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リトルアキナイ前と後 〜なぜ、ビールを作ろうと思ったのか? Vol.2 〜

前回は「回り道の始まり」と題して、大森に戻ってくるまでの道のりを記しました。第2回は「リトルアキナイ前と後」、初めて商店街で行った企画で、これ以前、以後が今振り返ると大きいのではないかと考えています。

2013年3月に大森きてから数ヶ月、何をしてたのか。今ではあまり覚えてないのですが、また悪い癖でサボり癖でボーッとしたり、英語勉強したり、とよくわからないことばかりしてました。頭では「何かしなきゃな〜」と思っていたものの何もできず、夏休みを迎えることに。

■アキナイ山王亭を使った始めての企画

「子ども」というのはずっと頭にあって、子どもたちと何かできないかなということで「あそび道場」というのを夏休みに始めました。当時の文章を見てみると、

「自分の子どもの成長、そして親の老後の楽しみ、それを叶える場所として始動させます。イベント運営の経験もない、インターネットの仕事ばかりしてきた場末の人間がどこまで出来るか、そんな記録、軌跡をここで記していければと思っております。

僕が住む日本にはいろいろな問題があると思います。それを全て解決できるようなスーパーマンになることは無理だけど、今の環境を踏まえた上で、少しでも良い方向に持っていく挑戦くらいはしてもいいんではないかなというのが僕の気持ちです。

「遊び」というのはその人の人生を表していると思います。
そんな「遊び」をテーマに地域が活性化し(活性化と言ってもそんな仰々しいものでなく、自分の住んでいる街に少しでも関心を持つという意味で)、世代間の溝が少しでも縮まる、そんな場所にしていくつもりです。」

あんまり今と変わってないなと思いつつ、ただ商店街や近隣の家に眠っていたおもちゃをアキナイ山王亭に集めて、遊べるようにしました。合間で「かき氷」を販売し、子どもたちが来れるといいなと始めたのでした。そこそこ子どもたちが来てくれていたのですが、なんかあんまりパッとしないまま、夏は過ぎて行きました。(保健所に怒られたりもした、、)

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そんな中、何かがきっかけで、子どもたち向けの色々なイベントをやっている「asobi基地」さんに出会い、商店街で子どもたち向けの企画をやろうというプロジェクトが始まりました。夏のまだ真っ只中だと思います。

■「リトルアキナイ」誕生

ずっと悶々してたんです、何も浮かばずどうしようか考える日々。
それではラチがあかないと、商店街にある同世代の店主が当時始めたばかりの「山王カフェ」さんに相談に。なんとなく、子どもたちに職業体験的なことさせられないかなと考えていたら、

「そんなリソースなかなか作れない、これ他のお店も一緒だと思います。」

チェーン店なら問題ないかもですが、特に昔から商店を構える店ではなく、
家賃を払い、お店を営む場合、多くはほぼ一人か二人でお店を回している。
そんな中、何かのイベントで人を出すのは難しい。

ここひとつ大きいポイントが、よくある商店街などのイベントってどうしても親子でやってる長い店が理事などやりがちですが、これは人員の問題がすごく大きいのです。イベントとなると準備〜運営〜片付け、1日で住む場合もあれば準備を考えればその前から日を要する。

これ賃貸で入ってるお店じゃなかなかできないですよね。
商店街には古くからある店(ほぼ家賃がかからない)があるということを知っておくと今後も商店街で何かやりたいなって人にはいいかもしれません!

で、話は戻って、リソースがない、さてどうしようと思った時に浮かんだのが1つのシーンでした。
それは山王にある熊野神社のお祭り時に、隣のこれまた同世代の店主が始めた「六兵衛」さんが、アルバイトスタッフのお子さんに店まえでぶっかけそばを販売していたシーンで、なんかすごくいいなと思ったのを思い出したのです。

商店の商品を子どもたち(4歳〜低学年)に販売してもらったら、リアルなキッザニアができる!と思い、すぐさま他のお店にも許可を取って準備しました。

準備がある程度できて、いよいよイベントページの公開。

この日のことはきっと忘れないだろうなと思うのですが、イベント公開後、用意していた席が最速で埋まったということで、人生初の体験でした。バンドやっても、ウェブサービス作っても、ソーシャルゲームやっても、キャバクラ行っても、出会い系サイト登録しても何しても受けなかった自分が初めて受け入れられた気がしたのと同時に、こりゃ準備が大変だ。。。と思ったのでした。

そこからの話、当日までは長くなってしまうので、こちらをご覧いただくとして、結果として、これが大成功でした。

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この調子で行けば、うまいこと行くんじゃないの?と浮かれていました。

■リトルアキナイ後

この企画を通じて、「あいつ何物?」と商店街に関わる人たちから思われていた自分も、ちょっとずつ商店街、各商店、あとは同じアキナイ山王亭を利用する「みま〜も」「石巻マルシェ」さんにも仲良くというか信頼?されていき、その流れのまま、汁男優として「汁フェス」という企画を実施、これでまた自信をつけると同時に2つのことが僕を襲ってきました。

1)これまでほぼ一人で活動してきたけど、このままじゃ広がらないし、もったいない。
2)やばい3期目の売上が1期目の半分まで下がってしまい、このままじゃ生活できんぞ。

という問題でした。

そこで
1)大森コレカラカイギという団体を大森に住む人たちで作ろう。
幸いなことに、アキナイ山王亭を利用している、お子さんをもつ方に知り合えたこと、そして「リトルアキナイ」に参加していた方が大森近辺にいたことで、最初4〜5人でスタートすることができました。

2)これまでの1案件ごとに受託制作していると、なかなか売上が安定しないので、週に3日、業務委託(結果的に社員待遇にしていただいた・・)として働きながら1)の活動をしようと考えました。今考えるとこれも1つの働き方改革ですよね。

2013年、アキナイ山王亭に来た時の僕が1年で少しずつ仲間ができました。リトルアキナイという企画を一度やって、初めてリアルでアキナイをしたのは僕でした。

それまではもちろんお客さんの顔は見えていましたが、エンドユーザーの顔まで見ることはなかなかできませんでした。リトルアキナイというリアルな商売をして、目の前のお客さんが喜ぶ、うちも喜ぶ、そして社会も喜ぶ、そんなことがしたいと強く思いました。そういう意味での僕にとってのターニングポイントでした。

まだまだ回り道です、ここからなぜビールに行くのか、そこまでにもまだまだ色々なことが起こるのです。。

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