茶道具百話 ホンモノ

「お棗の、お塗は」「はい、宗哲です」

「お仕覆のお仕立ては」「友湖です」

他所から来た人は、ほとんどこう答えます。

「貴女、宗哲の本物見た事ある?」横槍を

入れました。大きく首を、横に振りました。

七代・十一代・宗哲、二つの薄茶器を出しました。

そこに彫られた{哲}、作者の箱書きも見て

もらいました。

友湖も仕覆を出し、裏地底の〇に友の字印・

箱脇の箱書きを示しました。恐らく口伝で、

ソウテツ・ユウコ・と聞いて来たのでしょう。

更には宗哲の場合「何代か?」も大切です。

御家元歴代と時代が合わない、偽物では困る

からです。