旅のスパイス
2024/5/12
2度目の入国となったジョージア。
そして4度目の滞在、首都トビリシ。
偶然の再会がそうさせたのか、俄然仲が深まった私とマルセラは小雨が降る街中を傘を差しつつ歩く。
彼女はクレジットカードを紛失してしまい、それを母国ブラジルで再発行し、届くのを待って既に1ヶ月以上が経過している。
気の毒だが、幸い彼女は前向きにトビリシ滞在を楽しんでいるようだ。
私も改めて、貴重品の管理には気をつけないといけない。
宿に戻ると、どこかで見覚えのある人の顔。
全身日焼けした褐色肌で、大量の荷物を括り付けた自転車の前に立っている。
『えっ、まさか…!』
私は彼と面識は無いが、すぐに気付いた。
彼は世界を旅する日本人サイクリスト。
私は日本を出国する前から彼のブログを読んでは刺激をもらっていた。
思わず駆け寄って訊ねると、やはり本人。
まさか旅中に出会えるとは…!
昨日マルセラと偶然再会していなければ私はまだアルメニアにいたので、彼とすれ違っていただろう。
つくづく思うが、“縁”という不思議な力を感じずにはいられない。
彼は自転車乗りで、私はバックパッカー。
旅のスタイルこそ違うが、物事に対する基本的な考え方に共感または興味を惹きつけあったのか、そのまま会話は弾み、一緒に夕食を作ろうという流れに。
旅話は留まる所を知らず、マルセラから
「あなた達、3時間以上も話しっぱなしよ」
と呆れ笑いされる程に。
それでも話し足りなかったのだが、時刻は既に23:00。
まだ私も彼もこの宿に滞在予定だ。
今日はこの辺で切り上げようと挨拶して、お互いのベッドに戻る。
充実した心地良い疲労が、全身をじんわりと包み込んだ。
最後に、とても印象的で共感した彼の言葉をここに残しておきたい。
最初は何もかも新鮮で楽しいが
しばらくして一度飽きてからが”旅”で
そこから
本当に自分の求めているものが見えてくる
2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。 なので今後どうなるかは私にもわかりません。 その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。 サポートは旅の活動費にありがたく使用させて頂きます。 もし良ければ、宜しくお願いいたします。