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紙の楽譜からiPadに変えた理由

ズバリ!アップルペンシルを購入したからでございます。この選択により、断然、iPadが使い易くなり、紙と電子の狭間にある「やっぱ、違うんだよなぁ…」感が激減しました。

紙の楽譜をiPadに変えた経緯

まず強く申し上げておきたいのは、とはいえ、まだまだ紙の楽譜を強く愛しております。できれば、ずーっと、これからもずーっと紙の楽譜と練習も本番も一緒にいたい!しかし、持ち運びに不便、譜めくりに不便、編曲に不便、ファイリングに不便、という理由からiPadが便利と師匠に薦めていただき購入しました。便利というより、特に編曲とファイリングが重要なこの仕事においては「これ以外、ありえないでしょ!」と、これがなきゃ仕事にならないから、と師匠は仰っておられました。必須のようです。

購入した後どうなったか

楽譜サイズとまではいきませんが、限りなく紙の楽譜の片面の大きさに近いiPad Pro 12.9 inchを購入。容量はPDFで300曲くらいなら128GBで十分とアドバイスを頂き、抑えた予算でペンシル購入を検討していました。ところが「ペンシルはいつでも購入できますし、一緒に買ったところで割引はありません」と控えめな営業アドバイス。アップルの方がそう仰るなら、とペンシル購入はしばらく様子を見ることにしました。

しかし購入直後、イベントの仕事が入りiPad で初仕事することになりました。が、やっぱり一緒にペンシルも買っておくべきだったと激しく後悔するハメになりました。

なぜペンシルが必要か?

ルービンシュタインは(略)「コーヒーをこぼしたしみのあとも、くっきり目に浮かんできますよ」

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音楽家に限らずスポーツ選手であれ、プレゼンであれ、人前でのパフォーマンスでストレスを無くすには、いかに練習と同じ状態をキープするかが鍵となります。場所が違う、人が周りにいる、自分の楽器でない、これらは変えることのできないいつもと違う条件でありますから、ならば、せめて他の部分はできるだけ練習と同じに整えたいと思うのが心情であります。

引用した彼はコンサートピアニストですから演奏は暗譜で、しかも、楽譜を写真のように覚えた(神業)ようです。凡人は暗譜が不要な場合であっても、やはり練習と同じに整えたいのは誰でも同じと思います。つまり、紙で練習した場合は本番も紙が良い。練習は紙だけど、本番はiPadというのが嫌なんです。ですから、本番でiPadを使うなら練習からiPadというのが自然の成り行きでありましょう。

そこでなんですが、練習の時に楽譜にいろいろ書き込みますけど、ペンシルを買うまではそれを「紙に書き込み」→「デジタル入力」→「PCからiPadへ移行」という面倒な作業をいちいち練習の度に行っていて、どこまで入力したのか進捗状況が分からなくなったり、テキスト入力が面倒、記号がどこに入っているのか分からん!というわけで、なぜか練習の途中で楽譜作成アプリの動画を見始めるという時間の無駄ばかりしていました。

自分が判れば良いだけの話なのに、取説を読みながら美しく入力する必要って、、、ある?

この疑問に苛立ちながらも「本番で間違えないためにもiPad に入力する必要があるのだ!」とペンシルの存在をすっかり忘れて入力に没頭する私。だから、音の出る仕事は昼間にして、夜の空いた時間にチマチマとiPadに入力しては寝落ちするという日々を過ごしていたのでした。

そんな私にあるYouTuberの動画が飛び込んできて、驚愕!私はその夜にペンシルをポチっていました(動画はコチラ)。

全て解決

ということで、ペンシル購入後は紙の楽譜からデジタルへの移行は全く問題なく、大変満足しています。譜めくりの時、二本指でのフリップが無効になり『何で?』と焦ったり、アップデートなど「今はやめて〜」と思うような場面もありましたが、それらも設定で変えられるようですから大丈夫なようです。

最後に

私がそうであったように、多くの紙派の方々(誰?)のために、ケチを付けたい要因を探してみました。できれば見開きで楽譜の大きさがあれば譜めくりの回数が少なくてすむから楽とか、弾いてる時に画面がライトに照らされて光って見えにくいとか、真っ白ではなくアイボリーっぽい色の方が見易いとか、考えればケチをつける部分はいろいろあると探しましたが、どれも工夫次第で解決できる問題と分かりました。譜めくりのタイミングや色はアプリ入力の時に調節できるし、ペーパーライクのフィルターを付ければOKなのではないでしょうか(私はまだですが)。

スケジュール管理も手帳派だったのが、アプリで手書きして携帯と連携、Goodnote5で携帯にメモっていたものをまとめることも始めて、iPadライフがペンシルのお陰で広がりました。つくづく、食わず嫌いは損をすると実感している今日この頃です!

紙の楽譜の行く末

私が心配する必要などないとは承知してますが、紙は紙で残るというのが私の見解です。ベートーヴェンはヘンレ版、ショパンはパデレフスキー、エキエル版、モーツァルトはウィーン原典版とか、作曲者により使用者から好まれ選ばれる出版社は異なりますし、出版社ごとに運指法や解釈、自筆譜に忠実とか特徴もいろいろです。ですから勉強の時にはこれらが使われることは将来も変わることなく行われることでしょう。

だた、最近は出版社がデジタル版を発行していたりして、有名ピアニスト達がこぞって「このアプリいけてるぜ」なるコメントやいいね!を残しているらしいのです。

しかも、このアプリは指使いも複数の編集者やピアニストのものが選べたりするらしいのです。それって出版社ごとに楽譜出す意味がなくなるんじゃないんですか?という、いや一回のダウンロードでそれができるのなら無駄にお金を使う必要もないし、そうなると断然「紙よりアプリの方がいいよね」と思ってしまいます。

昔はレッスンに通うにも電話帳(…って、知ってますか?)のように分厚いベートーヴェンとか持って歩いて重くて肩凝りとかありましたけど、このアプリとペンシルさえあればレッスンへ行くにも楽々〜って、そんな世の中なんですね。

あとはもう、紙の匂いが好き❤︎とか、手触りが好き、というレベルだけとなってしまい、それってフェチだけが紙を好む時代、紙の楽譜は古の産物となってしまうのでしょうか?私はパデレフスキーとか、ウィーン原典版など、開いた最初のページに自筆のコピーや肖像画、手の銅像の写真などを見て興奮していたタイプなので、全てがデジタルになる(とは思っていませんが)のは悲しく、紙には絶対に生き残って欲しいと思っています。

とはいえ、そういう部分も味わいたい!感じたい(私)!ということでしたら、見開き部分の写真を撮り、ロック画面に設定して紙の雰囲気を懐かしんでくださいませ。

もちろん、使い分けるためにデジタルがあると思うので両方の利用は当然なのですが、断捨離推進派の私としては本棚がかさばるのは時代に逆行していると思うところもあり、悩ましい限りです。

この世に紙は存在していて欲しいが、使うのはデジタルという感じになりましょうかね?

皆様、どちらを使われますか?


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