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茶道具

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2021年7月の記事一覧

稽古日誌 七月

いよいよ茶箱を、勉強する月となりました。

鉄瓶・瓶掛け・の構えとなれば、床の掛物も

軽い物にと考えます。

床   「鎌倉や御仏なれど釈迦牟尼は

    美男におわす夏木立かな」晶子

あの有名な歌短冊です。しかし大仏のある

お寺のご住職は「大仏様は阿弥陀様なんです。

あの歌が有名になり、誤解が・・・」と話して

居られ笑ってしまいました。

与謝野晶子は大好きな歌人ですが、書き物は

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茶道具百話 三つ組

茶道具百話 三つ組

茶箱用の三つ組、棗・茶筅筒・香合・に

不満が有ります。およそ販売されている

殆どが、小平棗となっています。

ただでさえややこしい、茶箱点前です。

棗が小棗なら、扱いは少し楽になります。

私は時々自分でそろえた小棗を、組ませて

います。茶箱の初心者にはこの方が、点前が

覚えやすいでしょう。

第一に小さい茶箱の中に、同じ色柄の三つの

道具が有るのは興ざめです。たとえ三つ組でも

バラ

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稽古の茶道具 北海道!・

稽古の茶道具 北海道!・

寄付   滝に青楓の絵 色紙

床    山水有清音 大徳寺501世雲崖老師

花    鋸草 花入 鉈籠

香合   木彫 熊

薄茶器  アイヌ文様中棗

菓子   水沫みなわ 源吉兆庵 器 大正切子鉢

干菓子  山・青雲 桐生香雲堂 器 白樺

今回の目玉は、「熊ちゃん」香合です。

大珍品ですが、実は表千家吉祥会北海道大会の

記念品 との紙が入っています。素材はあららぎ

{一位}です

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茶道具百話 見立て

茶道具百話 見立て

茶箱の茶碗には、見立ての外国製品が

大活躍します。その半分は{カフェ・オレ}

のボールです。

若い頃から海外へ出ると、必ず茶道具に

使えそうな品を探して来ました。

少し小振りのカフェオレボールは、まさしく

ぴったりです。また茶箱用なら国内の陶器でも~

昔から百貨店の和食器売り場で、ご飯茶碗の

中からいくつも発掘して来ました。

茶箱はより楽しく遊べる茶碗を、使いたいと

実践してい

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茶道具百話 刷毛目

茶道具百話 刷毛目

どうした訳か?若い頃から無類の「刷毛目」

好きです。水指・茶碗・鉢・など、事焼物の

中では、刷毛目文様の品を数多く所持。

これだけ刷毛目好きだと「魅力は何ですか?」

良く聞かれます。やはり刷毛により作られる、

線の動きでしょうか。

それを見ると、沢山の銘が浮かびます。画像の

茶碗を稽古に使うと、流水・白波・白砂・白帆・

行雲・などの銘が出ました。点前の人により、感じ方が

違う筈で

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茶の湯稽古場から 句銘・歌銘

「御茶杓のご銘は?」「はい、句銘でございます」

「どうぞお読み上げを」続いて点前さんから、5・7・5・

と淀みない答えが・・・

勉強が進んで来て、時折男子から俳句の銘・和歌の銘・が

出て来ました。

「あっそれは古今和歌集」「伊勢物語からだね」「その句は

蕪村でしょう」こう指摘すると「先生何でもご存じですね」

真顔で言います。「およそ君達レベルの範囲は、押えているだけ」

格好良く言い

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茶道具百話 歴代茶杓

稽古用に、U流歴代写し茶杓を使います。

これがどうした訳か、お名前が正式名称では

ないんです!竺叟・一灯と言う具合です。

この茶杓で歴代の大まかな形・櫂先・切留など

特徴を押えて欲しいのです。

特に14代の櫂先の「宝剣」11代・13代・の

幅広な櫂先などは、解り易い?逆に利休居士と同じ

形だと、見分けがつけにくい?のです。

水屋で点前準備の時、座ったままで茶杓を選びます。

なので

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茶の湯センセ 許容範囲

茶友へ夏の挨拶を持参したら、折り良く・

運悪く・稽古中でした。

掛け軸の「滝 直下三千丈」は良かった。

他の道具は全てダメ{個人的感想ですが}

と言うのも、花入・香合・水指・薄茶器・

茶碗・菓子器とガラス尽くしだったからです。

カット・色などは、ダブらない様計算されて

いました。

花入は岩田藤七・香合は藤田喬平・薄茶器と

茶碗は女流工芸家・菓子器は江戸切子の銘々皿。

本人は大満

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茶道具百話 掛け軸

我が社の稽古場が、他と大きく違うのは

歌の掛物を多用する事でしょう。

若い頃からの和歌好き。最初に買った歌の

掛け物は、江戸初期の公家{近衛 応山公}の

古今和歌集春歌切れでした。新宿伊勢丹の

新館上の階には、広い茶道具売り場が有りました。

その脇にいくつか小さい美術商が、店を構えて

いました。中の一つは掛け軸の専門店でした。

高校三年の終わりごろから、良く通っていました。

ここ

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茶道具百話 ホンモノ

「お棗の、お塗は」「はい、宗哲です」

「お仕覆のお仕立ては」「友湖です」

他所から来た人は、ほとんどこう答えます。

「貴女、宗哲の本物見た事ある?」横槍を

入れました。大きく首を、横に振りました。

七代・十一代・宗哲、二つの薄茶器を出しました。

そこに彫られた{哲}、作者の箱書きも見て

もらいました。

友湖も仕覆を出し、裏地底の〇に友の字印・

箱脇の箱書きを示しました。恐らく口伝

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