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0306日記-「詩人の恋」が頭から離れない

 スマホを割った。ジャンパーのポケットにスマホを突っ込んで、駆け足で横断歩道を渡っていたらそこからスルリと落ちてしまって、割れた。やってしまった。液晶画面の左上と右下に、蜘蛛の巣よりも細かいヒビが入った。

 なんだよ。耐久性が高いって言ってたじゃんか。Appleめ、パイにしてやろうか、なんて突飛なことを思う。わかってる。自分がジャンパーのポケットの浅いところに入れてしまっていたことも、そのポケットのジッパーを閉め忘れていたことも。完全に不注意な自分が悪いのだけど、先日の口座ロック事件といい最近運が悪すぎるから悪態くらい吐かせてほしい。この際、占ってもらおうか。

 などと考えていても、あっぱーぱんち、寝たら1日で色々と忘れてしまう人間である。楽観的に生きていくしかない。

 そうだ、寝たら色々と忘れている人間なのに、今日の朝からティザーを繰り返し観てしまっている映画がある。

 それが、「詩人の恋」だ。昨夜、Netflixで観た韓国映画だ。

妻が妊活を始め、葛藤の日々を送る売れない詩人。
ある日、ドーナツ屋で働くひとりの青年と出会ったことで、これまで感じたことのない激しい感情が彼に芽生える。

 普段Netflixでなんとなく気になった作品を前情報なく観ることが多いから、今回もこの2文だけが頭に入っている状態で試聴を開始した。

 結論から言おう。めっちゃくっちゃ、複雑な気持ちで終わった。

 妻がいる身である詩人の恋。恋のゆく手はドーナツ屋で働く男の子。きっと、ひとまわり以上は離れているだろう。
 これは、恋なのか?と感じる人もいるような恋。私は愛じゃないか?と思っている。原題も시인의 사랑。사랑は恋じゃなくて愛って訳でもありうるし。恋焦がれるよりももっと深く、慈しむような感情だと私は詩人を観ていて感じていた。

 ただ、この感情は不倫だ、恋心だと話は進んでいく。友人からもゲイだと距離を置かれる。当然、妻からも非難される。

 「詩人は代わりに泣いてあげること」だと詩人は言う。男の子の代わりに詩人は泣く。やがてお互いになくてはならない存在だと感じ始めるけれど───。

 詩人、男の子、妻、全員を抱きしめたくなるような愛おしい物語だと思う。皆不器用で、弱くて、脆くて、だから身を寄せ合っているような気がした。キャラクター1人1人が魅力的で、観終わった後もずっと「話」のその後よりも「人」のその後が気になってしまう。

 何気なく観始めたのに、こんなに惹かれるのは初めてだ。観ている最中よりも、観終わった後の方が登場人物たちを理解しようと努めてしまう。だからこその複雑な感情。全員にうまくいってほしいと思うからこその感情に苛まれてしまう。まるで取り憑かれてるみたいで困っちゃうなぁ。


 何言うてん、こいつ、と思う人。百聞は一見にしかず。是非観て欲しい。

 今日はここまで。おやすみなさい。

 あ、書いていて気づいたけれどスマホの液晶画面の上にカバーしていたんだった。え、嬉しい、修理しなくてもいいのか!でもバックアップ取るために写真めちゃくちゃ消しちゃった。返せ私のおもひで……。Appleめ……。

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