移住10年目のフリーランス。移住あるあるを改めて考えてみる。
あっという間に時間が過ぎていきますね。私の住む新潟県は、少し前は春のような温かさが続いていたかと思えば、ここ最近はまた雪が降ったり風が吹いたり真冬のような気候に逆戻りです。
明日は町内の総会です。移住年目にして町内の【会計】という役につくことになってしまい、やっと任期が終わると思ったのもつかの間、結局もう1年引き受けることになってしまいました。
町内会という組織の運営もそうですが、移住してきてそれまでの暮らしでは経験したこともないような『田舎の常識』についてまとめてみたいと思います。
移住者が珍しがられるのは当然
見られてます。
私の住む地域はだいたい200世帯あり、その中でいくつかの町内に分かれています。町内の規模は60軒ほど、さほど小さいわけでもありません。ですがやはり、移住してくる人間はほとんどの人の興味の対象となるわけで、これは当然と言えば当然のことなのですね。
基本的には住民は先祖代々から住んでいる人で、『屋号』というものがあってそれを受け継いできているわけです。そこから親族が枝分かれして別々の家に住むようになるのですが、だから集落(町内)の中には同じ苗字の家がたくさんあります。
10軒に満たない集落になると、住んでいる人の苗字は全部同じか、2種類ぐらいしかないなんてことは珍しくありません。
なので、まわりがほぼ親戚とか、親戚同様に親しい間柄の関係であることが普通です。
という文化的背景を考えると、移住者は非常に珍しい人種だと認識されると思います。
また、年配の人ほど外界に慣れておらず、集落内の出来事が人生の出来事のほぼすべて、みたいなこともありうるのです。移住者に限らず『どこの誰がどうした』ことは全て関心の対象となります。
おばあちゃんたちのお茶飲みなどに時々参加させてもらうと、『あそこの嫁さんはあっちの集落の△△という家から来た人で、そこんちの親は◇◇の出でそのお兄さんはどこそこの会社に勤めててそこで今の嫁さんと出会って結婚したんだ。』みたいな話はしょっちゅう耳に入ってきていました。
聞いている私は、頭の中で相関関係を途中から追えなくなって『???』となってしまうのですが、皆さんの頭の中にはしっかりその相関図がインプットされているようで、この類の記憶力は素晴らしいと毎回感心するほどです(笑)。
さほど不快だと感じたこともないですが、『すごいなー見られてるなー』と実感します。
人との距離が近い
そんな状況なのでもちろん距離感が近いです。
都会に住んでいたころは、隣の人の顔はわかってて挨拶もするけれど、名前を知らなかったりすることもありますよね。それにどこで何をしている人かなんてわざわざ聞いたりもしないし、お互い働いていればほとんど家にはいませんから話をする機会なんてないのが普通です。
それが今の地域では、みんな親戚みたいな、下手すると親戚よりも近いぐらいな感覚の人ばかりです。
だいたいいつも何時ぐらいに帰宅しているとか、家にいないときはどこにいるとかぐらいはほぼ把握されています。
でも良いこともたくさんあって、よく見られていると犯罪が起きにくいですね。もともと防犯意識の低い私は、ぎゃくにその方が安心だったりします。
また、困ったときはすぐに誰かしらが助けてくれるというのもあります。些細なことだと、網戸が壊れたとか、水道の出が悪いとか家の修繕にまつわること。だいたい各分野の得意な人が近所にいるので、すぐに見に来てくれます。しかもちょっとしたことならただで直してくれたりもします。
あとはよく聞く話ですが、家の前におすそ分けが置かれていることもたびたびありました。誰か分からないこともあるし、あとでわかることもあります。私は単純にうれしいのでありがたく頂戴して、誰か分かれば後でお礼を伝えています。
そのほか特に自分に影響はないけどいまいち理解できないことも
人口が少ないのにやけに組織が多い
町内会はまあいいとして、そのほかに『町内会長協議会』『地域振興協議会』『公民館〇〇支部』『防犯組合』『交通安全協議会』ほかにも【組合】とか【協議会】と名の付く組織がやけに多いです。人口も少ないので、同じ人がいくつもの組織の役を請け負っているケースも見られます。
結局自分たちで地域内のいろんなことを決めて運営していかなければならないということからだと想像しますが、時代の移り変わりに添って合理化なども進める必要はあるのでは?と感じています。
従順でまじめ
みんなで協力し合い助け合いながら生活してきた人たちです。ルールに従って同じことをするという文化が根強いです。
ですから、地域のしきたりとか、誰かの言うことはだいたい素直に聞いて行動します。行政が言うから、農協が言うから、テレビが言うから、仲の良い誰々さんが言うから、『私もそうする』という風潮はかなり強いと感じます。
少し前、ケーブルテレビがこの地域に進出してきていろんなお宅に営業に回っていました。ある場所でその場面に出くわしたとき、その営業担当の方は『もう〇〇さんも△△さんも加入してますし、このエリアは大半の方が契約してますよ』と言っているのを聞きましたが、まさにこういうこと言われると、じゃあうちも、ってなる人はかなり多いです。
そんな中で人と違う行動をすると、良く思わない人もまあまあの割合いると思われます。
最初が肝心
なんか長くなってしまいましたので今回はこの辺にしておきます。
結局、ダメな人はダメかもしれないけど、私の場合、我慢できないほど嫌だと思うこともなく、うまくというか、ある部分は割り切ってというか、問題なく過ごせています。
最初にいろんな人と仲良くなって人間関係築いておけば、なんとなくうまく付き合うコツみたいなものもつかめてくるし、ある程度受け入れられてからなら、言いたいことや個性などにも理解は示してくれていると思います。
あとは、町内会の役員となった立場をうまく利用して(面倒だけど笑)、皆さんとコミュニケーションを深めて、町内の運営ももう少し合理化したり、古い習慣を見直したり、そんなきっかけづくりもして行けた良いなと思っています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?