見出し画像

2050年、千葉県や浦安市の人口はどうなっているか⁈~将来推計人口データの分析~

国立社会保障・人口問題研究所が公開した「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」の千葉県のデータをもとに、県内市町村の今後の推計人口を分析してみました。


将来推計人口とは

国立社会保障・人口問題研究所では、「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」を公表しています。
この推計は、将来の人口を、都道府県別・市区町村別に求めることを目的としたもので、令和2(2020)年の国勢調査をもとに、令和32(2050)年までの5年ごと30年間について、男女・5歳階級別に推計されています。
今回は、公開されている千葉県のデータを使用し、データ内で集計されていた「0-14歳」「15-64歳」「65歳-74歳」「75歳以上」の4つ区分をもとに、各市町村の状況を確認していきます。

2030年には、千葉県全体で58万人も減少

まずは、千葉県全体の2025年から2030年の将来推計人口を見てみましょう。
推計では、2025年は625万人、2040年には600万人を割り込み、2050年は569万人となると見込んでいます。
2023年12月1日現在の県人口が6,274,510人ですので、なんと58万人も減少することとなります。県内2位の人口の船橋市が約64万人ですから、大規模な街が1個消滅してしまうほどの減少数となります。

千葉県将来推計人口

世代別の構成比を見てみますと、0歳から14歳は約11万人減の0.9%マイナス)、15歳から64歳は約70万人減の6.3%マイナスとなります。
一方、65歳から74歳は約6万人増の2.1%プラス、74歳以上は約20万人増の5.1%プラスとなります。
2050年には、65歳以上が全体の13.6%、75歳以上が全体の22.0%、併せて35.5%となり、3人に1人が65歳以上となります。

2025年と20205年の世代別構成比

人口が半分になるまち、人口が増えるまち

次に、県内54市町村のそれぞれの2025年と2050年の人口推計の増減を見てみます。
多くの市町村が人口減少することとなりますが、特に人口減少数が大きい、また減少率が大きい市町村は、次のとおりです。
なんと、長柄町や鋸南町は、人口の50%も減少する推計となっています。

【人口減少数が大きい市町村】
千葉市 ▲73,908人(減少率  ▲  7.61%)
市原市 ▲52,515人(減少率  ▲20.20%)
佐倉市 ▲29,483人(減少率  ▲17.84%)
香取市 ▲25,882人(減少率  ▲38.93%)
銚子市 ▲24,309人(減少率  ▲45.80%)
【減少率が大きい市町村】
長南町   ▲50.56%(減少数 ▲  3,268人)
鋸南町   ▲50.17%(減少数 ▲  3,110人)
九十九里町 ▲45.87%(減少数 ▲  6,109人)
銚子市   ▲45.80%(減少数 ▲24,309人)
長柄町   ▲44.96%(減少数 ▲  2,759人)

一方、このような中、人口が増加する推計となった市もあります。
流山市、すごくないですか。
【人口増加する推計の市町村】
流山市 24,171人増(増加率  11.12%)
印西市 10,281人増(減少率    9.39%)
柏市    434人増(減少率    0.10%)

これらの各市町村の人口増減数や増減率をまとめたサイトを作りました。
パソコン用に画面を設計したため、スマホの縦画面では見づらいかもしれません。パソコンかタブレット、スマホ横画面での閲覧が推奨となります。

将来推計人口_人口増減データ  

6割以上が65歳以上となってしまうまちも

もう少し細かくデータを見てみようと、各市町村の世代別の推計人口も整理してみました。
先ほど、2050年には人口の半分も減少してしまう長南町や鋸南町では、2050年の世代別構成比をみると、65歳以上が住民の6割となる見込みとなっています。

長南町の世代別将来推計人口(2025年と2050年)

各市町村の世代別の将来推計人口の推移や構成比をまとめたサイトを作りました。
パソコン用に画面を設計したため、スマホの縦画面では見づらいかもしれません。パソコンかタブレット、スマホ横画面での閲覧が推奨となります。

将来推計人口_各市町村詳細データ

気になる浦安市の将来の人口は?!

浦安市の将来推計人口を見ますと、2025年は172,942人、2030年は172,024人、2040年は168,969人、2050年には163,769人となっています。約9,000人(▲5.3%)が減少する結果となりました。
浦安市の2023年11月末現在の人口は、170,802人(住民基本台帳人口)です。将来推計人口は、国勢調査の人口数をもとに推計しているため、単純比較は正しくないかもしれませんが、2050年には、現在の人口から約7,000人が減少することとなります。

浦安市将来推計人口

世代別の構成比で見てみますと、2025年では65歳以上の割合が全体の20%となっていますが、2050年では30%近くまで増加します。一方、15歳から64歳までの世代は、70%から60%へ減少しています。
「若いまち」といわれている浦安市でも、2050年には「3人に1人は65歳以上」という状況が訪れることとなります。

浦安市の世代別将来推計人口(2025年と2050年)

人口減少と超高齢化社会に備えて

いかがでしたか。
今回の将来推計人口を見ますと、千葉県や浦安市においても、「人口減少」と「超高齢化社会」が、確実にやってくることが見込まれます。
お客さんも働く担い手も減る中、これまでの仕事に加え、高齢者向けのサービスや商品は増え、仕事量は増加し、従業員1人あたりの負担は増えるかもしれません。また、社会保障費は増え、税金や自己負担が増額となることも想像できます。
これらの課題の解決の糸口の1つとして、「デジタル化」「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」が考えられます。
シビックテック・ウラシマでは、引き続き「デジタル化」「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」に着目しながら、地域研究や地域活動に取り組んでいきたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?