見知らぬ男性と一夜を共にしそうになるというスリリングな体験ののち、推しへの愛を誓った夜のこと

Kpop沼で推しと出逢う

8年前の2012年の5月。
私は韓国ソウルで見ず知らずの男性と一夜を共にしそうになるというスリリングな体験をした。

といっても、note初投稿で危ない話を書く気は全く無い。
まぁ、危ないといえば危なかったんだけど、全くそっち(どっち)の話題じゃないので安心してほしい。
これは、私がKpopヲタク街道を邁進するきっかけとなった体験と、それにまつわる思い出話しだ。

今から11年ほど前。
私はいきなり韓国ドラマにハマった。
友達から押し付けられた、いやすごい熱量で勧められ手渡された韓国ドラマを義理で見始めたら・・・まんまと。ズブリと。
それまでは、母が韓国ドラマを観ているのを冷めた目で見ていて、全く興味が無かったのに。何かにハマる時って本当に不思議。

あまりに面白くて夜な夜なDVDを見続け仕事に支障をきたす寸前という雪崩のようなハマり方だった。
あ、家事には支障きたしてたかも。

それからは当然の流れでケーブルテレビを契約して韓国ドラマを視聴するようになり、ネットでもYouTubeを見まくる日々。
そして、ドラマの主題歌からKpopも聴くようになった。
元々嵐ファンだった私はアイドルヲタクの素地は充分。
一気にKpopの魅力に取り憑かれた。上手い、上手すぎる・・・!歌もダンスも!!一気にKpop沼にもズブリ。

そして、出逢った。
今現在も推しであるINFINITE(インフィニット)というグループに。
ほんとはココで彼らの魅力を語り尽くしたいけど、今回のテーマはそこじゃないので話を進める。でも、ちょとだけ。

INFINITE(インフィニット)。
彼らは2010年に韓国でデビューした男性7人(現在は6人)のグループだ。
韓国でのデビュー当時から視界には入っていて曲もいいなと思ってはいたが、まだファンといえるほどでは無かった。

そして2011年11月満を持して日本デビュー!
この頃には彼らのアルバムも全て購入しファンと名乗れるくらいになっていた私は、なんとか彼らに会いたいと思っていた。
でも、2011年当時仕事が忙しかった私の願いは叶わず、イベントやコンサートなどの生ステージを見る機会をことごとく逃しやさぐれた。
会いたくて会いたくて震える、会えないと更に気持ちが募るのはアラフォーとて同じ(当時)

それまでは外国のグループだし会えなくて当然とケーブルテレビやネット視聴で満足できていたのが、とてつもなく彼らに会いたいという想いが募りだした。

ステージが見たい!!
芋っぽくてどこかまだ垢抜けない可愛い彼らが、ステージで恐ろしくかっこよく豹変するのを自分の目で見たい!
キレッキレのダンスを見たい!

ちなみにコレだけは言わせていただくと、INFINITEのダンスは韓国語で刀を意味するカルと言う単語から「カルグンム」つまり「スパッと切れる刀のように揃った群舞」と称賛されていた。
もちろん、Kpopはどのグループも素晴らしいけれど、彼らは特にダンススキルが高い子達の集まりでは無い分「揃える」ことをグループの特徴にする戦略があり、才能だけではなく練習と努力で揃える一糸乱れぬダンスが評価されていた。
今はこの「カルグンム」自体がKpopダンスを表す言葉として定着したように思う。

話を戻そう。
自分の目でステージを見たい!生の彼らのカルグンムを見たい!
その思いと彼らへの愛は私の胸の奥にダルゴナコーヒーのミルクのようにせつなさと共に沈んだまま、翌年の春を迎えた。

2012年3月。韓国語教室の友達と釜山二泊三日のツアーへ。
これは全くKpooとは関係なく観光とグルメを満喫。

4月。帰国してしばらくして・・・見つけてしまった。
「5月12日 ドリームコンサート観覧ツアー」

ドリームコンサートとは、韓国芸能製作者協会が韓国の若者達に夢と希望を与えることを趣旨として毎年5月に開催されている音楽イベントで、略してドリコン。
このドリコン参加アーティストにINFINITEの文字が・・・!

ちょっと待って。

え、これ、行けるんじゃね??
仕事シフト希望なんとかなりそうだし。
いやでも3月に釜山に行ったばかり・・・でも釜山は激安フリーツアーだったしお金はなんとかなりそう。
夫は普段それなりに家事育児仕事を頑張っている私の趣味や楽しみには反対しない人だし(感謝!)
あ~でも子どもたち。また母に泊まりに来てもらわなきゃ・・・でもでも、母も韓国好きだし、きっとわかってくれるはず!
だけど、一人参加大丈夫かな。相部屋とか不安・・・でもまぁ夜は寝るだけだし?もしかして、推しが同じだったらお友達になれるかもだしね。

頭の中で、でも?いや行ける!を何度も繰り返した結果行くと決心。
間に合うか?
ツアー受付終了期間まで残り数日。
私は一気に諸々の調整を始めた。
間に合った。
自分にこんな情熱があることにもビックリした。

初韓国一人旅へ(ツアーだけど)

そして迎えた2012年5月11日、いざソウルへ!
ツアーの詳細は省くが、ざっくり1日目羽田空港~金浦空港~ソウル市内ホテルへ、2日目ドリコン、3日目帰国、というツアーだった。

私は一人参加、初めての一人での韓国、気分は一人旅だった。いやまぁツアーだけど。
ホテルへ到着し、一旦荷物を部屋に。
この時にはまだ相部屋さんの荷物はなかった。
羽田以外の数カ所の空港からツアー参加者が集まると聞いていたので、羽田からの参加者じゃないんだな~と思い、同じ羽田からの参加でお知り合いになった方達と出かけることにしていた私は、すぐに部屋を出た。
食事を楽しみ、お互いの推しグループについての情報交換や布教をし「明日はほんとに楽しみですね~」とホテルへ戻りそれぞれの部屋へ。

たぶん、20時くらいだったと思う。
部屋には誰も居なかった。
相部屋さんに初めましての挨拶をしなきゃと緊張もしていたから、ちょっと肩透かし。
でも、ツインルームの奥には濃いえんじ色のスーツケースが置かれていた。
手前には私が置いた自分のスーツケース。
相部屋さんもご飯かな、ベッドはこのまま私が手前を使ってもいいよねと荷物を広げて整理を始めた。
お風呂に入りたかったけど、挨拶してからがいいかなと、とりあえず顔だけ洗ってルームウェアに着替え明日の準備。

22時を過ぎた。
まだ、相部屋さんが帰ってこない。
もしかしてクラブとか行ってるのかな。
宿泊したホテルは梨泰院に近かった。梨泰院は日本でいう六本木のようなところ。若い子ならクラブで遊んでるのかも。帰りが夜中なら先にお風呂入らせてもらおうかな~と思いはじめた頃。
相部屋さんのスーツケースのネームタグがふと目に留まった。
第六感。

そっと相部屋さんのスーツケースに近寄り、ネームタグを見ると。
そこには、明らかに男性の名前がローマ字で書かれていた。
へ?

え!じゃなくて、へ?という感覚でそのローマ字を見て、多分数秒動きが止まっていたと思う。
その後、飛び退って自分のベッドに戻ったものの、あり得ない事態に思考停止。
チョット、ナニコレ!?お風呂入らなくて良かった!
マジで?信じられない、勘弁してよ~~っ!

ほんとにあり得ない。
いくらアラフォー2児の母でたいていのことは乗り切れるずうずしさも持ち合わせてるといえども。
異国の地で見ず知らずの男性と一晩は過ごせないよっ!
もちろん、日本でもだけど。

落ち着こう。
私はわりと火事場のバカ力が出るタイプ。
思考力フル回転!
まずはルームウェアから外出着に再度着替え、一旦広げた荷物をスーツケースにぶち込んでとりあえず部屋をすぐに出られる状態に。
そして、韓国人ツアー添乗員の方からもらっていた電話番号に部屋から電話。ちなみに添乗員さんは日本語ペラペラ。
上手く繋がるのか不安だったけど、すぐに繋がって、一気に現状報告。
添乗員さんもビックリ。
そりゃ、そうだよね・・・
憤りはあったが、添乗員さんのせいではない。
とにかく今すぐ部屋を替えてほしいと伝えたところ、すぐに対処してくれるとのこと。
一旦電話を切った。

部屋で相部屋さんと顔を合わせることは避けたい!
早く移動したい。
でも空き部屋あるのかな?
あ~~早く早く~~!

少しして電話が入り、フロントに行って新しい部屋の鍵を受け取ってほしいと言われた時には、本当にほっとした。
新しい部屋はツインだったけど、一人で泊まれるとのこと。
すぐに移動し、落ち着い頃には23時を過ぎていた。

いや~、まじで、どっと疲れた・・・
ギリギリで事なきを得て「グッジョブ!ワタシ!」と思いつつベッドにもぐったが、やっぱり気持ちが昂ぶりほとんど眠れなかった。


もし、この時、私が気が付かなかったら、どうなっていたのか。
トラブルや事件が起こった可能性は低いとは思うけど、ゼロじゃない。
事件は起こらなくても、超~~楽しみにしていた初韓国一人旅が、超絶不愉快な思い出になってしまったと思う。
ドリコン当日の朝、起きたら見ず知らずの男性が隣のベッドに・・・ってまるで韓国ドラマかいっ!って状況に絶叫したかもしれない。
まぁ、夜中に戻った相部屋さんが気づいて何とかしてくれたかもしれないけど。
夜中だと部屋の変更はできなかったかもしれないし。
事前にトラブルを回避できて何よりだった。

でも、このあり得ない経験は、私に教訓を与えてくれた。
当たり前のようで、忘れがち。
自分の身は自分で守るってこと。

うふふ、初韓国一人旅~なんて浮かれていたけど、でもツアーだしねと気持ちは緩んでいた。せめて、部屋割りを聞いた段階で同室者の名前くらい確認すれば、心臓止まりそうな体験をせずに済んだかもしれない。
人生、何が起こるかわからないし、いつトラブルに巻き込まれるかもわからない。
油断大敵!

でも。
それでも。
トラブルは起こる時には起こるのも現実。
そのときは全力で対処するのみ!
気が緩んでいたことは反省だけど、結果的になんとか一人で対処できたことで、ちょっぴり自分に自信がついた。

いざ、ドリコン!!

気を取り直して、翌日。
メインイベント!いよいよドリームコンサートがスタート!
外国人はアリーナ席で私は花道にも近く、いわゆる神席といっても良い席だった。もちろん、肉眼でステージが充分見える。


まだ日差しがある時間から始まり、スタンドのファンが振るペンライトがキラキラ輝く夜に。
各グループが2~3曲ずつ歌い、次々にステージを彩っていく。
参加は全部で20組くらいだったと思う。
華やか!可愛い!カッコイイ!楽しい~っ!
どんどん盛り上がっていく。

そして、ついに待ちに待ったINFINITEがステージに・・・
その瞬間、やはり私の理性は飛んだ。うん、予想はしてた。

ペンライトを右手、ビデオカメラ(撮影可)を左手に、それまでは冷静に他グループを撮っていたのに、もう何がなんだかわからない。
振るのはペンライトの右手だけ、というマイルールを守ることができず、気がつくと両手を振っている。
当然、この時の映像は酔いそうなくらいブレッブレだけど、臨場感は溢れまくっていて感動を振り返ることができるので、まぁ結果オーライ。

花道へ彼らが出できた時には、鳥肌!
感動で鳥肌立つってほんとなんだと泣いた。
そこにいる!歌ってる!踊ってる~!
目の前で見る彼らのカルグンム・・・念願の生ステージに胸が震えた。

嵐の東京ドームコンサートでは本人達は豆粒でしか見たことがなかった。
相葉ちゃんの顔は全く肉眼では見えなかった。
でも、今、目の前で表情もはっきりわかる距離に推しがいる!
人生初の神席でのコンサート参戦。
初めての韓国でのKpopコンサート。
初めてのINFINITEの生ステージ!!
あぁ、本当に来て良かった!!!

ちょっと無理したけど。
昨日はまさかの知らない男性と相部屋になるとこだったけど。
こんなに感動と幸せをもらえたんだから、もう全部おっけ!!
人生楽しんだもん勝ち!
ありがとう~~いんふぃにっとおぉ~~ッ!!

多分、確実に、冷静な方から見たら、こわっ!と思うような状況だったと思う。推しの名を呼び、絶叫し、なぜかビデオカメラを振っているアラフォー。
でも大丈夫。そこは熱く深いKpop沼。
みんな同じようにそれぞれの推しへの愛を叫んでいて、とても居心地が良かった。

こうして、INFINITEの熱くキレッキレのステージに感動し、改めて推しへの愛を再確認、大満足の初韓国一人旅となった。いやツアーだったけど。

そして帰国してからは、さらに彼らを応援したい気持ちが強くなり、Kpopヲタク街道を邁進。
初韓国一人旅であり得ないトラブルをギリギリで回避できたことは自信にもなって、コレ以降、一人で韓国へ行くようになった。
今では年に数回、ソウルや地方にも行くように。ヲタ活を通して日本人、韓国人の友達もたくさんできて、世界も人生の楽しみも100倍くらい拡がった。
(コロナ禍が終息して、また気軽に韓国に行ける日が早くきますように・・・)

2012年ドリコン参戦は、新しい世界へ踏み出した人生の転機だったと思う。
今でも、酔いそうなドリコン映像(絶叫付き)を見ると、鳥肌の立つような感動を思い出す。
あのポツンと置かれた相部屋さんのスーツケースも。
そして、自分の身は自分で守るという教訓とともに、まぁでも意外となんとかなるから、やっぱりやりたいことはやってみなきゃね~とも思うのだ。

#初投稿 #自己紹介 #キナリ杯 #Kpop

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