアネート(毒素)を含むので胃腸への刺激が強く
身の部分は与えないほうが良いでしょう。

モロヘイヤ育ちすぎた茎や鞘などには毒素があるので、スーパーで買うときは出来るだけ新鮮そうなものを選び、出来れば葉の部分だけを与えるようにしましょう。


身近でよく起こる事故として、
トゲオアガマが菜の花をよく食べるからといって、
よく似たからし菜を与えてしまうと
からし菜の葉や種子、花弁に近辺には
特にアリルイソチオシアネートが多いため大量に与えてしまうと黄土色の下痢をしてみるみる衰弱して亡くなったという例が何件もあります。

からし菜は菜の花の真横に生えていたり、
混合していることが多いので収穫の際はよく観察し、からし菜が近くにある所からは採取しないようにしましょう。

また、野草を採取する際は近くに枯れた葉っぱがあると近い期間に農薬が散布されている可能性があるのでよく確認してください。
人気の無いところでの採取をおすすめします。

菜の花:葉は丸く、茎に葉が巻き付いた形
からし菜:葉がギザギザ、茎から葉が離れている
何故か近くに咲く2種···☠

トゲオアガマの餌の参考にもなる
こちらのリクガメ本には与えては行けない植物等もしっかりとまとめてあるのでよろしければ参考にしてみてください。その他ビタミンD3や病気に関する記事などもとても参考になります。

この餌食べれるかな?
と検索したい方はこちらのリクガメの餌や家畜や草食動物向けの餌検索サイトがおすすめです。
英語のサイトですが詳しくでますので、
気になる方はグーグル翻訳機能を駆使して調べてみましょう🔍️

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以上、
飼育事故についてのまとめでした。
数々の情報に怯えず
しっかりとポイントを押さえつつ
皆様のトゲオアガマたちが
健康で明るい日々を送れることを願っております。

「元気にたのしくいこーぜ」byサバク


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以下はGORO流の止血、火傷対策等の
対処法を患部写真付きで掲載しています。
参考にして対応される方は自己責任でお願いします。不安な方はすぐに病院につれていきましょう。

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