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本日のウニ:バフンウニ③受精卵

未受精卵に対して、海水で適当に希釈した精子をかけると受精します。ウニは画像のような「受精膜」構造を作るため、受精の成立判断が非常にしやすいです。精子をかけてすぐに、精子の侵入点から受精膜はあがりはじめ、1分程度で完全に卵を覆うように周囲を取り囲みます。この受精膜は弾力があり非常に硬く、ガラス針を突き刺そうとしてもなかなか破れません。この頑丈さが精子のさらなる侵入を物理的に防ぐ役割を果たしています。また、初期発生時の無防備?な段階において、外敵や波による衝撃との直接的な接触を避ける役割も果たしていると想定されます。

画像の左側に点がいくつか見えると思いますが、それらは精子の頭部です。卵と比較してそのサイズの違いがよくわかると思います。両親から子に伝わる情報として、小さな精子からはDNAや受精後の卵割(受精後の細胞分裂で細胞成長を伴わないものをこう呼ぶ)に必須な中心体が提供されるのに対し、大きな卵からは受精後の初期発生に必要なタンパク質やRNA、エネルギー産出のためのミトコンドリアやその栄養分などかなり多くの必要成分が提供されます。この大きな卵と小さな精子が1:1で受精することで初めて個体として完成した状態で命が始まるわけです。

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