老齢イリュージョン


先日、或る情報番組で、年をとると、若い頃と「時間の速度」の感じ方が、変わる理由という話を聞いた。
 子供の一日は、初めての事や、知らない事が、いっぱい有り、「新しい学び」等の刺激に溢れ、せわしなく、時間が過ぎて行く為、一日を「あっという間」に感じ、逆に、大人は、そんな刺激は、既に経験済みで、知識も習得済みなので、安定した日常を繰り返すだけなので、子供の頃感じた「あっという間」の時間が日常に無い為、のんびり緩やかな時間を過ごせるらしい。

因みに、僕は「置き忘れ」をよくする。僕は片手が不自由なので、何をするのも、その片手(健康な方の手だけ)で行うので、手に何かを持っていると、何も出来ないから、それを一旦横に置き、他の作業を始め、それが終わると、一旦置いておいた事を既に忘れているという算段で「置き忘れ」が多発する。
先日も本を読んでいたら、電話が鳴ったので、一旦本を膝の上に置き、電話に対応し、電話が終わったので、トイレに行こうと立ち上がると、当然、膝から本が落ち→それに気付かず→見事、物質消失マジック成立となった。

歳をとると、こうして、毎日がイリュージョンです。
物質は、消失し、時間は速度を変える

こんなに毎日ハラハラドキドキ体験ばかりなのだから、毎日「脳トレ」に励んでいるようなものだろうと思うが、一向に「置き忘れ」は減らない。

こうして、毎日同じようなミスを繰り返しているから「新しい学び」が無い為、経過する時間はただ速やかに素通りするだけで、経験値が上がらないのだろうか?
そして、また、今日も僕の一日はイリュージョンに溢れているだろう。
まだ、お若い方々は、そんな「老齢イリュージョン」を楽しみに、健やかに歳を重ねて下さいね。皆様のご健勝を願います。

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