折衷案

2024/4/26

クタイシ7日目。
途中、ゴリに一泊したとはいえ既に1週間。
チェックアウト予定日は明日だ。

時刻13:30。
相変わらず行き先は決めていないが、ひとまずサトミちゃんにメッセージを送る。

「明日、クタイシを出るよ」

彼女は「見送りに行く」と返してくれたが、私は断った。
勿論それは嬉しいのだが、名残り惜しくなってしまう。
何事も引き際が肝要だ、未練がましい事はしたくない。

クタイシ中心部

アジちゃんからもらったSIMカードをリチャージし、インターネットを継続。
これでヒッチハイクもしやすくなるだろう。

宿の共有スペース

スマートフォンからYouTubeを流し、ビールを呷る。
この2週間の出来事、明日の行き先、今後の行方。
様々な想像が音楽に溶け込み、世界を構築していく。
そして頬を撫でる風が現実へと引き戻す。
その繰り返しだ。

そのうちに疲れを覚え、ベッドに潜り込むと瞬く間に微睡んでしまった。

時刻21:50。
寝ぼけ眼でスマートフォンを触っていると、再びサトミちゃんからのメッセージ。

折衷案

その一言とともに添付された1枚の写真

彼女は、去り行く私にお菓子を届けてくれていた。メッセージを添えて。

2つのスコーン。
アジちゃんと3人、カズベキで食べたチョコレート。

私が「これ好きなんだよね」と何気なく言った
チョコバーを彼女は覚えてくれていた

ビールが最高に美味い…！

正直、彼女とはもう会えない気がしていた
何となく肌でそう感じていたのだ


しかし、今なら思える
『また会えるかもしれない』

一緒に旅をしてくれてありがとう

サトミちゃんの今後が
更に良いものとなりますように

さぁ

明日は何処に行こうか