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「カメラ撮影への熱意」嬉野さんの言葉の切れはし#52

自分の目がみつめる対象が、この自分が向けたカメラのレンズを通してのみ、世間とつながる。
自分の目玉が世間に広がる唯一の通路。
そういうひっそりとした状況がないと撮影への熱意が湧かない。
--嬉野雅道


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番組開始当初から、旅先の思い出、のどかな枠撮りの情景と、どうでしょう関係の写真を撮り続けてまいりました嬉野でございますが、この一、二年は、さっぱり写欲が湧かず、めっきりカメラを手にしなくなっております。
大泉洋さんなどは、写欲の湧かぬ原因を嬉野がじじいになった証拠だろうと、私の老化に焦点を当てて分析されておるようですが、そうではない。
私にとって、写真というものは、どこまでも個人的なものなのでございましょうね。
こんな楽しげな旅がテレビ画面の裏側にはあるのだということに気づいているのが、目下のところ自分だけだと思っている間しか、私は写欲が湧かないのでありましょうね。
この自分の目がみつめる対象が、この自分が向けたカメラのレンズを通してのみ、世間とつながる。
自分の目玉が世間に広がる唯一の通路。
そういうひっそりとした状況がないと熱意が湧かない。
まったくもって、ひ弱な熱意でございます。
--嬉野雅道