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翳りの美学

昨年から読書にハマってしまった私。

やはり、語彙の多い大人はカッコ良い。
私も語彙を増やさなければ。
そう思ったからだ。


様々な本を読むのだけれど
今日は谷崎潤一郎の陰翳礼讃を読んだ。

谷崎潤一郎作品は過去に
痴人の愛
春琴抄
を読んだことがある。

この陰翳礼讃を読むと
谷崎の持つ「美しさとは」というものが
手に取るように伝わってきた。


日本の美学。
独特の暗さ、翳り。

その翳りがあるからこそ
深みを増す、器や空間や食材。


私たちは当たり前に明るい空間で過ごしているわけだが

自然に入り込む陽のあたたかさや
部屋の奥にある静けさや

そんなものを 美しい と
感じられる余裕さえなかったのかもしれない。


この本を読み終わったあと、
谷崎の言う通り、電気を消し
静かな空間に身を委ねた。

夕方の薄暗くなった部屋の中。
私の住む家は少々古い。
けれどそんな翳りのなかであたたかみをもつ襖や障子の柔らかさが、じんわりと心に染みた。

こういうことを伝えたかったのだろう、谷崎は。


陰翳礼讃を読んだら
一気に景色が違って見えるようだ。

現代人にも通ずる。
今の私たちには翳りが必要だ。

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