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茶道具

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2022年1月の記事一覧

茶道具百話 炉の棚物

炉の季節しか使えない、大きな棚物を

続けて出し学んでいます。先月は利休居士

好みの「四方棚」、今月は「山里棚」です。

およそ殆どの棚は炉・風炉共に使えます。

ですから炉しか使えない棚の勉強も、大切です。

およそこの手の棚は、地板も大きいので少し

大振りの水指が映るでしょう。

山里棚は地板が「砂擦り」になっていて、木目が

立っています。それ故土物水指を乗せられる事も

魅力です。

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見事な仕事 蒔絵

見事な仕事 蒔絵

今週使った菓子器、と言ってもコロナ下

殆ど銘々皿ですが・・・少し古い器で、

蒔絵の技術・意匠・共に見事な出来です。

銀で雪輪を二つ重ね、山に見せています。

そこへ金で梅の蕾・開花・を、散らしています。

五枚組で、一枚づつ柄が違うと言う魅力も!

この様な素晴らしい蒔絵を見る度に、先人の

技術力を思います。

今それらの品物を、オークションで安価で

手に入れられます。有難く幸せな事です

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季節の器

季節の器

津軽塗はとても丈夫な塗り物で、

私は下駄を持っていました。

個人的なイメージでは、やはり津軽

=雪と思い込んでいます。

ですからこの薄茶器を見つけた時は、

飛びつきました。これは「雪吹ふぶき」

と言います。雪中=物が良く見えない=

器が上下面取りで、どちらが上か分からない

となります。これに洒落て「雪吹」と字を

逆にした、先人の洒落に感服です!

毎年雪の頃には、必ず使う薄茶器で

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稽古の茶道具

稽古の茶道具

「雪」の一文字が入る、掛け軸を使いました。

香合に{筍}を出したので、殆どの人が?な

表情です。

中国古代三国時代、呉の国の逸話です。冬に

母親が「筍を食べたい」と言ったので、息子は

雪をかき分け筍を掘り探し当てました。

その人の名は「孟宗」聞き覚えが有る、名前

ですね。ここから孟宗竹と言われる様になった

とか?まあ中国の昔話は、大いに盛られている

のが当たり前なので・・・

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茶道具百話 モダン

茶道具百話 モダン

古くからの茶家・宗匠方のお好みの

中に、びっくりするようなモダンな

デザインの御道具が在ります。

私はいつも裏千家五代家元不休斎お好み

「甲赤茶器」を一番に挙げます。

不休斎は江戸中期初めの、家元です。

甲は赤で切立形・胴は黒で丸味を帯びて

います。とても個性的な形で、隣に現代

作家の個性的な茶碗を置いても、大丈夫。

一度稽古の折社中が「貴人点」で、貴人台と

この薄茶器を置き合

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干支

干支

また自分の干支である、虎の香合を使いました。

もう次の12年後は無理だろうと、考えているので

今年中に・・・まあ幸いな事に、36歳・48歳の

寅年の弟子が居ますので、道具の行く先は決定しています。

生まれた年の干支によっては、使い易い分と・使い難い物

とが有ります。一番難しいのは「羊」でしょうか?元来

日本には居なかった動物ですから・・・

強いて使うなら、クリスマスかな?それ以外ほと

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茶道具百話 四滴

茶道具百話 四滴

四滴茶入を出して、稽古に使います。

真塗手桶水指なので、薄茶器として塗り物は

重複するので避けたかったのです。

必ずとは言いませんが、やはり手桶の前には

陶器の方が映りが良い筈です。四滴は文房具

からの、見立ててでしょうが楽しい道具です。

手桶の他夏場の木地釣瓶、ごく稀にある漆器の

水指などにはピッタリ!

色々な焼きで出来ています。今迄見た中では

赤・黒の楽焼・瀬戸・高取・などが

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ややこしい点前

ややこしい点前

もう何年ぶりになるでしょうか?

稽古初めに「長板・総飾り」を致します。

点初式が出来ないので、人数を少なくして

少し改まった雰囲気で稽古を。

社中が炭と薄茶、私が濃茶の「各服点」を。

本音を言うと炉の長板総飾りは、柄杓を扱う

のに何度も向きを変えねば成りません。

ややこしいんです!

今回使う珍品長板は、14代家元がお嬢様の

初節句の為に好まれた品です。真塗の長板も

格調高いので

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茶碗の文様

茶碗の文様

新年の稽古用に、12年ぶりの茶碗を出して

来ました。36歳三度目の干支を前に、恩師

三田富子先生から色絵茶碗を頂きました。

とても珍しい柄行で、内側上部には宝尽くしの

色々が見えます。京都の清閑寺の作でした。

「毘沙門亀甲」と言う文様でした。

「虎は毘沙門さんのお使いの動物。寅年生まれの

貴男が持つに相応しい」と言葉を添えられました。

毘沙門亀甲とは、毘沙門さんの鎧鎖から「三盛亀甲

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茶道具百話 茂三

茶道具百話 茂三

まづは物事を始める、二日です。

家の裏に在る、産土神へお参り。

それから待望の道具を据えての、独服です。

今年年頭の茶碗は、珍しい「茂三」の写し

を使います。

茂三とは江戸初期対馬から、韓国へ渡った

陶工の名前です。その他玄悦など、数名が

居たとされます。その茂三を名工万古焼の

佐藤延寿が写しています。この人は器用な方で、

何を写しても上手い!ので、いくつか茶碗を

持っています

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