見出し画像

男子大学生、トーンアップする日焼け止めを買う。

あなたは美しくありたいですか。

この話は普段メイクしない僕が、薬局でちょっと高めな日焼け止めを買っただけの話。

これを買ったぜ。

ユニセックスとジェンダーレス

突然ですがクイズです

ユニセックスとジェンダーレスの違いを説明してみてください

答え合わせ。

ユニセックスは性別という概念がなく男と思う人も女と思う人もそうじゃなくてもどうぞ!
例:男女兼用Tシャツ、イヤホン etc…

という意味で、

ジェンダーレスとは、男と思う人に向けて作ったけど、女と思う人もどうぞ?もちろんその逆も。
例:スカート、ユニクロのスラックス、

という意味。端的に言えば、どっちも着れるか、どっちかがメインに着てるか、みたいな違いかな。

これをふわっと理解した上でこの話を聞いてほしい。

メイクってジェンダーレス? ユニセックス?

大阪のレインボーフェスタってのにこの前参加した。

いやぁれいんぼー。

レインボーの名の通り、このフェスのあいだは性別とかぶっとばとしてはしゃごうぜってイベント。LGBTQ と呼ばれる方々がたくさんいて、それぞれがそれぞれの服を着て闊歩していた。

人間たちたちが思い思いに、お酒に音楽にを楽しんでる様子は「人間」!って感じがしてとっても開放感があった。

そして僕はというと、ただの男ではなく、生物的な男であり心理的にも男な僕 として参加したわけだ。

いろんなブースがあった。女性が男性用パンツを履けるように、パンツに入れる用のアレの形をしたアレを販売していたり、性被害の裁判の募金をしていたり、オネエの方々がバンドをしていたり。

さて、用事があったのは資生堂さんのイベントブース。大学の授業で縁があり手伝いに行くことになった。

イベント内容はめっちゃシンプル。アプリを用いた肌年齢測定、あと化粧お試し、自分に似合うカラー診断。

とりあえず体験してみようとのことでこのブースに並んでみた。ブースには男とされる人も、女のされる人も並んでいてこれが多様性か…となった。

さて自分の番。

…特にそれというほど特殊ではなかった。普通に肌年齢を測ってもらい、おすすめのスキンケアを教えてもらい、ついでにファンデとか口紅とかをアプリ上で体験。

うん。普通。とっても普通な経験だった。

これって普通じゃなくね!?!?!?!

だって俺って男だよ!!??男性にはこれがおすすめとか、化粧はやらせなかったりするんじゃね!!??

少なくとも、男がきたぞ!みたいな接客をされるのでは!!??

そして気づいた。資生堂はもう女性のブランドではないのだ。といってジェンダーレスなブランドでもない。

資生堂は、メイクはユニセックスなものだったのだ。

男性の領域、女性の領域

メンズメイクが流行っているのをみて、多分僕はしないだろなぁと思ったのだが、それは「女性のものを男性がやってみる」みたいな、女性の領域に入っていく感覚が嫌だったのだろう。

だって俺はやっぱり男性だし、そう自覚している。だから男性的な領域に居たいしそこが居心地がいい。

だから別に女性の領域にあるものにそこまで魅力を感じないし感じたくはない。

メイクしてる人から「ひょんはメイクしないの?」

と言われるとなんか歯痒いし、「すればいいのに」みたいになるのもやだ。女性の領域に入って綺麗にはなりたくない。ジェンダーレスだからお前もやれよみたいな感じが好きじゃなかった。

そら顔が良くなって損することなんてない。でも僕は男性だから男性の領域で綺麗でいたい。だから髭は剃るし、化粧水もつける。週2の顔パックだってやってるさ。男性の領域でいたいのだ。

ただ資生堂は違ってた。

「人間、だれでも美しくいたいっしょ?じゃあメイクってのをやってみたら?」

みたいな。ブースの中では、性別は無効化。誰もが、美しさを求める人間として扱われ、その手段として化粧品を提案していた。

女性の領域のものではなかった。そして女性の領域に入るジェンダーレスなものでもなかった。

メイクは美しく生きたい人間に等しく与えられたもの。

つまりメイクはユニセックスだったのだ。

世の中は案外ユニセックスなのかも

こう思うと、メンズ、レディースって括られてるものって案外少ないのかも。

プリキュアも、仮面ライダーもメイクも髭剃りもブルーもピンクも少年ジャンプも筋トレも、どの性別ものではないはず。

もちろんお風呂とかトイレとか、性別の特性に基づいた洋服とかは仕方ないのだが、世の中の多くはどちら性別のものではなかったのではないだろうか。

そして戦争みたいに勝手に女性男性の領域が陣地を取り始めて、いつしかこれは男の、これは女のって決めすぎた結果が今ではないだろうか。

そしてそれを誰かに勧める時、あたかも自分の性別の領域のものだよって勧めていないかな。ジェンダーレスな勧め方をしていないかな。

何かを挑戦したい時、それを自分の性別の領域じゃないからやらない、って思ってないかな。

そうじゃない。大体のものはユニセックスなはず。

メイクが人間を美しくしたらしめるみたいに、プリキュアは人間に勇気をくれる、少年ジャンプは人間に努力と仲間を教えてくれる、髭剃りは人間の髭を切ってくれる。

そこに性別なんてない。

…あってはならないと思うんだ。

俺は美しく生きたい。

とはいえ、やっぱり女性用であるということに変わりはない。すぐに口紅とかファンデとかはやっぱりむずい。

薬局の化粧品ブースを回りながら考える。

とはいえ、美しくありたいということ、そう思っていたことは認めているのだ。だって髭は剃るし、化粧水もつける。眉も適度に整えてるよ、前髪で隠れるけどね。

吾輩は男。そして吾輩は美しくありたい人間である。

じゃあどうしたらいい?

「メイクしてみたら〜?」と資生堂の商品が笑う。

ちょっとまだ恥ずいっすよと僕も笑う。

ぐるっと薬局を回って、ちょっと高い日焼け止めを買った。

特に美容特化ってわけでもなく、そこまで値段がするものでもない、どこにでも売ってる、普通な日焼け止めだ。

…でも、少しだけ肌が明るくなる効果があるらしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?