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「かし和家」近江幹太さんっ! ~うらほろ『人』発信 3人目#2

 浦幌で三代にわたり愛された蕎麦屋「かし和家」が今年の3月に惜しまれながら閉店し94年間の歴史に幕を下ろした。しかし、町の若者で発信隊のメンバーでもある近江幹太さんが店の引き継ぎを志願したことで、近江さんの修行を兼ねて期間限定でお店を再開。
 前回は「かし和家」店主の山岸嘉一さんがお店の事、浦幌への思いを語ってくれました。
 今回は20歳の若さで「かし和家」の歴史を受け継ぐ近江幹太さんの大きな思いを発信っ

↓↓↓前回記事

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✳️浦幌町の蕎麦の名店「かし和家」は、その94年の歴史になぞらえ94日間、10/12まで期間限定営業中‼️



かし和家 📞015ー578ー9080 ←新しくなりました
〒089-5603 北海道十勝郡浦幌町本町73


ーーどのような経緯でこのお店「かし和家」を引き継ぐことになったのでしょうか

 僕の父(近江正隆さん。一般社団法人十勝うらほろ樂舎代表理事)からの話が最初でした。東京に近江の実家があるんですが、その家を売って浦幌で新しい近江家としての拠点を作りたいなって、そのタイミングで父が山岸さんから声をかけてもらって建物を購入することになったんです。その後、父が「かし和家」も94年続いてきたから、せっかくだから家だけでなく店も引き継いではどうかって。でも、やる人がいなくて…で「やってみないか?」って僕に話が来て……実は、僕も前々から「将来、浦幌で同級生と一緒に新しいことやってみたい」って思っていたので、その一歩としてというか、蕎麦屋をやっていく中でその拠点となる場所になったらいいなって思いで「やります!」って(笑)

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ーーでは話しを聞いてすぐに決めた感じですか?

 最終的に「やる」ってなったのは結構時間掛かったんですけど、興味があるっていうのは最初から言ってたって感じですね。

ーー嘉一さん(山岸嘉一さん、現「かし和家」店主)はこの店舗さえ引き継いでもらえたら、別に蕎麦屋じゃなくても、「かし和家」の名前じゃなくてもいいとおっしゃっていましたが、やっぱり蕎麦屋「かし和家」を大事にしたということでしょうか?

 6月22日に期間限定で開店するまでは、僕も(かし和家にこだわらず)自分のやり方ががいいかなと思ってたんですけど、実際にお店を手伝い始めてからは「かし和家」は本当にめちゃめちゃいろんな人に愛されてんだなってなって。浦幌にとってめちゃめちゃデカいんだなって感じて、今の気持ちとしては「かし和家」を受け継ぎつつやっていきたい。全て受け継ぐってわけではなく、受け継ぎつつ何か自分でも考えてやっていけたらいいなって。

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ーーもともと、「かし和家」のお蕎麦に思い入れがあった訳では無く、やってみたら「あれ?熱烈なファンがいるぞ!?」みたいな感じでしょうか?

 あ、でもやる前も94年間続いたお店が僕が20歳のときになくなるっていうのは悲しいって結構思ってて

ーー私も子供の頃から「かし和家」の蕎麦食べてきたので、ここの「緑色のそば」以外考えられないって感じで(笑)それが浦幌で食べられ無くなったら寂しいてす。

 そうですね、営業を始めてその思いがすごく強くなったなって感じで、自分が思っていたよりもずっと、94年の重みをたくさん感じて。

ーー嘉一さんにお話しを伺ってて(幹太さんは)「まず一か月間はそばを練るところから」って言ってました(笑)他にも嘉一さんから教わったことや印象に残ってることとかあったら

 んー色々ですが、印象が強いのは94年間続いてきたっていう実感をあちこちから感じたことです。例えば、ちょっとしたところにある道具が何十年も前から使ってるとか、これは生まれる前から使ってるとか。そういうのを直で見ながら仕事できてる、歴史を感じながら作業ができるっていうのは、気持ち的にも「おぉって」なりながらやってる感じですかね(笑)

ーー使っている道具が「かし和家」の歴史を証明していることを実感して盛り上がってる?

 せいろや、生のそばを入れる桶も古いって言ってましたし、そばをこねるやつもですし、あとおちょこ??(笑)

ーーおちょうし?(笑)

 ちっちゃいお酒を入れるような物?(笑)も古いって言ってましたし、そういうのですかね。

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↑↑↑このカエルも年代物❓️❓️

ーー今のところ店舗だけではなく「かし和家」という名前も継ぐっていう考えですが、将来、この場所で「こんなことがやりたい」というものがあれば教えて下さい。

 僕的には同級生や同じ世代とここで一緒に働きたいっていうよりかは、みんな別々な事をしながらも休日とかにここ「かし和家」でイベントやったりとかっていうのをやっていきたい。そして、その姿を今浦幌部などの仲間で活動している下の世代の人たちが見て「自分たちも何か新しい事を浦幌のためにできたらいいな。できるんじゃね?俺たちも!上の学年もやってるし、あの人たちができるなら俺らもできるんじゃね?」って思ってもらいたい。
 僕らも上の世代のノリさん(佐藤紀毅さんレストランURATIE店主で発信隊インタビューの1人目)たちを見てめっちゃいいなあって思って「自分たちもやりたい」って思ったので、次は僕たちが新しいことやって、下の世代の人たちへ引き継いでいきたいという思いがあります。

ーーじゃあそのための拠点でもある、そういう場所づくりをしていく環境みたいな?

 はい

ーー発信隊で佐藤さんにインタビューしたときにはもう決めていましたか?

 いや、まだ決まってなかったです

ーーあの時のインタビューはかなりインパクト強かったと思いますが、自分の場所で色々やりたいって。そういうことって影響受けましたか?

↑↑↑佐藤さんの熱いお話しはこちら

 ノリさんの影響は大きかったと思いますね。インタビューのときとか 、4 月末からレストランURATIE でお手伝いとか修行をさせてもらったんですけど、見てて「かっけえな」って思いました(笑)



1番の動機はトコムロラボ!先にカフェやって食事出してたし(そのお仲間の)モリケン(森健太さん)や小松(小松輝さん)とかが浦幌出身でもないのに、地域おこし協力隊で浦幌に来て、自分で会社作って、浦幌でやってる。それなのに地元の俺がやんねーとダメでしょ!ってなって。あいつらでもできるなら俺も絶対できる!って思ってそういういう気持ちでやりました。

~佐藤紀毅さん#2 URATIE 開店秘話より~


焦りみたいな感じ?いきなりカフェつくって。ほんとは…俺もちょっとやりたかったのに悔やしいって(笑)絶対負けたくないって。トコムロさんがどう思ってるか知らないけど、俺はもう1人で勝手にバチバチでやってる(笑)でも切磋琢磨していかないと盛り上がらないんで、いい意味で。

~佐藤紀毅さん#3 バチバチ?!より~

 インタビューの時の言葉が結構染みて、まちづくりイコールみんなで協力してっていうのを僕は思っていましたけど、ノリさんはバチバチ切磋琢磨しながらまちづくりをしていこうって。そういうのは今まで考えたことなかったのですげえなあって思いました。

ーー幹太さんもその「バチバチ」の中へ入っていくんですね?(笑)

もうバチバチですね(笑)

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ーーお店をやってみて浦幌が変わって見えることはありますか?

 今まで出会わなかった方々もたくさん話しかけてくれたり、出会うきっかけが増えたと思います。それは「かし和家」のお店に立たないと出会わなかったことなので、町民だったり町外の人と出会うことができたので環境が変わっていろんな出会いがあったのかなって思いますよね。

ーー客商売ってそうですよね、町の人に詳しくなるから。私の親もそうです(笑)

あっ!なんかそんな気がします(笑)

ーー開店から1ヶ月たっての感想と、これからの意気込みを。まず感想からどうぞ。

 さっきも言ったかもしれないんですが「かし和家」が浦幌の人からどんだけ愛されてたのかっていうのをもう日々びしびしと…(笑)町の人に「ありがとう」って言ってもらえて、(お店を継いで)「ありがとう」って言ってもらえるってすげえなって思いました(笑)。「頑張ってね」とかもめちゃくちゃありがたいですよね。結構そう言ってくれる方たくさんいるので励みになります。そうやって言ってもらえるのは「かし和家」の歴史があってこそだと思います。94年間、浦幌町で唯一のそばやさんでここまで続けてきたのはあらためてすごいなって思いました。中に入らせてもらって作業している中で、声を掛けてもらう中で、すごく感じてるところはありますね。

ーー調理場の中に居ても伝わってくると

はい

ーーでは最後に残りの「かし和家」営業への意気込みをお願いします

 この期間は嘉一さんやスタッフさんの教えをフルに吸収しまくって、そこから吸収した先に自分でどうしたいかっていうのをちょっとずつ考えていけたらいいなって思っています。今はそばを折るところだったり料理を作るところだったり、接客だったり、経営をしていくっていうところだったりとかを勉強して、頭をパンパンにしながら(笑)今までもあっという間だったので、10月12日まで一瞬で終わると思うので、一日一日を大事にしながらやっていけたらいいなって思います。

ーー今日は忙しいところありがとうございました。これからの営業も頑張って下さい

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↑↑↑今回取材を手伝って頂き、美味しそうな素敵な写真を撮ってくださった地域おこし協力隊の上野さんも一緒に発信隊のポーズ!
(左から近江さん、山岸さん、上野さん)

ーー「かし和家」94年の歴史を受け継いだ近江幹太さんはまだ20歳になったばかり。ですが「かし和家」の歴史を「受け継ぐ」だけでなく、自分が上の世代から感じた浦幌への熱い思いを、次の世代へ「引き継ぐ」ことも考えていて、そんな近江さんを素直に応援したくなりました!
「町の人が応援してくれる」とおっしゃっていましたが、それは「かし和家」の歴史とともに、近江さん自身の心意気が伝わっているからかもしれません。

Photo  by yuiko_photocco ありがとう😉👍️🎶

かし和家よりお知らせ↓↓↓

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