ヒッチハイク120km to Safi
2024/8/18
いや〜それにしても、もうエッサウィラにも宿は無いし、黙っていてもしょうがないので次の街サフィに向かう事にした。
午前10時半、ヒッチハイク開始。
まず目星をつけた場所では止まってもらえる気配が無かったので、30分で切り上げて別のポイントまで歩く。
数百メートル場所を変えただけで反応が変わるのがヒッチハイクの面白く、そして難しいところ。
ここで本日初めてドライバーに拾ってもらえた。
さて…降ろしてもらった瞬間に悟った。
いや降りる前から気付いた。
『ここは厳しいぞ…』
絶望的に車が少ない。
たまに通りかかるも、無反応どころか明らかに警戒されている。
そりゃそうだ、こんな荒野にポツンと1人アジア人が立っていたら怪しまれるに決まっている。
皆、反対車線にまで車をズラして避けていく…。
そして1時間…2時間…。
全く手応えのないまま、太陽がジリジリと照りつけ始める。
思うに熱射病とは直射日光の強さだけではなく、たとえ弱くても長時間さらされると発症するのだろう。
日陰が皆無の中、ひたすらサムズアップしていたが徐々に頭痛がしてきた。
しかし目的地サフィまではまだ90km。
スタート地点のエッサウィラに戻ろうにも30km離れている。
おまけに、どっちに着こうと宿はない。
いやそれ以前に、このままでは何処にも辿り着けない…。
『ヒッチハイクし続けるしかない…!』
これはそんなカッコ良いものではなく、本当にそれ以外の選択肢がないのだ。
仕方なくそうするしかない、といった方が適切だろう。
とはいえ、親指を上げたところで相変わらず反応は無い。
そうこうしているうちに、時刻は16:30。
『あと30分でダメならサフィは諦めて、方向を切り替えよう』
『30km先のエッサウィラに戻る方が、まだ少し可能性はあるかもしれない』
『同じ野宿でも、此処よりマシなはず…』
『それすら無理なら、此処で覚悟を決めるしかないな…』
そう思い、半ば放心状態でドライバーにアピール。
「サフィ!?」
時速120kmでぶっ飛ばしてくれたおかげで18時にサフィ到着。
しかし宿が無い。安宿がBooking.comにも載っていないので、街人に聞いて周る。
気分はドラゴンクエスト。…なんて言ってる余裕は全く無かったが、朦朧とした中、そんな事を考えていた。
親切な若者2人に有力な情報をもらい、ようやく宿を発見。
飛び込みで交渉し、なんとか無事にチェックイン。
『なんとか…!なんとか無事に終わった…!』
胸を撫で下ろすと、不思議と頭痛も無くなり、夜のサフィを少し散歩。
それにしても…
『まぁどうにかなるもんだ』
なんて私はわりと思う方だが、今回は本当に“どうにもならない”と思ったよ…。
マジで今日は心身ともに疲れた…。
ほんとマジで…。