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なぜ組織の急拡大に”透明性”が重要なのか? ~ログラスの事例まとめ~

1. はじめに

半年ぶりにnoteを書きます。ログラスエンジニアの村本です。
実は11月でログラス入社から1年!ということで、1年ログラスにいて感じたことを記事にしてみようと思います。

去年入社したときは20人未満だったのが今や50人を超える規模になり、シリーズAで17億円も調達し、タクシーCMも放映するなどと1年とは思えない速度で様々なことを体験させてもらいました。

今回は、僕が1年過ごしたログラスの中で個人的に素晴らしいと感じている文化である透明性について書いていこうかと思います。

是非、ログラスに興味がある方、スタートアップに興味がある方、透明性ってなんなの?って思われている方は目を通して頂けますと幸いです。

2. 透明性とはなにか?

ここで取り扱う透明性とは「組織の透明性」です。
昨今のビジネスにおいて、透明性の高さが従業員エンゲージメントやビジネスを加速させるというはいろいろな企業で耳にするかと思います。

個人的にこの透明性というは以下の3つの点から非常に重要だと考えております。

  1. エンゲージメントが高まる

  2. 自律的に動きやすくなる

  3. 心理的安全性が保たれる

それぞれ詳しく説明していきます。

2-1. エンゲージメントが高まる

透明性が重要だと思うポイントの1つ目はエンゲージメントです。
僕は「3人のレンガ職人」という寓話が好きなのですが、それが透明性の高さの重要性を良く表していると思います。

💡 3人のレンガ職人 (サマリ)
3人のレンガ職人に「ここでいったい何をしているのですか?」と尋ねました。

👨「レンガ積みに決まっているだろ。朝から晩まで、俺はここでレンガを積まなきゃいけないのさ。」
👨🏼‍🦰「俺はね、ここで大きな壁を作っているんだよ。これが俺の仕事でね。この仕事のおかげで俺は家族を養っていけるんだ。」
👨🏻‍🦱「ああ、俺達のことかい?俺たちは、歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだ!ここで多くの人が祝福を受け、悲しみを払うんだぜ!素晴らしいだろう!」

3人のレンガ職人の話

3人目のレンガ職人が他のレンガ職人とは圧倒的に違うことがよく分かると思います。

透明性の低い組織では、自分たちの仕事が何に繋がっているのか、何の役に立つのかをイメージすることが困難です。
そのため、1人目のレンガ職人のようになってしまいます。

逆に、透明性の高い組織では、自分がやっている仕事が何のためにあるのか、何の役に立つのかを知ることで、3人目のレンガ職人のようになれるという訳です。

特にエンジニアは注意しないと一人目のレンガ職人のようになってしまいがちです。
エンジニアは手を動かしてものを作りますが、フロントに出てお客様と直接会話する機会は少ない職種です。
そのため、作るものに対して、それが顧客やビジネスにどのような影響を与えるのかイメージするのは困難だったりします。

透明性の低い組織では、開発物の背景説明が薄く、その開発をすることで、どういったリターンが得られるのか(もしくは、得られたのか)を知ることは困難でしょう。
そのような状況では、やらされ感や社内受託感が課題として上がってくるなど、大変よろしくない事態に陥ってしまいます。

そんなエンジニアである自分だからこそ、透明性の高さは非常に重要だと考えております。

ログラスでは、カスタマーサクセスの方やセールスの方が機能開発の要望を挙げてくれるのですが、何故この機能が必要なのか、ユーザーのペインがどこにあるのかを懇切丁寧に伝えてくれます。
特に、カスタマーサクセスの方々は元経営企画や元事業部長というお客様と同じ立場だった方々が多く在籍しており、お客様をよく理解した上で、高い解像度でペインや必要性を伝えてくれます。

また、Loglassは経営管理という複雑なドメインに対してサービス提供をしており、ドメインやユースケースの理解が困難な場合も存在します。
そういった場合でも、カスタマーサクセス中心にユースケース勉強会を開催するなど、ドメインに対する理解をサポートしてくれます。

また、開発したものをリリースする度に、顧客からの喜びの声や感謝の気持ちを共有してくれるため、エンドユーザーが直接見えるような透明度を味わえます。
(もちろん、もっとこうしてほしいというリアルな声もいただきます。)

2-2. 自律的に動きやすくなる

透明性の高さが重要な2つ目の理由が、自律性です。

自律的に動くには現状を把握し、課題を認知した上で、自分が何をすべきか考えて動く必要があります。
そして現状を把握し、課題を認知するためには、情報のキャッチアップが必要になります。

透明性の低い組織では、組織がどのような現状でどのような課題を抱えているかが不透明で、重要な意思決定に関する議論もいつの間にか行われ、議事録が残っておらず、決定事項だけを伝えられてとりあえず従うという状況になりかねないでしょう。

最近、愛読しているLeanとDevOpsの科学という本でもバーンアウトの予測に効果的な組織の危険因子の一つに「自律性の欠如」を上げています。

💡 バーンアウトの予測に効果的な、組織の危険因子を6つ特定している [Leiter and Maslach 2008]

1.  過重労働: 作業量が人間のこなせる限度を超える
2.  自律性の欠如: 自身の仕事を左右する意思決定であるにもかかわらず、それに対する発言権がない
3.  不十分な報奨: 経済的、組織的、社会的な見返りが十分でない
4.  人間関係の断絶: 精神的な支えが得られない職場環境
5.  公平性の欠如: 意思決定のプロセスが公平性に欠ける
6.  価値観のズレ: 担当者個人の価値観が組織のそれと一致しない

LeanとDevOpsの科学

一方で、透明性の高い組織では、組織の現状や課題が共有され、今どういう方向に進もうとしているのかというレベルで伝達され、議事録やドキュメントが残っており、情報のキャッチアップが容易になっていることでしょう。
このような環境では、現状を踏まえた上で自分は何をすべきか考えることができ、自律的に動くことが可能になります。

現にログラスでは、経営会議や投資家MTGなど超重要な意思決定に関わる議論は全社員に共有されます。

また、ログラスの売上や残高、キャッシュフロー、ランウェイなどの重要な経営数字は自社プロダクトである「Loglass」上で管理され、全社員に共有されています。
この情報に誰もがアクセスできることで、今の経営状態を知った上で、自分たちの行動を変えることができます。

このような透明性の高い組織づくりをスタートアップのこのフェーズから取り組めているのは、ログラスのValueである「LTV first」をトップ自ら体現していると感じています。

LTV firstはログラスのValueの中で個人的に一番好きなValue

2-3. 心理的安全性が保たれる

透明性が重要だと考える3つ目のポイントは心理的安全性です。

心理的安全性が保たれていると、チャレンジングな行動を取りやすく、圧倒的な成果を出しやすいというのは多くの文献でも扱われていることだと思います。
特に、スタートアップという厳しい環境で勝ち抜いていくためには、失敗を恐れないチャレンジングな姿勢が求められます。

透明性の低い組織では、クローズドな場でのやりとりが多くなります。
そのような環境では、何を言われているのか、どう思われているのが不透明になり、失敗やミスを恐れたり、目立つ行動や発言は控えるようなバイアスがかかってしまいます。
最悪の場合、ミスを隠したり、愚痴を吐くだけで何も改善しないような淀んだ空気が生まれていしまいます。

一方で、組織の透明性が高ければ、オープンな場で会話や議論が活発になされ、チャレンジしたことに対する賞賛や今後に繋がる会話が交わされます。

ログラスでは、オープンな場での発言が活発で、Slackでも90%近くがPublicチャンネルでやり取りされています。

創業初期はメンバーがいないので、DMが多かったようです

特徴的な取り組みとしては、7人以上集まるような会議では必ず「わいわいスレ」というThreadがSlack上に立ち上げられます。
全社共有会のような会議でも必ず立ち上げられ、100件~300件ほどの投稿が毎回のようにされています。
リモートワークでもオープンな場で発言しやすい取り組みをしているのは、とても素晴らしく感じています。

毎週全社でやっている各部の成果発表をする場。盛り上がり過ぎて488件もリプライされてる

また、ログラスには「Feed Forward」という会社を一歩でも前に進めるような行動や発言が称賛されるValueがあります。
これにより、少し勇気がいるような発言や行動もValueに基づいて取りやすく、そのような行動をとった場合は、たとえ失敗したとしても称賛されます。

(再掲) ログラスのValue

個人的にログラスのとても良いところだと思うのが、この「称賛しやすい仕組みづくり」ができていることです。
🌮 を使って、1日5個感謝を伝えるという仕組みがログラスには存在しており、活発にやりとりされています。

(上)POに褒められる僕 (下)褒めてるCEO

このように称賛しやすい仕組みが形成されていることで、高い透明性を維持し、心理的安全性を保てるようになっております。

3. まとめ

ログラスでは経営会議や投資家MTGの情報を共有し、組織全体の重要な意思決定に関わるような情報を辿れるようになっています。
また、特徴的な取り組みとしては自社プロダクトである「Loglass」を使って経営管理をした上で全社員に経営情報を共有しています。

誰もが仕事だからやるのではなく、自分が必要だと思うからやるとなるように、色々な仕掛けや仕組みを使って文化づくりに励んでいます。

このような透明性を作る取り組みを設立4年目のシリーズAの段階から取り組めているのは、LTV firstというログラスのValueに基づいているんだなぁと改めて感じます。

一方で、ログラスは急成長を遂げており、人数も1年前より3倍以上に増えています。
組織拡大をすることで「認知負荷の拡大」「情報伝達の難易度」「意思決定のスピード」などが透明性を保つ上での課題となってきます。
今後もハイスピードで拡大していくことを考えると、今思っている100倍くらいこの透明性の文化を大事にしないといけないように思います。

最後に感想になりますが、転職して1年が経ち、転職して本当に良かったと思えています。
自分は会社のことを好きになるような人間だと思っていなかったのですが、素晴らしいメンバーや、組織で働くことで、ログラスのことがめちゃくちゃ好きになっていて正直驚いています。

採用も頑張ってます!!!

ログラスの透明性の高さに共感頂いた皆さんからのお声がけお待ちしております。
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