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【UPSIDER note 連続対談企画 #3】ログラス / テックタッチ / UPSIDER のPdMの赤裸々トーク「ぶっちゃけ、転職した方が良いPdMとは?」

プロダクトの責任者として、課題設定や戦略の立案、意思決定や実行までを担うプロダクトマネージャー(以下PdM)。転職市場でのPdMのニーズは高まる一方で、その役割範囲や責任範囲の広さゆえ、自分自身の強みや戦略・戦術の進め方にマッチする職場や企業を見つけることは容易ではありません。

今回は、そうしたPdMならではのキャリアについて「ぶっちゃけ、転職した方がいいPdMとは?」をテーマに、現役で活躍するプロダクトマネジメントの責任者ポジションの3名に、お酒を交えつつカジュアルに対談していただきました。

本連続対談企画では、#1 は「PdM → PdM の転職を考える#2 は「社会の変革にチャレンジする急成長スタートアップのプロダクトマネージャーキャリア」をテーマに対談いたしました。

ゲストは、前回「社会の変革にチャレンジする急成長スタートアップのプロダクトマネージャーキャリア」の記事でも対談いただいた、株式会社ログラス(以下、ログラス)の斉藤さん、テックタッチ株式会社(以下 テックタッチ)の中出さん、そして株式会社UPSIDERの森です。

前回の対談では語りきれなかった、PdMとしてのリアルな働き方や考えについても、赤裸々にお話しいただきました。

スピーカー情報

斉藤 知明(Tomoaki Saito)@tomosooon
株式会社ログラス 執行役員 VPoP。東京大学在学時にAI研究に従事。在学中同時に英単語アプリmikanを共同創業し、CTOとして従事。その後Fringe81株式会社(現Unipos株式会社)に入社、ピアボーナスサービスUniposを立ち上げ子会社化、代表に就任、グロースさせたのち親会社と合併。「すべての挑戦が報われる社会に」を個人ミッションとしログラスに参画。2023年11月に 執行役員 VPoP に就任。

中出 昌哉(Masaya Nakade)@masaya_nakade
テックタッチ株式会社 取締役CFO / CPO 。新卒で野村證券株式会社に入社、投資銀行部門でM&A業務に6年近く携わる。その後、マサチューセッツ工科大学でMBAを取得し、カーライル・グループに入社。投資先の発掘・投資候補の戦略立案/デューデリジェンス・投資後の会社のバリューアップを担当後、テックタッチに参画。

森 大祐(Daisuke Mori)@diceK66
株式会社UPSIDER VPoP。新卒で株式会社ワークスアプリケーションズに入社後、会計システムを中心として、大手企業のERP、業務システムの開発をリード。いくつかのキャリアを経て、PKSHAグループにて複数のAI SaaSを立ち上げ、それらのプロダクト企画統括を務める。2023年に入社した株式会社UPSIDERではVP of Productを務める。


ベンチャーで働くPdMのリアル|1日の過ごし方

ログラス 斉藤:今回は前回までの対談と違って、カジュアルにお酒を交えつつ、PdMのキャリアについてお話していくんですね。

UPSIDER 森:はい!今回の企画は僕もすごく楽しみにしていたので、楽しすぎてあまり脱線しないように気をつけます(笑)

テックタッチ 中出:たしかに(笑)逆に緊張しますね。読者であるPdMの方々に有益な情報をお伝えできるよう、自分たちも頑張ります。

UPSIDER 森:それではカジュアルトーク、盛り上がっていきましょう!乾杯!

ALL:乾杯!

ログラス 斉藤:みなさんは普段平日と休日それぞれどのように時間を過ごされていますか?

UPSIDER 森:
自分の場合は、集中してクリエイティビティを発揮するための枠の時間を可能な限り確保するようにしています。イメージで言うと、各チームとの定例MTGはできるだけ夕方から19時ぐらいに固めてもらっていて、火曜日と木曜日の午後はMTGを入れないようにして、それ以外の時間で、集中作業するための枠を作りやすい状態にしている感じです。

「自分がプログラミングで手を動かすのはあまりよくない」とは思っているものの、やはりプログラミングも好きなんで、他の業務に支障が出ない程度にやっています。プロダクトのコードをコミットしているというわけではなくて、例えば、BPOの作業のうち、「これちょっとプログラム書いたら自動化できるな」とか、「効率的になるんだよな」というものを、夜や週末にこっそりとやっています。私がこっそり作って効果があったものについては、その後エンジニアが実際の機能として製品に取り込んでくれていたりもします(笑)

ログラス 斉藤:私は、平日は曜日ごとに仕事のスタイルを変えています。月水木は自分の作業時間、火金は経営陣とのMTGや1on1という形でスケジュールを分けています。
また、1日の中でも、採用業務は10時〜11時か、19時以降しか原則入れないようにしています。また、13時〜17時は個人的な業務に取り組む時間にしています。ログラスはSlackのやり取りが盛んなため、それらを返信気を取られると自分の業務がなかなか進まないので、通知をオフにしています。また脳みそが集中できると言われている528ヘルツの音楽をかけながら仕事をしています。

休日は家族で過ごすことが多いですが、終業後は会社の部活動に参加することもあります。昨日は仕事終わりにオフィスで、それぞれのおすすめのアニメを持ち寄って鑑賞会をしました。ログラスではこのように、部活動などの業務外の活動についてもメンバーのコミットメントが非常に高く、全社イベントにも力を入れているんです。年に1回全社の交流を目的とした合宿を開催しているのですが、合宿用のコンセプトムービーを自分たちで作成し、発表したこともありました。台本も映像編集も、みんな本気で取り組んでいるので、熱量がすごいなと思いました(笑)

テックタッチ 中出:素敵なカルチャーですね!

1日のスケジュールの中で仕事の時間が決まっているのもいいですね。集中している時に面接が入るとなかなかスイッチが切り替えられないことも多いので、自分も取り入れたいなと思いました。

自分は結構ワークホリックなんで、平日は日中に社内外とのMTGを詰めていて、個人の業務は19:00以降に取り組むか、土日に寄せて作業をします。育成にもかなり時間を使っています。平日の夜も会食で埋まっていたりすることも多く、プライベートのためだけの時間はほとんどないですね。あまりよくないなとは思っているんですが、自分はこのスタイルが気に入ってしまってる部分もあるんですよね。
ただ、最近はアイデアの源泉を広げるために、もう少し余力をもって余暇の時間を作ろうかなと思っています(笑)

転職した方が良いPdMとは|PdMとして自分をアップデートし続けるために重要なこと

UPSIDER 森:今日の主題は「ぶっちゃけ、転職した方が良いPdMとは」についてですね。PdMの方の中で、どんな状況の方は今の会社で頑張ったほうが良いのか、逆にどんな状況に置かれている方は外に出たほうが良いのか、お二人の考えを聞かせて下さい。

テックタッチ 中出:さすがカジュアルトーク、ぶっちゃけたお題ですね(笑)しかも、めちゃくちゃ難しい。

ログラス 斉藤:PdMのキャリアの深淵をつく質問ともいえそうですね。

私は、扱う事業領域や企業が狙っているポジショニングと、自分の強みがマッチしているかどうかで、環境を変えるべきか判断できるといいと考えています。

PdMは扱う領域が広いのでプロダクト開発に限らず、ほぼ事業作り全般を担うことが多いと思います。だからこそ進め方や戦略が何通りもあると思いますし、「正解があまりないからこそ、多種多様な考え方や手法がありますよね。そのPdMが適している環境かどうかは、扱う事業領域や提供しているプロダクトに依存すると思います。

例えば、私たちは経営管理領域の課題を解決するクラウドサービス「Loglass経営管理」を提供しています。当社のプロダクトマネジメントにおいて大切なことは、PdMとしてのプロダクトや技術に対する理解だけでなく、経営に関する知見、興味関心の強さです。プロダクトマネジメントを行う際、ただ単純に「経営に関するデータを見やすくしよう」といった思考では、誰にもサービスを利用していただけません。
「経営者はこのデータをもとに、こういった意思決定がしたい、そのためにはどうしてもこのデータはこういった形式で出力される必要がある」というように、経営者の考え方や仕事の進め方、ワークフローも考えていかないといけない。

そのため、ログラスではPdMのメンバー全員に徹底的に経営について学び、経営者としての考え方を習得してもらっています。ログラスのPdMはプロダクトオタクなだけではダメで、経営者の思考を持っていないといけない、というのがログラスのPdMのポリシーですね。
ただ、そういった領域に興味がある方、もしくは自分の強みを活かせる方と、そうでない方がいます。自分の得意とする領域や興味関心が根本的に事業に合わないの場合は、環境を変える選択肢もあると思います。

テックタッチ 中出:たしかにその通りですね。
自分は「この環境で、今以上に自分が成長できる」と思えるか、そう思えなくなった瞬間から、次の環境に進むべきかなと思います。

これは他の職種にもいえることですが、斉藤さんがおっしゃってくれたみたいに、PdMには多種多様な流派があり、自分も各所で勉強させていただいたり、今回対談するお2人のお話も日頃から参考にさせていただいてます。とはいえ、やはり自分なりの仕事の進め方って一定確立されている部分もあって。

なので、徐々に「これはいつものこういうやり方だな」と感じる瞬間が多い人って、そこそこいるんじゃないかなって。なんというか、自分の力量よりも、一緒に働く人や環境と阿吽の呼吸で戦っているような感じですかね。もちろん働く人や場所と波長は大切なんですが、それだけではPdMとして必要な経験は満たされないんじゃないかと思っていて。
自分が「この環境に留まっていても、自分はこれ以上大きく変わることはないな」と思ってしまったら、それがタイミングなんじゃないかなと思います。

UPSIDER 森:それ、わかります。自分はtoBのプロダクトマネジメントを扱ってきたキャリアが長かったんですが、1つの領域でのキャリアが長くなり、PdMとしての解像度が上がってきてしまうと、仕事で得られる刺激が減り、成長角度が鈍くなる印象があります。

また、キャリアが長くなってきて、事業やプロダクトの成長にフォーカスしているというよりも、自分が担当している範囲の広さなどに注意が向いてきてしまっているとしたら、PdMとして、プロダクトの責任者として成長しようとしているのか、自分のコンフォートゾーンを広げようとしているんじゃないのか、立ち止まって考えてみて、新しいフィールドへのチャレンジを考えてみても良いんじゃないかなと思うことがありますね。


増え続けるPdMのニーズ|PdMを採用するベンチャーが求めるものとは

テックタッチ 中出:
PdMのニーズは今も増え続けてるそうですが、ログラスさんでは現在、プロダクト開発で募集しているポジションはありますか?

ログラス 斉藤:たくさんあります!プロダクト側だけで、今は26枠ほどのポジションを募集しています。それぞれのチームの中でも、マネジメント、PdM、デザイナーなど複数募集をしています。PdMにはシニアPdMとVPoPの2ポジションで募集をしています。

VPoPのポジションは私と強みを補完できるような方と出会いたいと思っています。1つは私が主に戦略を担当し、組織開発に関する全般の業務を任せられるような方。もう1つは、私が経験していないような規模の経営に関する知見が深く、事業づくりに興味がある方です。
市場から引く手数多で難しい採用になることは理解しているので、一次面接から私が担当し、事業のビジョンや役割の期待値を丁寧にお伝えしています。

テックタッチ 中出:PdM採用は当社でも力を入れています。自分はCFOというポジションも兼務しているのでCFO向けのイベントのお誘いがくることが多いんですが、今は積極的にPdM系のイベントに顔を出していきたいと思っています。

UPSIDER 森:PdMのポジションで人を採用する時、みなさんはどのように待遇のすり合わせを行っていますか?

UPSIDERでは、PdM採用でオファーをお出しするまでできるだけ現年収、希望年収は聞かないようにしています。
現年収を聞いてしまうと、無意識にその金額に見合った評価なのかを判断しようとバイアスがかかり、シンプルにPdMとして優秀な方か、もしくは将来性が高い方なのか、また、UPSIDERとその人がマッチするのかを見極めることが難しくなると思っていて、プロダクトチームの採用では、できるかぎり報酬の話は聞かないと決めていますね。

また、PdMの給与に関しては、自分のイメージなんですが、ぶっちゃけ転職する時に過去の給与額よりも大幅に下がったという人はあまりいない印象です。PdMのニーズは伸びてますし、実際に自分も採用をしていて、給与については、結果的に候補者の方の期待と大きなギャップは生まれないケースが多いかなという印象です。

ログラス 斉藤:そうですね。平均の給与額は高いと思います。採用する立場としてはどうしても大手企業に条件面では敵わないのでベンチャー企業としての強みを候補者の方にどれだけ丁寧にとお伝えできるかが重要だと思います。

ログラスの場合、現時点で入社される方にはストックオプション(以下、SO)を付与しており、オファー時にSOに関する説明を実施しています。入社前にそれをきちんと説明することで他社と比較いただきたいと考えています。

ログラス 斉藤:採用のマッチングの観点では、UPSIDERさんのプロダクトチームはどのような点を見ているんですか?

UPSIDER 森:
自分は見ている観点が結構あって、まず、「抽象と具体」を柔軟に行き来しながら思考を深めていける方なのかどうかを見ています。そして、「市場と顧客の理解」も重要視しています。あとは、「市場トレンドの理解」と「技術トレンドの理解」も大切だと思っていますね。

例えば、前職でどんな機能を作ったか、それはどんな業務シーンで、どんなユーザーが、どのように使うような機能なのか、その機能はどんなこだわりを持って作っていたのかとどんどん具体を質問していって、じゃあ逆にそれはどんなプロダクト戦略や市場のトレンドがあったから作る必要があった機能なのかと、ぐっと抽象的な課題に戻る質問をするいうような感じです。

最近気になってる技術にはどんなものがあるか、それを今自分が扱っているプロダクトに反映するとしたらどのようにするかのような質問もよくします。技術トレンドの理解に関しては、細かい技術知識を見極めているというよりは、技術面への関心をきちんと持っていて、主体的に技術の進化を自分で追っていっている方なのかどうか、といった観点で見ています。

ログラス 斉藤:
技術面などのスキル的な観点の話になるのですが、そういった部分のすり合わせは口頭の問答で実施されてますか?

UPSIDER 森:
UPSIDERの場合、面接の質疑応答で確認しています、事前にワークサンプルをお渡しして、それをベースに質問させていただくようにしています。ログラスさんはどうですか?

ログラス 斉藤:
ログラスではケース型のワークサンプルテストを行っています。自社のプロダクトについてNDAを結んだ上で情報を開示し、レイヤーや職種ごとに異なるテストを用意しています。また、事前に30分から45分でヒアリングの時間を設定しています。諸々の情報をキャッチアップいただいた上で、プレゼンをしてもらい、そこでいただいた回答に関しディスカッションを行います。

ワークサンプルテストはそれなりにボリュームがあるので、大変だと感じられることも多いです。実際、この選考をご案内して辞退になるケースも少なくはありません。それでも実施を続けているのは単に私たちがスキルを判断したいということではなく、候補者の方が「ログラスのプロダクトに興味を持っていただけるか」「実際に手を動かす中で活躍できるイメージが湧いてくるか」を確認いただきたいという意図があります。
テックタッチ 中出: 
テックタッチでもワークサンプルを活用しています。元々はやっていなかったんですが、一度取り入れてみたところ、かなり互いの相性が把握できたため、「あ、もうこれしかないな。」と思い、そこからずっと続けています。

当社のワークサンプルはかなり実務的で、宿題形式ではなくその場で模擬顧客インタビュー、戦略の立案と提案まで行っていただきます。ヒアリングは、面接官である自分をお客様だと思っていただき、その場でヒアリングする項目なども考えてもらいます。その時点で、仮説の準備の仕方もわかりますし、そこから機能提案にまで落としきれるか、等の思考力・実行力も把握できるため、重宝しています。

また、面接を受けてくださった方に、ご入社の有無に関わらず、後日ランチをしながらお話を聞かせて頂く機会もそこそこあり、そのお話を聞くことで、自社の採用をよりよくするには何ができるか、等はよく考えていたりもします。

最後に

ログラス 斉藤:カジュアルトークと言いつつ、結構まじめな話をしてしまいましたね(笑)
PdMとして、今後もお二方とは情報交換をしながら高め合っていきたいです。

テックタッチ 中出:こちらこそ、よろしくお願いします。私自身は今日、非常に楽しくお話しをさせてもらったんですが、無事記事にできそうですかね…?

UPSIDER 森:はい。PdMとしてのキャリアについてのお話しはもちろん、フラットにみなさんのお人柄や会社の雰囲気も伝わる内容になったのではないかと思います。

PdMのニーズが高まり求人が増える中、やはりキャリアに悩まれる方も多いと思います。そういった方にこの記事を読んでいただいて、ぜひ今後のキャリア選択の参考にしていただければ嬉しいなと思います。

皆さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!
次回はぜひ、「プロダクト責任者焼肉会」でもしましょう!

ALL:いいですね!ぜひやりましょう!
今回対談いただいた各社では、プロダクトマネージャーを大募集しています!
少しでも気になった方はぜひお話ししましょう!

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