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【学科】茅野市民館

前回からの続きです.
~↓↓↓1分で解説!YouTubeショート動画↓↓↓~


Google Earthより

茅野市民館(長野県茅野市,2005,古谷誠章(のぶあき))は,大ホールとしての劇場,小ホールとしての音楽ホール,美術館.図書室などを有する文化複合施設である.JR茅野駅に直結しており,公共建築が駅と直結されるという大胆な構成と,スロープ状の細長い廊下が駅のホームと平行に伸びて,ロビーへとアクセスする.

画面右下の跨線橋から茅野駅へと直結する
マルチホールでは,ステージと客席の位置を自由に変更できる

そのスロープに沿って,段上に図書室空間が配置されている.一定の間隔で設けられたスロープの踊り場部分から図書室へとアクセスする(コチラ).図書室は,駅から一番近い場所にあるため,電車の待ち時間などちょっとした待ち時間を使って,気軽に利用できる.

図書室の風景(左側のスロープ越しに茅野駅のホームが,右側には芝生の広がる中庭が見える)

周辺地域の施設が大ホールをクラシック音楽専用,小ホールを可変型としているため,それらと相互補完的に働くよう,大ホールを客席可変型の多目的ホール(マルチホール),小ホールを音楽専用としている.

中庭からロービをみる(左側にはスロープ棟(図書室),右側の2階部分に音楽ホール)

大ホールは,ステージや客席の位置を自由に変えることができ,壁を取り払えば,ロビー,中庭と一体的な空間として利用することが可能.音楽専用の小ホールは,騒音に配慮し,他の部分との干渉が最も少ない2階の奥に計画されている.

基本構想段階から地元市民が中心となり,完全公開型のプロポーザルによって設計者が選定され,設計,監理段階においても常に市民主導で行われた.

「市民一人ひとりが主人公になれる場」の理念のもと,多様な表現やアートに親しみ,文化をつくり,人々が集う地域の交流拠点となっている.


平成23年の一級建築士「学科」試験で問われた知識です.

【計画問題コード23164】正しい記述かどうか?
茅野市民館(長野県茅野市)は,各階の大空間を構成するプレートを13本のチューブが貫き,市民ギャラリー,図書館,映像センター等が複合した施設である.

平成23年に始めて出題

【解説】
茅野市民館(古谷誠章,2005,長野県茅野市)は,積極的な市民参加による構想策定,プロポーザルによる設計者選定,設計プロセスへの参加により実現した,大小2つのホール,美術館,図書室のある複合施設であり,駅に直結し,多様な空間群がロビーを介して緩やかに連続している.問題文は「せんだいメディアテーク」の特徴となっているため誤り.

【解答】× 
 次の建築作品へ続く

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