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本日のウニ:バフンウニ⑧32細胞期

16細胞期の中割球、大割球、小割球がそれぞれもう一度割れて32細胞期になります。8個の中割球が16個に、4個の大割球が8個に、4個の小割球が8個になり、計32個の割球からなります。中割球と大割球はそれぞれ等割をしますが、小割球はここで不等割を経るため、大小割球と小小割球となります。大小割球はのちに幼生の骨片を作る細胞に分化する一方、小小割球はのちに生殖細胞系列へと貢献します。16細胞期に小割球という一つの細胞だったものが、このたった一回の細胞分裂で骨片と生殖という全く違った二つの運命へと分離する様子はとても不思議であり、生き物がもつシステムの精巧さを感じる瞬間でもあります。

中割球や大割球の娘細胞たちも、外見ではそれほど大きな変化がないものの、細胞の内部では新たな遺伝子発現を盛んに行なっており、それぞれが将来になりうる細胞運命の決定に向けて着々と準備をしているところです。遺伝子の発現パターンなどはまたのちほど私や他の研究者の方々の論文とともに紹介してきたいと思います。

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