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行徳には神輿渡御とハロウィン仮装行列がいっぺんにやってくるカオスな日がある

緊急事態宣言も全て解除になりましたが、飲食店の時短解除とは異なりイベントのほうはまだまだコロナ禍前通りというわけにはいかなさそうです。
そのため大勢の観衆が見込まれる規模の祭りは今秋も再開は難しい様子。
わが町市川市の行徳地区でも秋祭りはことごとく中止です。
町内ごとに3年および4年に一度の本祭で神輿渡御を行う地域柄、昨年催すはずだったところも今年催すはずだったところも全て中止となったおかげで、コロナ禍明けたら一斉に本祭開催となりそうで担ぎ手不足の懸念も。
実際にはそのときになってみないとわからないですけどね。

今回の投稿は行徳の秋の風物詩、行徳まつりと行徳ハロウィンについて。
リアルな祭り体験が難しい今、趣の異なるふたつの祭りが同時併催されてしまった混沌をnoteの場で振り返ることにします。

行徳と神輿の関係についてざっとおさらい

いまや東西線沿線の地味なベッドタウンと化した行徳もかつては製塩業で繁栄した町。
成田山新勝寺などへ向かう途中の宿場町としても発展し、塩や人を運ぶ江戸川の水運も発達したことから、江戸時代には江戸近郊の重要拠点としての地位を築いていました。

また製塩業の発展とともに寺社建立も盛んに行われ、行徳千軒百軒と称されたほど多数の寺社が立地するように。
付随して寺社仏閣や神仏具を製造する宮大工や仏師が集結し、神輿も製造されるようになったことにより、やがて神輿製造の一大産地へと発展したのです。

全国にある神輿の4割が行徳産といわれるほど神輿づくりが盛況な行徳ですが、平成初期までは三家あった神輿店も現存しているのはひとつだけ。
唯一現存する中台製作所には行徳神輿ミュージアムが併設されていますので、行徳神輿に興味のある方は見学されてみてはいかがでしょうか。

神輿のまち行徳と行徳まつり

さて前置き長くなりましたが、行徳が神輿づくりが盛んな街であることは、ベッドタウン化した地元でも案外知られていないものです。
ここ数年「神輿のまち行徳」を軸に街のブランディングを図る行徳。
東京タワーやフランスでの対外的PRもさることながら、地元住民向けのPRにも積極的です。

行徳まつりは行徳民が行徳神輿に親しむことができる最大のイベント。
21世紀初頭に市川市民まつりが行徳地区で開催されなくなったのを機に、行徳独自の祭り開催の機運が高まったのがきっかけで2004年の初開催から続いている祭りです。
いちばんの見どころは行徳と江戸の2種類の担ぎ方による2基の神輿渡御。
白装束に身を包んだ男衆24名による独特の担ぎ方「行徳もみ」と、おなじみ法被姿の大人数で賑やかに担ぐ江戸担ぎ。
とくに行徳もみは随所に織り込まれる「地すり」「さし」「ほうり」といった見せ場が必見です。
動画で両者比較。行徳もみは「さし」の終盤から「ほうり」にかけて。

かたや行徳ハロウィンは2015年より開催された新しい祭り。
行徳まつりと時を同じくして、行徳駅前の商店街をフィールドに仮装行列や仮装コンテスト、屋台や抽選会などと華やかな内容です。

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こうして2つの祭りが同時開催された結果…。

そして和洋や宗教を逸脱したカオスな一日が爆誕

まずは同時開催初年度の2015年のレポはこちらになります。

いやぁ~、ハロウィン仮装コンテスト会場の背後で神輿が宙を舞うとは、なんてシュールな空間なのでしょう。

そしてコロナ禍前最後の開催となってしまった2019年のレポはこちら。

いちおうそれぞれの祭り会場やパレードの時間帯は分かれているのですが、なにせ祭り会場は目と鼻の先、同一日時で繰り広げられるわけですから混沌としないわけがない。

仮装の歌い手と法被姿の担ぎ手が一緒くたに盛り上がる(2016年レポより)

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プロレスも仮装じゃないかと言われれば(2018年レポより)

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不謹慎かもしれませんが、このごった煮感覚こそが日本を象徴するものではないかと思います。

行徳という街は住民の国籍が100ヵ国以上にも及ぶといわれる多国籍タウン。
2018年からは行徳まつり会場に国際交流エリアが設けられ、各国料理の屋台や民族舞踊の披露などこちらも賑やかに。

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ベッドタウン化により新住民と外国人が増えた現代の行徳は、国内外の多様なルーツを持った人々が集まった街。
神仏や和洋を超越した祭りの光景はカオスではありますが、たいへん行徳らしく、また行徳でないと生みだされなかったともいえますね。

コロナ禍により遠ざかる光景。2022年はいかに…。

そんなカオスな行徳まつりと行徳ハロウィンですが、コロナ禍とあっては以前のような形では開催できず、2年連続で行徳まつりは中止、行徳ハロウィンはオンラインでのフォトコンテスト開催になりました。

残念ながら行徳まつりは中止となってしまいましたが、代替イベントとしてスマホアプリを用いたスタンプラリー「行徳神社めぐり」が昨年に続き今年も11月3日に開催予定です。
行徳地区の神社や神輿ゆかりのスポットを巡るこのイベント、密にならず楽しめるとあって、昨年は景品のマスクが早々にさばけてしまうほどの人気。
今年は景品増やして対応するそうなので、私も昨年のリベンジ挑もうと思っています。
2020年の様子はこちらのレポで雰囲気つかんでいただければと。

来年は祭りが再開できるかな…コロナ収束を願うばかりです。

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