見出し画像

広告に興味がない人も思わず笑ってしまう広告事例の紹介⑧

スマホを使えばすぐに面白いコンテンツに出会えるこの時代、わざわざ広告をじっくり見ようという人はなかなかいません。しかし、世の中には広告に興味がない人でも思わず目を止めて笑ってしまう秀逸なクリエーティブがたくさんあります。この記事シリーズでは、そんなおもしろい広告事例を少しずつご紹介していきます。

9/6(月)のお昼12時~13時にはClubhouseで、本記事で紹介した事例をはじめ、世の中の気になるクリエーティブについてディスカッションを実施していますので是非聴きにきてくれると嬉しいです!

1.青森県「OMOSHIROIBLOCK 国宝合掌土偶」

画像1

2019年10月に、青森県が「北海道・北東北の縄文遺跡群」のユネスコ世界文化遺産登録の気運を高めることを目的にデザイン会社のトライアードと共同開発したメモ帳。メモ用紙をちぎっていくと、八戸市の縄文遺跡で出土した「国宝 合掌土偶」の造形が徐々に現れるというデザインになっています。
土偶の造形は非常に精巧で高度な建築模型制作の技術が用いられてるという本格仕様。日用品というより方はアート作品として売り出しており、価格は1万円と高額ですが、とても面白い商品です。
10月9日「土偶の日」には商品のプロモーションムービーを公開。「すべての土偶が嫉妬した。」「メモとしては高い。国宝としては安い。」といったコピーで商品特長を訴求しているユニーク内容となっています。

メモ帳を地層に見立てたデザインが秀逸だと思います。メモ帳という古くから存在する商品であっても、アイデアひとつで全く新しいプロダクトになりうる可能性を感じました。
また、プロモーションムービー内の「メモとしては高い。国宝としては安い。」という商品の価格に納得してもらうための屁理屈コピーが面白いですね。


2.岡崎体育『Fight on the Web』MV

2021年8月にYouTube上で公開された、岡崎体育さんの新曲『Fight on the Web』のMV。こちらは広告ではないのですが、とても面白い映像表現だったので紹介いたします。

これまでのミュージックビデオのあるあるを歌った『MUSIC VIDEO』や英語に聞こえるが歌詞を見ると日本語になっている『Natural Lips』など音楽と映像をうまく融合させた様々なMVを公開してきた岡崎体育さん。『Fight on the Web』はネットの掲示板上で繰り広げられる不毛なマウントの取り合いを題材にした曲です。サビまでは男性二人の言い争いが展開され、サビは「喧嘩すんな!喧嘩すんな!喧嘩すんな!インターネットで喧嘩すんな!」という非常にシンプルな歌詞になっています。

おもしろいのはMVの映像表現。岡崎体育さんが一人二役でネット上で言い争いをする男性を演じているのですが、画面には格闘ゲームのように体力ゲージが表示されています。お互いが言葉で相手を攻撃するたびにその体力ゲージが減っていき、不毛にお互いを傷つけあっていることが表現されています。掲示板上ではお互いを「官僚」「警察」と名乗ってた二人ですが、ラストは部屋にそれぞれのお母さんが乱入し、二人ともニートであることが明かされるという切なくて面白いオチとなっています。インターネット上での誹謗中傷を止めることをユーモアたっぷりに伝えている、笑いがありながらも社会的意義も感じさせるクリエーティブです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?