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行徳神輿を見るために台湾へ二度も行ってしまった話

気づけば前回から半年以上経ってしまったnote投稿。
年明け早々に再び緊急事態宣言発令なんて、感染拡大防止のためとはいえ気が滅入るばかりですよ。

そんな先行き不透明な2021年の始まりですが、私のとりとめのないnoteでも見ながら、ろくに外出できないモヤモヤをほんの少しでも紛れることができた方がひとりでもいれば喜ばしい限りです。

今回は地元ネタのために海外渡航してしまった話を投下いたします。

行徳神輿に台湾が何の関係あるの

ブログのネタはないかと地元情報集めに執心している私ですが、それと同じぐらいの情熱注いでいるのが台湾情報集めと台湾旅行であります。
最初に旅した2011年以降すっかりはまって渡台すること12回。
コロナがなければ今年も最低2回は訪れていたはずです。

さて遡ること6年前。
台湾に通い始めて間もなかった頃に、偶然こんな記事を見つけてしまいました。
「中台製作所 台湾の寺院に神輿奉納」

行徳のシンボル神輿が海を渡って大好きな台湾に運ばれた。
異国の地でどのように受け入れられているのだろうか。
こりゃブログのネタにしないわけにはいかないっしょ(誰得)。

台湾行きの口実ができて歓喜したのも束の間、このニュースに関する他の情報が全く見つからず膠着状態。なにしろ日本語の情報が皆無でしたから。
結局行徳情報ブログ初の海外取材が実現されるまで2年の月日を費やすこととなりました。

神輿見に行ったはずがアイアンマン詣してた

↓その時のブログ記事はこちらになります。2017年2月某日の台南市。

念願叶って行徳神輿が奉納されている台南市のお寺へいざ向かわん。

台南といえば台湾きっての古都であり、インスタ映えするレトロな街並みと小吃(シャオチー)とよばれるB級グルメの数々が魅力的な人気の観光地でもあります。

しかしこのときの目的地は台南市街から離れた山中の寺院。
台南駅からバスを乗り継がなければたどり着けない場所です。
いくらバスアプリや路線図があるとはいえ、どの路線を乗り継げばいいのか日本語の情報皆無。
しかも時刻表によると乗り継いだ後のバスの本数が日に7本しかない(2017年2月時点)というからまさに旅路はギャンブル。
台南到着の前から心の中でずっと冷や汗かいてましたよ。

それでもまあなんとかバス乗り継ぎミッションもクリアし、プレッシャーから解放された異様なテンションで行徳神輿とご対面!

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拝殿の隣、宝物殿的な義徳館の好ポジションに飾られた中台祐信作の行徳神輿。
一尺八寸の延屋根型白木神輿、もちろん新作です。
凄いですねー、海を渡った異国の地で行徳神輿と出会えるんだから。
中国語で何書いてあるかさっぱりわかりませんが、行徳神輿や中台製作所について紹介されていると思われる説明書きも添えられていました。

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保存状態の良さは確認できたものの、担ぎ棒どこ行った⁈
代わりにいかにも中華的な台座に載せられています。
確か中台製作所社長が現地で行徳担ぎを指導したはずですが、祭り動画から推察すると神輿を肩に担ぐ文化は現地で受け入れられなかった模様。
(終盤の38:55あたりから登場します)
祭りでは台湾の神様がお入りになってるのだろうか。

ところでこのお寺、日本じゃ考えられないものが祀られています。しかも大量に。

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マーベルヒーロー大集合!!軽く10体はいるぞ!
バージョン違いのアイアンマンだけで何体いるんですか⁈
超人ハルクや風神ソー、トランスフォーマーの面々も拝殿に陣取っています。
これらは信心深い信徒の方による寄付の賜物だとか。
こういうものを奉納してしまう大胆さもさることながら資金力も…。
台湾のカオスな自由さを全身で体感したひとときでした。

二度目の行徳神輿はノスタルジックニッポンな町で

それから4か月後の2017年6月。
台南のカオス寺院の衝撃の余韻が残っていた時期に、再び台湾で行徳神輿を見る機会にありつけました。
今回は奉納ではなく、日本の伝統木工紹介展に展示されている期間限定のお披露目です。

↓その時の記事はこちらになります。

このときの展示場所は国際空港のある桃園市の郊外、大渓という町。

6月上旬の台湾北部は日本の夏みたいなもの。道端には伸びきった猫多数。

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ここは川の水流を活かした資材運搬と木工業により栄えた町で、日本統治時代の痕跡が多数残されているノスタルジックさが魅力。
和風の木造建築物が点在し、神社の名残らしき参道や灯篭もある不思議な町。
このときはまだ建設中でしたが後に土俵も再建されました。
老街とよばれる商店街もレトロで素敵。

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現地の日本伝統木工紹介展で展示されていた行徳神輿がこちらです。
違和感なく溶け込んでいるのは日本統治時代の武道場だった和風木造建築物との調和によるものでしょうか。
台湾版神輿の神轎(スンキャオ)との比較もできる親切展示(カバー写真参照ください)。

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台湾人には観光スポットで知られる大渓ですが、日本人にはあまり知られていないのが惜しまれます。
ブログの記事にてノスタルジックニッポンの街並みを紹介していますので、台湾の歴史の1ページに触れる意味でもぜひご一読いただけたらと思います。

世界にもっと広まれ行徳神輿!

ああ、書いてたら台湾行けない現状がますます恨めしくなってきた。
それどころかこれからしばらく近所での外食ですら難しくなりそうな予想。
しかし文句ばかり言ってどんどんネガティブになるのも良くないから、外出せずともアウトプットできる地元情報提供を心掛けるとします。

ここ数年、神輿のまち行徳を世に伝えるべく行徳内外でさまざまなPR活動が行われています。
2018年には日本を飛び出しパリ上陸。
大規模な日本紹介イベント「ジャポニスム2018」で、行徳神輿のパレードや組み立て解体実演が催されました
パリの人々の目には行徳「もみ」(行徳独特の担ぎ方)がどのように映ったんでしょうね。
神輿を通じて行徳という街の存在がより広く知られるようになるといいですね。

コロナのパンデミックが収束したら、またどこかで行徳神輿が活躍できますように。

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(おまけ)このマネキン、ノスタルジックタウン大渓で見かけたんですが、私台湾のこういうとこ大好きなんです。笑顔が怖いよ…。


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