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#時代劇

「雲霧仁左衛門6」について(+X)

「雲霧仁左衛門6」について(+X)

BS時代劇「雲霧仁左衛門6」が放送された。二〇二三年八月二五日から一〇月一三日までの全八話。第六シリーズの舞台は、江戸を遠く離れて古の都、京都である。表面的には徹底的にドライであることを信条とする雲霧仁左衛門(とその一党)の無駄のないてきぱきとした仕事ぶりと全編に飛び交うまったりとした京ことばの絶妙に食い合わせの悪い感じが、何とも新鮮な感じがしておもしろかった。本シリーズの冒頭には、昼の日向の日差

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「大岡越前」と祝儀能

「大岡越前」と祝儀能

「大岡越前6」が始まった。なんか、ちょっと変わった、と思わざるをえない。内容というか、つくりそのものが、少し軽めの雰囲気になったような気もする。シリーズも六作目ともなると、いろいろと不安な要素は目についてくるものである。雪江の父・吉本作左ヱ門(寺田農)や忠相の母・妙(松原智恵子)、そして村上源次郎(高橋長英)といったところは、やはりかなり歳を取られたなあと感じる。人気のシリーズが続いてゆくことは、

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生きるとか死ぬとか眠狂四郎とか

生きるとか死ぬとか眠狂四郎とか

https://www.bsfuji.tv/nemurikyoshirouthefinal/pub/index.html

眠狂四郎と田村正和
四月に亡くなった田村正和(享年77)の追悼番組として「眠狂四郎 The Final」の再放送があった(2021年5月29日、17時〜19時20分)。あまり観る気はなかったのだけど、円月殺法がとても好きなので、ついつい時間になったらそそくさとチャンネルを選択

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『鳴門秘帖』第9回「姉妹の契り」の感想

『鳴門秘帖』第9回「姉妹の契り」の感想

世界はW杯でオレオレしているようだが、それ以上に熱い展開をみせているのが『鳴門秘帖』である。もはや秘帖(箱の中身)のことなどそっちのけで、登場人物全員が色めき立ってわちゃわちゃと大騒動を繰り広げている。ごちゃごちゃとあれこれ詰め込まれているにもかかわらず、お十夜孫兵衛とお綱、法月弦之丞と千絵どののそれぞれの二人だけの語らいのシーンにはたっぷりと時間が割かれていたりして、何だかもう緩急のある展開を通

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