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私はお米を食べるまでの”しつらえ”が愛おしい。|形から入る料理の楽しさ

1ヶ月ほど前に”料理が楽しくなるオンラインマルシェ Komerco”にも新米の季節が訪れ、こだわりのお米農家さんが続々と新米を出品してくださいました。

いくつかの新米を取り寄せ、我が家にたくさんある”ごはん鍋”で炊き分け、せっせとお米を炊いています。

ピカピカの新米を丁寧に研ぎ、自分なりに浸水時間を調整し、ごはん鍋にお米と水をセットし、火加減調整をし…蓋を開けて、つやつやに炊きあがったお米と対面した時の喜びと言ったら・・・!
そして、お気に入りのごはんのお供と一緒に、お米を頬張った時の美味しさと言ったら・・・!まさに口福。

この一連の”しつらえ”が、私は愛おしくてたまりません。
今日はその”しつらえ”の愛おしさを、少しおすそ分けする話です。

しつらえその1:自分の好みのお米を選ぶ

「おいしいお米」と言っても、これが難しい。
皆さんはどんな食味のお米が好きですか?

以前、佐賀県有田町でお米のワークショップをしたときのこと。
「さっぱりしたお米・もっちりしたお米」さらに「固めの炊きあがり・やわらかめの炊きあがり」で試食いただいたのですが、西の方ほど「もっちり・やわらかめ」が好きな傾向、東の方ほど「さっぱり・固め」が好きな傾向がありました。

生まれも育ちも東の私は、やはり、さっぱりとした味、ちょっと固めの炊きあがりが好きです。旦那さんも東の出身かつお米の好みも一緒なので、お米の好みが別れなくて良かった〜…!としみじみ思う今日このごろです。

さてそんな私がお気に入りのお米が、Komercoを始めてから知った”ササシグレ”。ササニシキの親に当たるお米がさっぱりした食味で、毎日食べても飽きがこなくてお気に入りです。
あくまで個人的感想ですが、白米の時はそれだけで美味しく、うまみが強いリッチな味わいの炊き込みご飯の時は、いい具合に裏方に回ってくれるお米です。

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(左)岩手県遠野市で稲作している風土農園さんの掛田米(ササシグレ)・白米
(右)長野県高山村で稲作している瑠璃屋さんのササシグレ・五分搗き

私は玄米がちょっと苦手なので、五分搗きが嬉しい。どちらもササシグレなので基本的な特徴は同じなんですが、つくり手さんや産地が違うと個性が出てきます。どちらも甲乙つけがたく、日常的に食べたい好みのお米です。

今年は甘みと粘りが強いコシヒカリ系も、いくつか取り寄せました。
これがまた美味しいんですよね〜…!(結局、美味しいお米はなんでも美味しい笑)

埼玉県で稲作している谷川農園さんのコシヒカリは、白米で搗いていただいたんですけど、旨味成分が残る胚芽残しで。むちむちで美味しかったなあ。白米でももちろん、ちょうど旬の栗ご飯にしたら、ほこほこの栗とむちむちのお米の相性が抜群でした。

青森県青森市で稲作している山田ふぁーむさんからは特別栽培米さつき晴天の霹靂を。こちらは粒が大きめで程よい甘さ。冷めても美味しかったのにびっくりしました。

…というように、同じ品種でもつくり手さんのこだわりによって食味はさまざま。まるで宝探しをしているようなワクワク感と、自分好みに出会った時の愛おしさはひとしおです。

それに、農家さんから直接新米を買うと、それぞれのこだわりが聞けたり、中には収穫中の稲の様子を写真で送ってくださる方がいたり…丁寧に育てたお米を受け継ぐ気持ちになり、大切に食べようと思えるんですよね。

しつらえその2:研ぎと浸水

研ぎ方もいろいろな流派(?)があって、何が良いのかわからん・・・!って感じでしたが、今のところ私がたどり着いている研ぎ方を。

1)ボウルに米を入れて、冷たい流水でさっと洗い水を切る
2)片手でボウルを持ち、片方の手を猫の手にして、濡れた米をジャッジャッと5周ほどかき混ぜる
3)ボウルに冷たい水を流し入れ、サッと米を洗って水を切る
4)2)・3)を5回ほど繰り返す
5)ボウルに冷たい水を張り、30分ほど研いだ米を浸水させる
6)浸水させた米をザルにあけ、5分ほど置く

5)の浸水時間は、私は基本いつの季節も30分です。使う水は浄水器を通したお水を使うようにしています。

研ぎ方も重要なんですが、私は6)のザルにあける工程が結構重要だと思っています。
私が今までに「ごはんの炊き方」を教えた方たちのほとんどが、この工程をしていませんでした。この工程をしてみると、切ったと思っていた水が結構出てくることがわかります。その水も一緒に含んだまま、さらに炊飯の水を入れ、水分が多くなりベチャッとなってしまう方が多いようです。
ぜひこの一手間をお忘れなく。

しつらえその3:鍋で米を炊く

ふだん我が家が炊くのは1合。ふたりでお茶碗1杯づつ、食べきりサイズです。1合炊く時、ごはん鍋はストウブの「ラ・ココットDE GOHAN Sサイズ」を使います。
今朝も風土農園さんの掛田米(ササシグレ)1合を、朝食用に炊きました。

ストウブGOHANは、お米と水をセットしたら蓋を開けて強火にかけます。

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蓋を開けたまま、沸騰するまで待ちます。
数分でぶくぶく泡が立ってきます。

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泡が立ってきたら、ぐるぐるかき混ぜます。
底の方までしっかりと混ぜます。

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そして蓋をし、弱火にして12分前後炊きます。
旦那さんは9分と言っていますが、私は12分。これは好みの差です。
おこげが欲しい時は最後の30秒ほど強火にします。

さあ、蓋を開けます。

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つやつや〜!カニ穴もできているし、お米も一粒一粒立ってて美味しそうでしょ?

今朝の我が家の朝ごはんです。
ごはんがすすむ、茄子の糠漬け、辛子明太子、味付け海苔。
お味噌汁は旦那さんがアラ汁をつくりました。

口福から始まる休日。あ〜、日本人に生まれてよかった。

しつらえその4:お米、道具、炊き方で楽しみ方無限大!

ストウブGOHANは蓋をあけたまま沸騰させるので、炊きやすい鍋だと思います。

でも「今日は思いっきり和を楽しみたい」という時は、断然、土鍋。

正直、炊きあがりはどのごはん鍋でも美味しく炊けるんですが(笑)
見た目の雰囲気って結構大事。

同じ白米の炊きあがりでも、土鍋だとぐっと雰囲気が変わります。

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同じ土鍋で、きのこの炊き込みご飯を炊いてみました。
また雰囲気、変わりますよね。

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一言で「米を炊く」といっても、お米選び、道具選び、研ぎに浸水、白米で炊くか味付けで炊くかと、とっても奥が深いこと。
さらに、どんな茶碗で食べるか、どんなおかずを組み合わせるかも加えたら楽しみ方無限大!

だから私は、お米を炊くしつらえが愛おしくてたまらないのです。

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