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原動力は「悲観」ー。飲食業界の未来を切り拓く、イスラエルから来たエンジニア

株式会社TableCheck(以下、テーブルチェック)は、飲食店向け予約・顧客管理システム「TableCheck」と、ユーザー向け飲食店検索・予約ポータルサイト「TableCheck(以下、TableCheck)」を提供する日本発のITスタートアップ企業ですが、それらのサービスを日々支えているのは世界各国から集まった個性豊かすぎるメンバー。(2020年3月現在18か国籍!)そんな彼らの魅力をみなさんにもお伝えしたくて、noteで【メンバーインタビュー連載】をスタートしました!外国人スタッフ多数の職場ってどんな感じ?スタートアップ企業ってどんな人が集まっているの?魅力は?やりがいは?苦労は?などなど、彼らの多様な視点を通じて、お届けしてまいります!

今回は、この人!テーブルチェックが誇る“データの守護神”、イスラエル出身のオーマー!
2015年の入社時、初のプロジェクトはガラケー用ウェブサイトのUI見直しだったと話すオーマーは、テーブルチェックを初期から支える長老的存在。自分のことを「怠惰」で「悲観的」と笑うオーマーにインタビュー!

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ネットで見つけた日本の職、"Anime"が導いた新たな道


ー まずはじめに、プリンシパル・デベロッパーとしての仕事内容を教えてください。

POS連携など、外部システムとのAPI連携や統合を実装するために、さまざまな開発・保守を行っています。例えば、TableSoluitonは国内外23*のPOSシステムとの連携が可能ですが、POSシステムを通してTableSoluitonに蓄積される飲食データなどが、飲食店でのおもてなしや販促に活かされることによって、お店だけでなくエンドユーザーにもより良い価値を提供することが可能なります。(*2020年3月時点)

― 飲食店のデータ活用を推進しているんですね。

日本の飲食業界でも、システム導入の拡大が追い風となり、データ活用に注目が集まっています。入社当時は開発の初期段階だったPOS連携も、今ではTableSoluitonの代表的な機能の1つとなり、飲食店に多くのメリットを提供できていると思います。

ー 4年経って、会社も大きく変化を遂げているんですね。

入社時は、谷口さんジョニーなど数名しかいなくて、エンジニアはジョニー1人だけでした。今では国内外117名*のメンバーがいるので、当時の約12倍!私自身、これまでのキャリアで一番の「大企業」ですね!(*2020年3月時点)

― テーブルチェックに入社する前はどこで働いていたんですか?

母国のイスラエルで働いていました。大学卒業後、イスラエルの大手インターネット関連会社に入社。ソフトウエアエンジニアとして、サムスンなどのウエブサイト開発を行っていました。その後、BtoCの中古品売買サービスを提供している会社に1人目のエンジニアとして入社し、エンジニアとしての経験を積みました。

― その後来日。そもそも、どういう経緯でこの会社を見つけたんですか?

ネット検索です!そもそも昔から、文化的に魅力のある日本で働きたいという想いがありました。あとは、面白い技術を持った会社に携わりたいとも思っていて、ネットでベスパー(テーブルチェックの旧社名)を見つけた時、ピンときました。実は、別の日本企業でも面接が進んでいたんですが、ジョニーが初回面接からたった数日で内定をくれたこともあり、入社を決めました。彼の知的で落ち着いた雰囲気も魅力でしたね。

― 日本語はどうやって勉強したの?

学校で教わったことはありません。同僚や友人との会話や、日本のアニメを通じて練習し、日本語検定3級に合格しました。仕事中も、日本語で話した方がいいかなと思った時は、日本語に切り替えて話すようにしています。

― 奥様も一緒に来日されたと聞きました。

妻は、私と同じくイスラエル出身なんですが、昔から一緒に日本に行こうと話していました。妻は、来日前に英語の教員免許を取りました。今はフリーランスで翻訳の仕事をしています。一緒にキャリアプランを形成できているのが、とても嬉しいです。

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イスラエルにいた頃からの生粋のカメラ小僧(Tシャツの英語にご注目w)

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美しい日本の風景もお気に入り。群馬県宝川温泉に訪れた時の1コマ📷

まだそこにない、新たな価値を生み出すエンジニアに


― 入社して最初のプロジェクトを覚えていますか?

確か…ガラケー版予約サイトにあるサポートフォームのUI改善だったはずです。時代を感じますね(笑)日本の就労ビザが下りるまでの5ヶ月間は、イスラエルから働いていました。時差はありますが、それが原因で苦労した覚えはありません。何しろ、当時は、日本で働いているジョニーがいつも遅くまで働いていたので…。イスラエルと日本の時差は約7時間あるはずなんですけどね(笑)

ー 2015年というと、まだまだサービスリリース初期ですよね。まだまだ手探りの部分もあり大変だったのでは?

思い出せないほど色々ありましたね!せっかくなので、その当時苦労したエピソードを2つお話しさせてください。
1つ目は、POSシステムとの連携開発の時の話です。今では、特にホテルクライアントにとって、重要なセールスポイントとなっている機能ですが、2016年までは存在しませんでした。ホテルクライアントを中心に「顧客データとのつなぎ込みがしたい」という依頼が立て続けにきたこともあり、本格的に連携開発に着手することになりました。

― 特に大変だったポイントは?

POSシステムごとに連携するための仕様が異なるのですが、一部のPOSシステムで、プログラミング言語の対応がとても難しかったんです。頻繁に使われるプログラミング言語は、オンラインに"フォーラム"と呼ばれる「情報交換の場」があって、色々な知見が共有されているのですが、とある言語に関してはそれが存在しなかったんです。代わりにあったのが、なんと3,000ページものぶ厚い説明書…。他に方法もないし、意を決して1から読み進めました。他の業務も並行しながらだったので、約1ヶ月かかりました。今思い出しても相当ハードだったけれど、今では1,000店以上の飲食店にご利用いただく機能に成長しました。

― 今やTableCheckを代表する機能となっている「POS連携」にそんな誕生秘話があったなんて…!さっそく、2つ目についても聞かせてください。

少し専門的になりますが、2つ目は「エラスティック・サーチ」と呼ばれる、検索エンジン向け技術の習得です。今では様々なサービスに使われていますが、学び始めた当時はまだ新しい技術でした。エラスティック・サーチの長所は、一般的なデータベースの検索と比べて高速で詳細検索ができること。ただ、とても細かくコマンドを入力しないといけないのが、大変なポイントでした。

― TableCheckではどんな風に役立っているんですか?

例えば、来店客の行動を詳しく分析するのに活用されています。「先週来店して、魚料理を注文した、ジョンという名前の、お客様」のように、検索条件を細かく指定することができます。現在では、エンドユーザー向け予約サイト「TableCheck」でも使われていますよ。

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データ分析ツール「Insight」(’20 3/2提供開始)の開発にも携わっている

原動力は「悲観」!?


― 3,000ページのエピソードと言い、とても勤勉な印象を受けました。

とんでもない!私自身は、怠慢なエンジニアですよ。でも怠慢だからこそ、完璧さを追求し過ぎず、アジャイルな進め方ができます。誰でも、全身全霊120%の力で取り組んで、あとからすべて台無しになってしまったら落ち込みますよね。

ー アジャイル型開発は、最近日本でも注目されていますね。

とは言え、エンジニアの中には完璧主義者も多いですよ。一点の曇りも無いコードを書こうと一生懸命になることも大切かもしれませんが、「スピード」も大事。とはいえ、1人で両方を兼ね備えるのは難しいので、チームとして、両方のタイプを置くことがコツではないでしょうか。

― そんなオーマーの原動力はなんですか?

私の背中を押してくれるのは…実は、「悲観」なんです。人生においても、仕事においても、私は悲観主義者だと思っています。正直、プロダクトを全員のニーズにフィットさせるのは無理だと思っているんです。でも、そうして開き直っているからこそ、どんな依頼や要望がきても期待し過ぎずにいられます。自分が開発を担当した機能をまったく使わなくても、上手く回るお店だってあるのを知っているからです。

ー 悲観的になれるからこそ、より現実的な視点で開発に向き合える、ということですね。

開発は、世の中にまだ存在しない新たな価値を生み出す仕事でもあるので、お客様からの要望は驚くほどボンヤリとしていることもー。でも、それを生かすも殺すもエンジニア次第。曖昧なアイデアを前に、頭を捻るのも楽しいんです。それらに命を吹き込む行為こそ、開発者の醍醐味です。

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X JAPANを愛する、大のロック・メタルファン(前列真ん中)

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オーマーのプロフィール

■出身地:イスラエル ハイファ地区近くの村
■趣味:一番興味があるのが音楽。ロック、メタル、ヴィジュアル系が好きで、週に2回以上コンサートに参加することも。昨年夏には「ロッキン・ジャパン」に参加。その他、アニメと漫画も好きで「蟲師」がお気に入り。

お気に入りのレストラン🍴

イスラエルにいた頃は、家の近くにあるフムス(ひよこ豆ペースト)のお店がお気に入り。日本では、奥様と「すたみな太郎」に行くことが多いそう。でも一番好きな食べ物はピザ。(笑)自宅では、“料理長”として腕を振るうことも多いそうで、シュニッツェル*は絶品とのこと!
*一般的には「子牛のカツレツ」を指す。イスラエルの他、ドイツ・オーストリアなどでよく食べられる

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オーマー手作りのHummus(フムス)。ひよこ豆を潰し切らないのが伝統的な作り方とのこと

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次回は…?タイオフィスの敏腕カントリーマネージャー・ポーンシワが登場!ぜひお楽しみに!

【利用満足度No.1】飲食店・レストランの予約顧客管理システムなら「TableCheck / テーブルチェック」


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