はるか

転職回数は10回超え。海外放浪20カ国。流れ着いたインドで5ヶ月ヨガをしていたら、占い…

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転職回数は10回超え。海外放浪20カ国。流れ着いたインドで5ヶ月ヨガをしていたら、占い師になって帰国しました。 「日本でいちばんインドに近いのは大阪やで!知らんけど。」という友人の言葉をきっかけに、帰国後はなんやかんや大阪に居ついています。

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    事実は小説よりも奇なり。と言うけれど。 旅した場所で出会った人たちとの対話の記録です。

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旅戯曲モロッコ編🇲🇦山奥にパスポートを置き忘れた話#3

「もしもああなたの愛した人がイスラム教徒だったら、 あなたもイスラム教徒になる?それともその恋は諦める?」 無事に2泊3日のサハラ砂漠ツアーから帰ってきたわたしは、 パスポートを取りにシェフシャウエンに向かった。 電車に乗っていると、隣に座ったモロッコ人の女性に話しかけられた。 「明らかに観光客だと分かる見た目のアジア人女性が、 どうして1人でこんな電車に乗ってるのか心配になったのよ!」 そう話す彼女にこれまでの経緯を説明した。 さっき会ったばかりのはずなのに、年上の友

    • 旅戯曲モロッコ編🇲🇦山奥にパスポートを置き忘れた話#5

      異国の地でパスポートを置き忘れるなんて。 こんなトラブルはできれば避けたいものだけど。 もしもパスポートを置き忘れていなかったら、 モウナさんと一緒に宗教と恋愛について考えることも、 通訳のお兄さんと日本のバンドの話で盛り上がることもなかった。 そう考えれば失敗や回り道は、 その先の何かを経験するためのきっかけにすぎないのだろう。 そんなリスクはできる限り回避して、 スピード重視の最短ルートで目的地を目指すのも良い。 一方で遠回りになったとしても偶然の出来事に身を委ねなが

      • 旅戯曲モロッコ編🇲🇦山奥にパスポートを置き忘れた話#4

        電車の窓越しに見えるのは、 どこまでも続くだだっ広い空と大地と、時々ヤギ。 やってしまった。 モウナさんが途中下車して1人になったわたしは、 いつの間にか寝てしまっていたのだ。 この電車を降りたら今度はバスに乗り換えなのだけど、 チケットに書かれたアラビア語が、 ランダムに並んだひじきか何かにしか見えない。 わたしが使えるのは日本語と英語。 一方モロッコで使われるのは主にアラビア語、ベルベル語とフランス語。 英語は通じたり通じなかったり。 時々聞こえてくるアナウンスは、何を

        • 旅戯曲モロッコ編🇲🇦山奥にパスポートを置き忘れた話#2

          モロッコでパスポートを無くしたわたしは翌日、 1本の電話を待っていた。 あれだけ大騒ぎして探したパスポートはあっさり見つかった。 マラケシュに来る前に宿泊していたシェフシャウエンの宿に 置き忘れてしまっていたのだ。 双方の宿のスタッフが電話で話し合った結果、 私のパスポートはマラケシュ行きのバスの運転手に託された。 バスがマラケシュに着いたら連絡が入るはずなのに、遅すぎる。 夕方頃には連絡があると言われていたはず。 なのに時刻はもう23時をまわっている。 何かトラブルがあ

        旅戯曲モロッコ編🇲🇦山奥にパスポートを置き忘れた話#3

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          旅戯曲モロッコ編🇲🇦の山奥にパスポートを置き忘れた話#1

          ない。 ポケットの中にもスーツケースの中にも。 バッグをひっくり返してもメイクポーチの中身を全部ぶちまけても。 どこを探しても見つからない。 嘘でしょ。 こんな大事なものを無くすなんてありえない。 青い迷路のような街並みが美しいシェフシャウエンから バスに乗って辿り着いたこのマラケシュの宿で、 ちらばった荷物を前に半泣きで呟いた。 「パスポートが、ない」 つづく

          旅戯曲モロッコ編🇲🇦の山奥にパスポートを置き忘れた話#1