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好きなもの紹介『天冥の標 2巻』

作品について

天冥の標は、SFに詳しい方ならご存じでしょうが、今年の第40回日本SF大賞に選ばれた全10巻17冊の長編SFシリーズです。
完結まで10年追い続けた身としては、この受賞は我が事のように嬉しいしらせでした。

好きなものということなら、本来はシリーズ全てを紹介したいところなのですが、過去から未来まで繋がる遥かな旅路の全てを紹介するのは並大抵なことではありません。
なので、今回は特に2巻に焦点を絞って紹介します。

今だから読みたい内容

パラオで発生した謎の伝染病がアウトブレイクを繰り返しながら世界に広がっていく。その対策に奔走する医者。
というのが物語前半の大筋となります。
現実でもコロナウイルスが猛威を振るう中、非常にタイムリーでスリリングな内容になってしまいました。
伝染病の対策や、罹患者に対する差別など、現実を目にする今だからこそ読んでみて欲しいのが本作です。
(人によっては絵空事が直接的な危機となり不快に感じるかもしれません)

はしまりの物語

天冥の標はその冊数に劣らず、長い歴史の物語となっています。
その全てに意味があり、最後に繋がっていくのですが、中でもこの巻は物語の一番最初、西暦2015年が舞台になっています。
この時点でSFに馴染みの薄い人でもとっかかりとして入りやすいのではないでしょうか。
途中、全体に繋がる『羊』など部分部分はこの時点では訳がわからないかもしれませんが。

SFというと『分かりにくい』『取っつきにくい』そんな印象かと思います。しかし、 文章も読みやすく内容も今だからこそと言える本作は、SF初心者の方にも進めたい一作になっています。
もし興味が湧くようでしたら、どうか書店で手にとってみてください。そして登場人物と物語の未来が気になったら、ぜひ1巻から読んでみてください。

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