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茶室をつくることになりました-4

茶道に足を踏み入れたばかりの未熟者が、新しくはじめる着物屋のなかに思い切って作ることにした「茶室」のあれやこれやを書いています。思うところを、ざっくばらんに書いており、浅慮なところもあると思いますが、めったにない経験の記録であり、茶道を身近に感じて頂けたら嬉しいです。

実は、しばらくお店の工事が止まっておりました。会社を設立するのも、お店をつくるのも、はじめてというなかで、手続きがスムーズにいかなかったり、建築上の思いがけない規制があったり、挙げ句の果てには資金繰りがあやしくなったりして、時間も、お金も予想外にかかってしまいました。

でも、なんとか、工事再開!
いやー、正直、ほっとしました。
私は、お店に関しては、茶室に関することのごく一部にしか関わっていませんので、大変だったのはダンナなのですが、でも、気持ちを察すると、落ち着かないものがありました。

さて、予算削減のため、いくつかの工程は自分たちでやることになりました。

壁を塗っています。

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このお店は、ダンナのこだわりや、センス、お客様への想いが詰まっています。他のお店もきっとそうだと思います。心を込めてつくったお店が、コロナ対策の影響で閉業してしまうところも多いと聞きます。他人事ではなく、街で閉店の張り紙をみかけると胸が締め付けられます。

着物屋にとっても厳しい状況です。オープンするまでも大変ですし、オープンしてからだってそうでしょう。
しかし、やると決めてしまったからには、店をオープンさせるまで、できる限り頑張るしかありません。

「どーにかなるさ!」で、目の前のことを精一杯やっています。

茶道でよく使われる掛け軸の中に「関 南北東西活路通」(かん なんぼくとうざいかつろつうず)というものがあります。

茶室を作ろうと決めた時に、先生にお願いして、ダンナに茶道のお稽古をつけていただいたのですが、その時、床の間に掛けてくださったのがこのお軸でした。11月の炉開き(冬になって炉を使い始める時に行う、茶道では、新年にあたる行事)の時に掛けるものです。

その時期柄であったのと、「あなたたちも、今が大変だと思うけれど、大変な時期を乗り切れば、その先には道は開けているから」と、掛けてくださったとのことで、私は、時々、この言葉を思い出し、この軸をかけてくださった先生に感謝しています。

「関 南北東西活路通」は、鎌倉時代に大徳寺を開山した禅僧 大燈国師の言葉で、「関」は通るのが難しい関所のこと。悟りを開くための関門です。「活路」とは道のこと。今も「活路を見出す」という言い方がありますが、意味としては、ざっくりとですが、「関を越えれば、広く道が続いている」ということ。

下向きになりがちな時、この言葉を思い出して、今を乗り切ろう!と自分自身を励ましています。言葉ってすごい力を持っているなーと、改めて思うのです。






茶道や狂言のお稽古で必要なものに使わせていただきます。ぜひ、サポートいただければ幸いです。