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やっぱりハッピーエンドじゃなきゃ

ずっと観たいと思っていた劇団四季ミュージカル。

やっと観に行けました。

演目はアラジン。大好きな作品です。

そもそも、わたしはミュージカル自体初めてのことだったのです。

とにかく楽しみにして向かいました。劇場のある汐留はとても綺麗な場所で、駅からも近く行きやすかったです。



入場して、席に着く前に物販へ。

ある程度リサーチして買うものを決めてきたとはいえ、アラジンのモチーフは本当に大好きなので、並びながらあれもこれも欲しくなってしまって、絞るのが大変でした。

3階のフォトスポットで魔法のランプをカメラに収めて、自分の席に着きます。

1階席で、役者さんたちの表情まで観るのも捨てがたかったのですが、今回は演出全体を見たくて2階席真ん中ブロックの3列目。

思ってたよりずっと近い!

ステージの光に照らされる緞帳を眺めながら開始を待つ時間も、これから始まる物語への期待を高める材料です。


さて、いよいよ物語が始まります。

備忘録を兼ねた日記なので、ここからは舞台のネタバレになります。ご注意ください。

●ジーニー登場


まずジーニーの語りから物語が始まります。

すっっっごく良い声……。プロの人に改めて言うことじゃないかもしれませんが、この始まりのジーニーに一気に心を掴まれます。

ここで歌われるナンバーは「アラビアンナイト」
アグラバーの彩やかさが最大限に表現されます。

「何より この街のみんなは とにかく歌う ミュージカルみたい!」

歌の途中のこのセリフがだいだい大好き。
裏切ることなく、登場人物みんな歌います。ミュージカルみたいに。

●悪巧み仲間が人間



そして驚いたのが、なんとアラジンに3人のマブダチがいること!!(その代わりアブーは出てこない)

このアレンジがなかなか微笑ましくて気に入りました。

アラジン含めた市民たちの貧しさの裏付けにも一躍買っていると思います。みんなで今日をどう生き抜くか、相談しながら一緒に盗みをする。

アラジンとアブーの兄弟のような関係性もすごく好きですが、確かにアラジンに友達が居たっておかしくないんですよね。みんないい奴で元気が出ます。

後半、捕らわれてしまったアラジンを助けに行くとき、この3人が歌います。その曲と振り付けがとにかく良い。

●催眠術は心得てないジャファー様

コブラ型の杖はついているものの、催眠術を使って登場人物を操ったりしません。

イアーゴの「殺しちゃえよ!」の提案も却下する、なんともヴィランらしからぬ愛されキャラになってました。

とにかく結婚申し込みにきた王子たちの邪魔をする。

王位を狙ってることには変わりないけど、殺しなどの物騒なことは決してしない。

緞帳が降りている間、イアーゴと漫才(?)を繰り広げて会場を笑わせてくれます。

え、最後ランプに閉じ込める必要あります?

ジャファーも一緒に幸せになろ……。とさえ思ってしまいます。

ジャファー様の美声で歌ってくれるのもすごく嬉しい……アニメや実写では歌わないし。

あと、「ダイヤの原石」を特定して教えてくれるのは思わず笑いました。

ジャファー様が苦労しなくて済むー!笑
親切ー!!!

とても話の早い魔法でした。

●ジャスミンの部屋に住みたい


アニメ、実写共に、ジャスミンの部屋はいつだって素敵でしたが、四季バージョンのジャスミンの部屋の可愛さったら!

夢と錯覚するような空間で、ジャスミンの上品さをよく表していたように思います。

あんないい部屋に住んでも、自由が無ければ意味もないのか……。

侍女たちと、ワクワクしながら外の世界を見に行く準備をしているシーンがとにかく可愛いです。

魔法の絨毯のシーンでも、ジャスミンの部屋から出発し、ジャスミンの部屋に戻ってきます。その時の丸い窓枠も美しいし、月が浮かぶ星空は鳥肌が立つ景色です。

舞台ってここまでできるんだ……。

ここで、沼に両足突っ込んでしまった感覚に陥りました。

●「アル」呼び尊すぎて大爆発

ジーニーって、そもそも「ご主人」に対して名前で呼ぶようなことをしなかったと記憶していたんですが、四季版、なんとアラジンのことを「アル」と呼びます。(アニメや実写で名前呼びしてたら記憶違いです。すみません。)

アラジンが、3つ目の願いは君を自由にすることに使うと宣言してくれたことが余程嬉しかったということの表現なのでしょうか。

突然目の前にあらわれた「自由」に浮かれているジーニーをよく描いていると思いました。

「アル」だって……。わたしもそう呼びたいけど、ジーニーだけのものにしてあげたいな……。

●大ボリュームのフレンドライクミー


そしてジーニーといえばこの曲です。

黄金の洞窟で、曲がはじまります。待ってました!!!

ジーニーの魔法で賑やかなステージ。

椅子に座ってたはずのアラジンが別の宝箱から出てくるイリュージョン。

ジーニーの指揮で踊るみたいに、踊り子たちが、かわるがわる出てきます。

フレンドライクミー自体、ジーニーのキャラクターを表したような、とにかくころころ忙しい曲ですが、四季版はそのイメージを更に上回って忙しいです!

元気に踊ってたかと思いきや、「ここで懐かしの……」と美女と野獣の曲やリトルマーメイドの曲を歌いだす。それをハイペースで切り替えるので、あのジーニーですら歌い終わったら息切れしてました。

トータル6分くらいやってたことになります。嬉しい……。フレンドライクミーをそこまでのボリュームで魅せてくれるなんて嬉しい誤算です。

曲が終わった後の拍手は、どの曲よりも大きく、長かったと記憶しています。そのくらい度肝を抜かれます。

四季版のサウンドトラックが音楽配信サービスにあるので、良かったらフレンドライクミーだけでも聴いてみて欲しいくらい。

余韻で、しばらくこればかり聴いてます。

ああ、でもやっぱり舞台で聴きたいな。

●やっぱりハッピーエンドじゃなきゃ

アラジンとジャスミンは無事に結ばれ、ジーニーは自由を手に入れ、物語は終わりを迎えます。

フィナーレの曲で、ジーニーはアロハシャツを着て、トランクを持ってステージに立ち、少しだけ「ホール・ニュー・ワールド」のメロディーラインを歌います。

なんだか、それにグッときてしまって……。

アラジンも、ジャスミンも、そしてジーニーも望んだ「自由」だった。ジーニーにも、あの曲をなぞらせる。

粋すぎる………。

そしてジーニーが言う。

「やっぱりハッピーエンドじゃなきゃ!」

ハッピーエンドの舞台で、わたしはぽろぽろ泣きました。

今日一で響き渡る拍手と、カーテンコール。スタンディングオベーション。

決して安くないチケットですが、確実にそれ以上の価値のある景色を見ました。

この文書いてて思い出し泣きしそう。

人生に1度は観ておこう。

そのつもりで来た舞台でしたが、確実にまた観に行きます。

演じる役者さんでまた違うのでしょうし、全く同じ舞台は無いというのが面白さ。

もの凄い体験をしました。

アグラバー、いいところだった。また行くよ。



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