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【起業】スタートアップで最も大事なポイントを3つに絞りました。

総合的な思考基盤を養うことをテーマに読書した知識を引用・解説していくnote。本稿では「SUPER FOUNDERS 著アリ・タマセブ」より、スタートアップノウハウを紹介していく。

【読んでほしい人】
起業を志望する人やシード期のスタートアップ起業家

本稿の引用著書

それではみていこう。

#1起業は一筋縄ではいかない

ピボットはごく当たり前のことで、スタートアップ業界ではだいたい歓迎される。最終的に十億ドル企業になった会社にも、最初はまったく違うアイデアから始まったものは多い。

たとえばユーチューブ。たいていの人によって、それはあらゆる動画の詰まった━━━猫、ミュージック・ビデオ、ハウツーまで━━━巨大動画共有プラットフォームである。しかし2005年に最初に世に出たとき、創業者たちには違うアイデアがあった。もともとは出会い系のサイトになるはずだった。

このアイデアは失敗だった。サイトに映像をアップロードする人はいなかった。何人かのユーザーが動画をアップロードするようになったが、デートのためではなかった。自分たちの休暇のビデオや、ペットのおかしなビデオだった。

スタートアップ界隈では、

最初のプロダクト・サービスで上手くいくことは少なく大抵は何度かピボットすることになる

と言われている。

たとえば、

  • Slackは別事業を推進━━━メインの別事業の方は失敗━━━するために社内で利用していたツール

  • インスタグラムは機能過多でごちゃごちゃしていた

  • ツイッターは元はポッドキャスト

だったことを考えると最初の仮説と行動が100%正しい可能性がどれだけ少ないかが分かる。

ピボットすることのリスク━━━当初の理念やプロダクトに惹かれて入った社員への影響など━━━をキース・ラボアがわかりやすい説明をしている。

スクールバスを運転していると想像してみてほしい。毎日、子どもたちを学校まで乗せていくが、突然ハンドルを大きく切る。子どもたちはシートベルトをしていないので、前後左右に大きく揺れる。社員はどうしていいかわからなくなる。

プロダクトやターゲット、または目的そのものを変えてしまうことで社員や投資家、既存顧客から非難を浴びる可能性があることが印象深くわかる一説だ。

また、ベンチャーキャピタル、グレイロックのパートナー、サラ・グオのピボットに関するコメントを見てみよう。

あるプロダクトがマーケットに適合していないと認めるのは難しいし恐ろしい。二次的な問題に目を向けるほうがはるかに簡単です。

二次的な問題とは、市場に受け入れられる前にセールスやマーケターの採用に奔走したり、手あたり次第に広告費を投下したりすることだ。

市場に受け入れられていない現実を直視することは大変だ、ソフトウェアなり、プロダクトなり投資コストが大きければ大きいほどサンクコスト効果━━━過去分の投資がもったいなく感じて回収するために更に投資してしまう心理現象━━━により逃げれなくなる。

でも創業者CEOとして、

キャッシュアウトする前にマーケットへの適合を見極め、戦略的後退を決断できるか

は大きな才能の1つだと言える。


          ***

#2マストかnice to haveか

#1では、事業プランが上手くいかない可能性をみたが、事業プランに基づくサービスモデルは大きく分けると2つに分かれている。スタートアップ界隈でよく言われる、痛み止め型なのか、ビタミン剤型なのかの議論である。

痛み止め型とは既に課題が顕在化していて対応するサービスも市場にある事業領域になる。

つまり既にあるサービスをより効果的なプロダクト、より安いサービスを展開していくことでシェアを伸ばすモデルである。

メガネの販売をインターネットに移行することでコスト構造を改革した企業は以下のようにコメントしている。

わかったのは、この業界が少数の大手企業に支配され、価格をあえて高いままにしているということでした。とブルーメンタールは言う。「ここに参入して大変革を起こし、価格をいまの4分の1にすれば、きっとマーケット・シェアを少しづつでも獲得できると思いました。」

もちろん大手が既に多数いるマーケットへの参入は恐ろしい。多くの起業家がそう考える中、実は痛み止め型のモデルについて以下データがある。

10億ドル達成企業のうち、いくつかの大手企業との競争に直面した会社は全体の55パーセントで、それに続くのは、創業時にまったく競合がいない会社(17パーセント)、次が細分化市場にいる会社、つまり支配的な大手企業はいないが12を超える企業とシェアを分け合っているような会社(15パーセント)

つまり創業時に競合がいないのはたった約20パーセントで、多くのケースで先駆者が市場に出ていることがわかる。━━━競合を避けてニーズのない暗礁に乗り上げるよりはマシってことかい!

一方で、あればうれしいけどなくても致命的ではないビタミン剤型モデルは成功しないのか。実はそんなことはない。

驚いたことに、10億ドル達成スタートアップ企業の中に、ビタミン剤型プロダクトを作る会社が、思ったより多く名を連ねていた。このグループの3分の1近くが、ビタミン剤型プロダクトをつくっていたのだ。

まさにTwitterなどはビタミン剤型の代名詞ともいえるだろう。一言を呟かないといてもたってもいられない!という人はいない。だがTwitterは市民権を得て国内だけでも約4,500万ユーザーがいる。

私の考えるところでは、今後はビタミン剤型ビジネスが増えると考えている。

━━━遡ること5世紀、歴史上最初の株式会社は1553年にイギリスで設立されたロシア会社だ。

香辛料や綿花などの貿易、自動車や電化製品などの小売りなど世界をより豊かにするために人々の欲望がどんどん具現化されてきた。

2022年現在どうだろう。片手一つで世界にアクセスでき、近い将来ハンドルを握らなくても移動できるほど豊かになっている━━━。

欲望に忠実に走ってきた人類は、

オーガニックな世界━━━より自分のことを表現できる、より自由に選択肢できる、家族との時間を大切にできる、デジタルデトックス

を好むようになってきている。

つまり、

━━━致命的な課題では正直ないけど、僕は私はもっとこうしたいな。

が増えており、

━━━そのオーガニック思考にアジャストしたビジネスが増えていくのではないか?

というのが私の考える21世紀のビジネス外観である。

課題を解決してマイナスを0にするのではなく、0をプラスにするビタミン剤型事業に注目だ。


          ***

#3タイミング

長くなってきたので最後にビジネスのタイミングが大事だという話を少しだけしたいと思う。

「どの通信業者も、特にヨーロッパの会社は、GPSを使用するたび1ドルを課していた」と話す。ウーバーのような位置データに頼っているアプリはつくれなかった。コストが高くなりすぎるからだ。

ウーバの事例からもわかる通り、以下のようなタイミングでは新規ビジネスのチャンスがある。

  • 法律や規制が変わったタイミング

  • マーケット全体のコスト構造が変わったタイミング;#2で説明したようなメガネ販売のインターネット化

  • 社会情勢が変わり習慣が変わったタイミング;コロナでリモート勤務ができるようになった!

スタートアップで、

━━━君がなぜそれを今する必要があるのか?

と聞かれるのはそういうことだ。よいプロダクトやサービスをつくっていたとしても市場の見えざる手に招かれるとは限らないのだ。

コロナの前にリモートで出勤したいなんて誰も考えなかったし、Twitterやインスタグラムがない時にレストランで出てきたご飯を食べる前にカメラを起動するおまじないをかける━━━よりご飯が美味しくなるのだろうか━━━人はほぼいなかっただろう。

PEST(政治・経済・社会・技術)を考えて何が勝機を見出せそうか仮説をしっかり立てて検証していく

ことが創業者CEOに求められる。


以上、3章にわたってスタートアップで重要な要素を話した。もちろんこれが全てではないだろう。だが考慮して間違いがない要素である。エンジョイ起業家ライフ。

━━━FIN

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