下村 一

世田谷区立希望丘青少年交流センター「アップス」のセンター長。大学を卒業後、当時、国立総…

下村 一

世田谷区立希望丘青少年交流センター「アップス」のセンター長。大学を卒業後、当時、国立総合児童センター[こどもの城]を運営していた児童育成協会に入職。以来、児童館勤務が長いが、現在は、世田谷の若者支援施設でユースワークについてモヤモヤしながら考える日々。

最近の記事

ユースワーカーのモヤモヤ④

子どもの最善の利益  子どもの権利条約の4つの原則の1つでもある子どもの最善の利益。ユニセフのホームページにも「子どもに関することが決められ、行われる時は、『その子どもにとって最もよいことは何か』を第一に考えます。」(https://www.unicef.or.jp/about_unicef/about_rig.html)とある。当然のことだと思うし、自分もしっかりと実践していきたいと思う。  また別の原則として、子どもの意見の尊重「子どもは自分に関係のある事柄について自由

    • ユースワーカーのモヤモヤ③

      オルパという社会実験  世田谷区のユースセンター(青少年交流センター)は、世田谷区が実験的に行ったオルパという事業を抜きに語ることはできない。オルパは、信用金庫跡の空き店舗を利用して、平成25年6月から平成26年2月末までの期間限定でつくられた中高生世代のための居場所。その運営は、大学生が中心となり、中高生も参画して行われた。つまり、若者の居場所を若者自身の力で運営したのだ。多くの中高生が利用し、地域との交流も盛んで、当時、地域の方も「地元に溶け込んでいい関係が築けた」と話

      • ユースワーカーのモヤモヤ②

        こども基本法  今年の6月に成立し、来年4月から施行されるこども基本法。日本は、子どもの権利条約を批准して以来、国連子どもの権利委員会から、「子どもの権利に関する包括的な法律を採択し、かつ国内法を条約の原則及び規定と完全に調和させるための措置をとるよう」勧告を受けており、ようやくこれが整った形になる。1994年の批准から、30年近くかかってしまったことにモヤモヤする気持ちを隠せない。  この法律の基本理念として、すべての子どもが個人として尊重されること、自己に直接関係する全

        • ユースワーカーのモヤモヤ①

          多様なモヤモヤ  教育系の大学を卒業後、教職に就くことなく、国立総合児童センター[こどもの城]を運営していた今の財団に入職した。今思えば、児童館についての理解は決して十分ではなく、学生時代にたまたま接した社会教育的な活動がとても楽しかったという理由で入職を決めていた。当然ではあるが、その後、時間をかけて児童館について学び、理解を深めていった。その後、埼玉県草加市の住宅地の中にある地域密着型の児童館での勤務を経て、現在のユースセンター(青少年交流センター)へと辿り着くことにな

        ユースワーカーのモヤモヤ④