セピア色のフィルター
梅雨はまだかい?
最近は夏が早く来てしまったかのように
暑くて、太陽が照りつけてくる日が多い。
徒歩出勤のわたしは
眩しさから目を守るために
日差しが強い日はサングラスをする。
サングラス。
それをかけると、今まで見ていた景色がガラッと変わって見える。
セピア色のフィルターをかけたわたしの世界。
太陽もまぶしくないから、勝ち誇った気持ちでサングラス越しに太陽を見つめてみる。
けれど、逆に、
今まで見えていなかった、わたしが見えていなかった景色が、目の前には広がっていて
何故か急に泣きたくなって、
思わず目を逸らした。
太陽が、雲に隠れた。
自分の影は薄くなり、わたしはもう一度、サングラス越しに太陽を見つめてみる。
雲のなかで、太陽の輪郭がハッキリ見える。
隠れても、隠れても
ここにいるよ、と伝えてくるようで。
サングラス。
それはわたしを違う世界に引き離してくれる。
セピア色のフィルターから、
またわたしは、自分が見ていなかった世界を見ることになる。
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