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【ネタバレなし】 まさか鬼滅の刃に泣かされると思わなかった大学生のnote

自分で言うのは少し恥ずかしいが、僕は「泣く」という感情が備わっているか、と疑問に思うことが多々ある。全米が泣いた映画も、全日本が涙した映画も、泣けない。どうしても泣けないので、「泣く」という行動は物理的に目から涙が落ちることではないのかもしれないと思い、少しでも心が揺さぶられれば、これを泣いたというのだろうと勝手に決めつけ「俺めっちゃ泣いた」と周りに言った。

…感動を模索するために映画とアニメをむさぼり続けた僕が今朝たどり着いたのは今話題のアニメの劇場版。

「鬼滅の刃 無限列車編」

僕はこの映画で「泣く」という行動が自分にも備わっていたということを8年ぶりに理解した。僕も涙を持ってたらしい。あふれんばかりに流れた涙がマスクを濡らしていた。

とりあえず、今のこの感覚を忘れないようにnoteをとる。

・・・・


僕らはこの国の教育のせいだろうか、〇〇する意味を求めがちだ。

僕には叶えたい夢があり、そこに向け毎日なんとか努力をしている。諦めさえしなければその先に大きな成功があると信じて。

この映画では人間の悪いところがフォーカスされている

「幸福に生きる」

だ。深掘りするとネタバレになるので詳しい言及は避けるが、この映画では「幸福」に生きたいという人間の根本的な欲求に疑問を投げかけている。

幸せって幸せなのか

と。

辛い時、悲しい時、逃げ出したい時、誰しもが幸せを渇望するだろう。

この映画にもその場面は現れていて、主人公は幸せな時間に憧れ、現実から目を背けようとする。

しかし徐々にその姿勢に彼らは違和感を感じ始める。

幸せって幸せなのか。

そして主人公らは「幸せ」に逃げていたことに気付き、現実に戻るが

待ち受ける光景は変わらない。むしろ最悪の連鎖。

・・・幸せがすぐそこにあるのに、それを捨て、現実を睨み、行動する。

僕らは挑戦や失敗の先には成功があり、幸せな未来があると信じて疑わない。

もちろん、継続することは過酷だ。

ただその先には苦労に相応する名声やお金があることを勝手に決めつけている。

しかし、帯刀する文化が背景のこのアニメは成功失敗とかいう次元ではない。

生きるか死ぬかだ。

彼らは修行を積む。つらいことがあっても前を向く。

その目的はチームの頭になりたいとか、お金が欲しいとか、ではなく

大切な人を守りたい。

この一択。

戦闘アニメのキャラにはよほどの戦闘狂以外はこの気持ちを原動力に生きている。

そう思うと「復讐」と言う行為も守れなかった人を守る一つの術。

鬼滅の刃のキャラクターは鬼も人間もここの目的は誰一人ずれてない。

もちろん修行を積めば強くなる。しかし敵も強くなる。

そして結末は残酷にも、

生きるか死ぬかのどちらかに帰着する。

勝ったところで、守ったところで、次は死ぬかもしれない。守れないかもしれない。

だから彼らは勝っても、なお「強くなりたい」と思う。

そして守られたものは、守ってくれたものに憧れ、

そして守ってくれたものの大きさと努力と決意に絶望し、

「こうなれるのかな」と再び絶望し、それでも実現に向け一歩一歩生きる。

一見 愉快で、非効率的で、ばからしい、この守り守られる輪廻。

この輪廻の先にはお金も名誉も何もない。

そしてこの輪廻の中で忘れてはいけないものがある。

それは前述した「生きる」と「死ぬ」の概念だ。

強ければ生きて守れるが、死ねば守れない。

ただ 大切な人を、街を、思い出を守るために、

もう何も失いたくないから

「強くなりたい」

だから日々修行をする。成長をする。

苦痛に悶え、血を流し、それでも守りたいという一心で刀を振る彼らをみて

学ぶ意味を、行動する意味を、生きる意味を、勝手にあるものと仮定し、そこに期待していた僕の考え方があほらしいと感じた瞬間に

涙が出たんだと思う。

僕のしている努力が報われるなんか誰も言ってない。そもそもこれは努力でもないかもしれない。

だから僕は〇〇する意味を考えることに執着するのをやめた。

ただ、僕の夢は誰かを守れるかもしれないと思うと、呪縛が解けたように自由になった気がする。強くなれる気がする。

・・・彼らが強くなれる理由を知った

このnoteを見てる人は映画を見てないのか、見るつもりもないのか、はたまた身終えた人なのか、僕にはわからないが、僕はそう感じた。

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僕たちは燃え盛る旅の途中で出会い
手を取りそして離した 未来のために
夢が一つ叶うたび 僕は君を想うだろう
強くなりたいと願い 泣いた 決意を餞に

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LisaのED「炎」が、今までの僕を責め、これからの僕を作っていくことは確実だろう。

見返りを求めれば辛くなる。かといって何もないと絶望してはいけない。

辛いってことは強くなってるってこと。

強くなると、守れるものが増えるってこと。

守れるものが増えるのは、「幸せ」ってことじゃないのかな。

「辛い」と「幸せ」が似ているのはそういうことなのかも

幸せってなんだろね。

たぶん「幸せ」を追ってる今が一番「幸せ」かもしれないね。

見るの悩んでる方、ぜひ見に行ってください。

流行とはいえ、世界屈指のアニメ大国日本で最前線を突っ走る漫画の劇場版です。僕が胸を張ってお勧めします。

K.










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