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STAR FLEET PROJECT / BRIAN MAY&FRIENDS 雑感

1983年リリース。邦題「無敵艦隊スター・フリート!」

Queenのギタリストであるブライアン・メイのファーストソロミニアルバム。ジャケットとタイトルだけ見たらまさかブライアン・メイの作品とは思いもよらないですよね。しかもファーストソロがこれって。良いなぁ。

一応本人はブライアン・メイのソロというより友人たちとのユニークな企画のレコードという風に言ってますが。タイトルが「スター・フリート・プロジェクト」というのもつまりそういうことでしょう。
その友人たちがまたすごいメンツなのですがまずは気になるジャケットとタイトルの謎から。


「スター・フリート・プロジェクト」というカッコいいタイトル。今作は当時イギリスで放送されていた特撮人形劇「スター・フリート」をブライアン・メイの息子が大好きでそれを一緒に見てたメイが「この番組のOPの曲をハードロックっぽくやったら良さそうだな」と考えて友人を呼んで録音されたもの。ジャケットのロボは作中に登場する「ビッグダイX」。カッコいい〜。
そんな経緯で録音された今作ですので帯の煽りもその世界観に則した絶妙にダサカッコいい文言で好きなんですよね。

ちなみに「スター・フリート」は元々1980年から81年に日本で放送されていた特撮人形劇「Xボンバー」がイギリスに輸入されて名前を変え放送されたもの。原作とキャラデザは永井豪氏で監督や脚本にウルトラマンや仮面ライダーに携わった方々が名を連ねているのですが当時はあまり人気が無かった様子。残念。


とはいえ「サンダーバード」という特撮人形劇の金字塔を打ち立てているイギリスでは普通に大人気だった様子。そんなワケでブライアンからこんなんどう?とアイデアを送られた友人たちも面白がって参加したんじゃないかしら。


そんでその友人たちは誰かといえば当時REOスピードワゴンでドラムを担当していたアラン・グラッツァー、ジェフ・ベックやロッド・スチュワートのバンドに数多く参加しているベースのフィル・チェン、Queenのツアーサポートメンバーであるフレッド・マンデル。
そしてなんといってもヴァン・ヘイレンからエディ・ヴァン・ヘイレンが参加しているのがこの作品の全てでしょう。ブライアンとエディの髪もじゃギターヒーローの共演なんて最高でしょう。ちょっとだけQueenのドラマーのロジャー・テイラーもコーラスで参加してるのが嬉しい。

確か今作はそもそもがプライベートセッション的なノリで集まって録音されたものでリリースするつもりもなかったようですがこのメンツで音出してそりゃもったいないから出しなさいよと他の友人に言われてリリースしたようです。そりゃそうだ。

友人ではあったけど一緒にプレイしたことがないエディとの共演ということでブライアンは相当緊張したようですがライナーに数枚載っているスナップ写真からは楽しそうな雰囲気が伝わってよろしいですね。ブライアンの愛機レッドスペシャルとエディの愛機フランケンシュタインが並んだ写真もなんかグッとくるなぁ。


なんか内容書くまでに長くなっちゃった。まぁブライアンとエディ2人のギター聴けるので良いぞという事以外特に書くこともないのですが。

というわけで今作に収録されているのは3曲。邦題で書こう。

A面1曲目は「無敵艦隊スター・フリート」。特撮人形劇のOPをハードロック調でということでケレン味溢れる仕上がりに。宇宙的スケールを感じさせる音の広がり方がツボ。ハードロックと宇宙的ということでマクロス7とか好きな方には良さそう。そもそもマクロス7で歌バサラをやっている福山芳樹さんを個人的に和製ブライアン・メイ(髪型含む)と思ってる私なので合うと思うのは当然。

2曲目「時空を超えて・・・」からは一転してブルース色の強いものに。ブライアンの昔の曲らしいこちらを2人がギターソロを回しながら弾き倒すのですがカッコいいですよそりゃ。曲全体の雰囲気はプライベートな感じもありなんか牧歌的なものを感じて良い気分。

3曲目はB面丸ごと使って延々と2人のギターバトルが聴ける「ブルースの戦士」。曲カッコいいのに邦題ダサいのはスター・フリートの世界観に合わせすぎ。そんで曲を聴くというか5人のジャムを覗き見している感覚。それがとても良いのですが。元々リリースするつもりなかったということなのでミックスとかもそんなしてないんじゃないのかなという感じの音でそれがより生々しくて良い。ギターソロを回していく中でそれぞれのプレイを聴いてこんなんどう?とお互いお返しをしていく感じが私は大変好き。まぁそれがそもそもジャムの楽しさなんですけどこの2人がそれやるなら格別。結構フレッドのピアノも目立つポイントあって良いんだよなぁ。



なんかムダに長くなった気がする。ジャケットとタイトル見ててっきり珍盤かと思われた方も一度聴いてみたら楽しいかも。このメンツは伊達じゃないですね。


それではー。

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