茶道具百話 炉の棚物

炉の季節しか使えない、大きな棚物を

続けて出し学んでいます。先月は利休居士

好みの「四方棚」、今月は「山里棚」です。

およそ殆どの棚は炉・風炉共に使えます。

ですから炉しか使えない棚の勉強も、大切です。

およそこの手の棚は、地板も大きいので少し

大振りの水指が映るでしょう。

山里棚は地板が「砂擦り」になっていて、木目が

立っています。それ故土物水指を乗せられる事も

魅力です。

棚で笑い話が有ります。茶友の稽古場で「寒雲棚」

を出していました。「寒い雲ですから、この寒中

にこそ相応しい」と説明しています。

{オイオイ、違うだろう}とは思いましたが、弟子の

前で恥をかかせては・・・後から{貴女あの棚は元来

御家元の寒雲亭と言う茶室の~}と正解を伝授しました。

{貴女の説では、夏場風炉の時季には使えないね}

と二人で笑い合いました。